ラノベはやっぱりハッピーエンドじゃなきゃね! ―ブンガク!【最終回】―

アニメ

2014/3/13

 中高生を中心に大人気の「ライトノベル」(通称ラノベ)。最近ではテレビアニメ化などの影響でファン層も拡大しています。そこで、ラノベって言葉は知ってても読んだことがない、という初心者向けに“超”入門コラムをお届け!代表的な作品の紹介や、楽しみ方について、ラノベ風の会話劇でお送りします。

制作協力:代々木アニメーション学院 / 文=カンダ ユウヤ 絵=ましま


★バックナンバーはこちら!★
★ブンガク部の部員名簿はこちら!★

~三年生 教室~

中島直斗(普)
「おはようございます! 今川先輩、兄さん。いよいよ卒業式ですね~」

中島優斗(困)
「……ああ、直斗か? ちょうどよかった」

中島直斗(普)
「ん? 兄さん、何かあったの?」

中島優斗(困)
「……卒業式、僕はどうすればいいんだろう?」

中島直斗(普)
「え?」

今川凜子(普)
「実はね、優斗君、卒業式で卒業生代表としてスピーチするんだってさ。そんなこんなで“自分は何を言ったらいいんだー!”慌てちゃってさ」

中島優斗(困)
「これなら昨日の夜は『とある飛空士への追憶』を読まず、素直にスピーチの練習をしておけばよかった!」

Fate/Apocrypha

『とある飛空士への追憶』(犬村小六/小学館)

「美姫を守って単機敵中翔破、1万2千キロ。やれるかね?」レヴァーム皇国の傭兵飛空士シャルルは、そのあまりに荒唐無稽な指令に我が耳を疑った。「光芒五里に及ぶ」美しさを持つ次期皇妃の少女、ファナと流れ者であるシャルルが何の運命のいたずらか、ふたりきりで海上翔破の旅に出る。蒼天に積乱雲がたちのぼる夏の洋上にきらめいた、恋と空戦の物語

中島直斗(普)
「そうなんだ……あはは」

今川凜子(普)
「もう、優斗君ここまで来たら、とりあえず頑張ろう。そうじゃないと後輩のみんなに笑われちゃうよ」

中島優斗(困)
「うん」

今川凜子(笑)
「もう、やるだけやってみなきゃ。それに君がそんなんじゃ、スピーチを聞く側のほうが恥ずかしいよ。ね、直斗君!」

中島直斗(普)
「え、僕ですか!? う~ん、まあ、確かに……」

中島優斗(困)
「う~ん、そう……」

今川凜子(笑)
「そうだよ、卒業式なんだからここは気合いを入れて行こうよ!」

中島優斗(普)
「うん、わかった……それなら頑張ってみるよ」

今川凜子(普)
「うん、頑張ってね」

中島直斗(普)
「では、僕は卒業式の準備をしてきますね。これでも僕、卒業生の兄さんに記念品を贈る一年生代表ですから」

中島優斗(普)
「ああ、そういえばお前が今年のプレゼンター役だったんだよな」

今川凜子(普)
「そうだよね、君が恥をかいちゃうとその次に恥ずかしいのは直斗君だものね。ここはお兄さんらしく頑張らないとね、優斗君!」

中島優斗(困)
「うう、プレゼンター役が弟だと思うと余計に失敗できないじゃないか……やばい、緊張してきた」

中島直斗(普)
「はあ、じゃあ、先輩、兄さんを頼みますね」

今川凜子(普)
「うん、任せて!」

中島直斗(普)
「それじゃあ、また卒業式で……」

今川凜子(笑)
「は~い、またね~」

中島優斗(笑)
「プレゼンター役は頼んだぞ~」

中島直斗(笑)
「はい、了解! ではまた~」

~体育館~

中島直斗(普)
「……先輩、準備のほうは順調ですか?」

桜井智樹(普)
「……ああ、直斗君!」

石田健(普)
「……よう、なおっち、どうした」

中島直斗(普)
「な、なんですか、そのたまご形ゲーム的なあだ名は……」

石田健(普)
「それはもちろんそのたまご形ゲームから付けた直斗君のFネームさ」

中島直斗(普)
「Fネーム?」

桜井智樹(普)
「ああ、それ、彼の独自用語ね。彼曰くフレンド・ネームらしいよ。まあ、あんまり気にしないでやって……それに彼のこういうハイテンションなところを気にしないでというのもいまさらな感じもあるけどね」

