男子禁制☆峰なゆかのヒミツの更衣室『大人の片想い』
更新日:2013/12/20
そんなあなたへの処方本はこらら…
ムーミン谷の三角関係の決着は。
思春期のうちにすませておくべき恥を、わざわざ大人になってからやることはありませんが、思春期のうちに読んでおくべき本を、大人になってから読むのは悪くない。
『ムーミン谷の仲間たち』の一遍、「世界でいちばん最後のりゅう」では、ムーミントロールがすてきなりゅうを捕まえます。
りゅうが怒ってふいた、けむりの雲で火傷させられても「なんてらんぼうで、おこりんぼうで、いじわるなんだ、きみは? だからぼくは、きみがすきで、すきで、すきなんだよ、小さいりゅうくん!」と鼻をならすくらいにぞっこん。
しかし小さなりゅうくんは、空気を読まずにスナフキンのことが大好きになってしまいます。傷ついたムーミントロールがりゅうを外に放してやると、一目散に飛んでいきます。
きっとスナフキンの肩にとまっているはずさ、と歯をくいしばって言うムーミン。だってムーミンもスナフキンが大好きだから、りゅうの気持ちも分かるのです。
ムーミンのだいすきなりゅうが自分の肩にとまるのを見て、スナフキンは少し溜息をつき、それからふるい紅茶わかしにりゅうを押し込んでできるだけ遠くに捨てることにしました。もちろんムーミントロールがりゅうの行方を尋ねにきたときには、「ぼくは知らないなあ」と興味なさげにパイプに火をつけるんですけどね。
やることなすことかっこいいスナフキンを目指すには遠すぎますが、せめて紅茶わかしに押し込められないよう、ムーミンのように人を好きになりたいものです。
11月18日、運命の日がやってくる!
峰なゆか著『アラサーちゃん』発売決定!!