中島直斗(普)
「あはは、そういう意味だったんですが、いきなり言われてビックリしちゃいましたよ」

桜井智樹(普)
「まあね、僕も朝に会ったら、ともっちとか言われて大変だったよ、笑っちゃうよね」

石田健(普)
「おい、ともっち! そういえばこの間貸した『ストライク・ザ・ブラッド』だけど、いつ返してくれるの?」

Fate/Apocrypha

『ストライク・ザ・ブラッド』(三雲岳斗/アスキー・メディアワークス)

洋上に浮かぶ常夏の人工島で繰り広げられる、学園アクションファンタジー。伝説の中にしか存在しないはずの世界最強の吸血鬼“第四真祖”。 災厄を撒き散らすといわれる幻の吸血鬼が十二の眷獣を従え、日本に出現した。政府の獅子王機関は、 “第四真祖”監視と抹殺のため“剣巫”と呼ばれる攻魔師の派遣。しかしなぜか監視役として選ばれたのは、見習い“剣巫”少女の姫柊雪菜だった。魔族特区“絃神市”を訪れる雪菜はそこで “第四真祖”である暁古城と出会う

桜井智樹(怒)
「て、今そのあだ名で呼ぶなよ、後輩の前だぞ、超恥ずかしいだろ!!」

石田健(普)
「いーじゃん、別にこれからは部のほうは俺らが回さなくちゃいけないんだからさ。少し親しげな呼び方があっても良いだろ」

桜井智樹(怒)
「でも、そのネーミングはないだろう?」

石田健(普)
「なら、智ちゃんは?」

桜井智樹(怒)
「更に、ないわ! 僕は男なんだぞ、それじゃあ、まるで女の子の名前みたいじゃないか」

石田健(普)
「あはは、かわいくていいじゃん!」

桜井智樹(怒)
「ああ、そう……て、いいわけあるかッ!?」

中島直斗(普)
「……あはは」

石田健(普)
「で、直斗君はなんか俺らに用かい?」

桜井智樹(普)
「あ、名前が元に戻ってる」

中島直斗(普)
「ああ、まあ……その準備のほうは進んでいますかって聞きに来たのと、あとこれ差し入れのお茶です、どうぞ……」

桜井智樹(笑) 石田健(笑)
「おお、ありがとう」

桜井智樹(普)
「あ、そういえば直斗君、さっき田中先生が君のことを捜していたよ」

中島直斗(普)
「あ、そうですか、じゃあ、僕のほうから会いに行ってみますね」

桜井智樹(普) 石田健(普)
「うん、じゃあね~」

中島直斗(普)
「は~い」

~保健室~

中島直斗(普)
「先生、中島です、失礼します」

田中先生(普)
「ああ、やあ、来たね。おはよう、直斗君」

中島直斗(普)
「あれ、先生、何を読んでいるんですか?」

田中先生(普)
「ああ、これかい……『空の境界 未来福音』だよ、君も知っているだろう。唯ちゃんが前に僕に進めてくれたんだよ。……にしても彼女は選ぶセンスがいいね」

Fate/Apocrypha

『空の境界 未来福音』(奈須きのこ/星海社文庫)

『空の境界』の正統なる継承作品ここに登場。『空の境界』の新たに書き下ろされたサイドストーリー。黒桐幹也が出会った回避可能な未来を予知する未来視少女・瀬尾静音の小さな恋と両儀式が出会った「決定された未来」を視る事のできる未来視の連続爆弾魔・倉密メルカとの対決を描く、二つの物語。そしてふたつの“未来”が重なり合う結末の行方は!? 新たに紡がれる未来への福音の物語が今始まる

中島直斗(普)
「……そういえば先生、なんか僕を探しているって聞きましたけど何かありましたか?」

田中先生(普)
「ああ、大した用じゃないよ。ただ、直斗君ここのところ大丈夫かなって思ってさ」

中島直斗(普)
「大丈夫? まあ、大丈夫ですけど……」

田中先生(普)
「いや、たださ、この前、唯ちゃんを見送ったあとの君はなんか寂しそうだったからさ。少し気になってね」

中島直斗(普)
「……大丈夫ですよ、先生。僕は平気です」

田中先生(普)
「そうか。おっと、そろそろ時間だね。僕は準備があるから先に行くね。……あ、でももしかすると今日はいいことがあるかもよ」

中島直斗(普)
「はい?」

~ブンガク部 部室~

中島直斗(普)
「……寂しいか。それと卒業式か、できれば唯ちゃんとブンガク部の皆がそろって迎えられたら良かったのにな……」

???「……その唯って言う子はもしかして私のことですか?」

中島直斗(普)
「え!?」

佐藤唯(笑)
「おはようございます、直斗君」

中島直斗(困)
「あれ、唯ちゃんどうして!?」

佐藤唯(普)
「……えーと、まあ、平たく言うと帰ってまいりました。俗に言うアイル・ビー・バックって言うやつです!」

中島直斗(困)
「……でも、なんで、家の都合は?」

佐藤唯(困)
「ああ、実は一度家には帰ったのですが、父がですね……」

中島直斗(普)
「父が……」

佐藤唯(困)
「……何を勘違いしたのか、私に親しいボーイフレンドができたことを知って何やかんや理由をつけて私を連れ戻したんです」

中島直斗(困)
「え、それって、まさか……?」

佐藤唯(笑)
「はい、そのまさかの……あなたです、直斗君」

中島直斗(困)
「えーッ!!」

佐藤唯(困)
「す、すいません、そういう意味では直斗君に多大な迷惑を……」

中島直斗(普)
「……あはは、なんだこのこれ以上ないほど脱力感が満載な理由は……でも元気そうで安心したよ、唯ちゃん。で、その後はどうしたの?」

佐藤唯(普)
「まあ、父に理由を聞いてみたら私がいなくて寂しかったとか、今すぐそのボーイフレンドを自分に紹介しろとか言ってました……でも、最後は理解してくれたみたいで復学することを許してもらえたんです」

中島直斗(笑)
「そ、そうだったのか……それはよかった。それならまた僕らは学校に一緒に通えるね」

佐藤唯(笑)
「はい!」

キ~ン♪ コ~ン♪ カ~ン♪ コ~ン♪

校内アナウンス「卒業式の準備が整いました。在校生は卒業生を迎える準備のため、至急、体育館に集まってください」

キ~ン♪ コ~ン♪ カ~ン♪ コ~ン♪

中島直斗(普)
「校内アナウンスだ。そろそろ行かないと……」

佐藤唯(普)
「卒業式にですか……」

中島直斗(普)
「え、うん」

佐藤唯(笑)
「なら、急ぎましょう、直斗君!」

中島直斗(普)
「あ、ああ、て、唯ちゃんも行くの!?」

佐藤唯(笑)
「もちろん!」

中島直斗(普)
「変わらないなそのマイペースさ……あ、そういえば一つ言い忘れていたことがあったね」

佐藤唯(普)
「え、なんですか?」

中島直斗(笑)
「……おかえり、唯ちゃん……」

佐藤唯(笑)
「……はい、ただいまです!」

……おわり

   

最後に一言

中島優斗(笑)今川凜子(笑)桜井智樹(笑)石田健(笑)佐藤唯(笑)中島直斗(笑)

 

「こんにちは、僕ら、私たちブンガク部です!」

中島優斗(笑)
「今まで『ブンガク!』を見てくださったみなさん、ありがとうございます!」

今川凜子(笑)
「みなさんの応援でおかげここまで部を盛り上げることができました!」

桜井智樹(笑)
「僕らが今こうして笑い合えるのもみなさんのおかげです!」

石田健(笑)
「これからも俺達はブンガク部として頑張っていこうと思います!」

佐藤唯(笑)
「『ブンガク!』はこれで最終回ですが、皆さんも私たちのこと忘れないでくださいね」

中島直斗(笑)
「あらためて皆さんにここでお礼と感謝の言葉を送ります、では……」

中島優斗(笑)今川凜子(笑)桜井智樹(笑)石田健(笑)佐藤唯(笑)中島直斗(笑)

 

「みなさん、ありがとうございました! またどこかで~!!」