私、カープのために会社やめました【第1話】30歳目前、男気(?)見せます!

カープ女子

2015/7/31

はじめまして、これからこちらで連載をさせて頂くことになりました古田ちさこです。

私はプロ野球チーム・広島東洋カープのファン、いわゆるカープ女子で年齢は29歳です。

広島東洋カープという球団は魅力がたくさんあって選手、応援スタイル、グッズ、歴史…どこをとっても楽しんでもらえる自信があります。ファン歴29年(!)の私でも、いまだ飽きる気配すらありません。

私の両親はともにカープファンで、ものごころつく前から神宮球場を中心にセリーグの球場に連れて行ってもらいました。なので私が千葉で育ちながらもカープを応援することになったのはごく自然なことだったんです。

野球というと男くさかったり、ちょっと固いイメージがあるのか女性ファンは珍しく思われがちですが、私が普段ファッションを楽しんだり、異性にキュンとしたり、TVドラマに感動したりするように女性的な視点だからこそ楽しめる要素が野球にもそのまんまあるのです。

そんな感じで昔からカープファンだった私ですがカープ女子という言葉は昨年流行語トップテンにも選ばれたように幅広く認知されたのはごく最近のことです。

(元々カープファンの女性はたくさんいたと思うのですが…)

一昨年の秋、カープが16年ぶりAクラス入りを決めたあたりからメディアで沢山とりあげられ、カープファンをアピールしていた私の所にもTVやラジオから取材をしたいと連絡が来るようになりました。

そして迎えた今年、開幕前有名な解説者の方々ほとんどがカープを優勝候補に挙げました。

普段はカープがちょっと調子が良い位で簡単に調子にのっちゃダメ!と自戒している私も、2年連続Aクラスで終えた昨季、来年は本当にいけるかもしれない‥と思いはじめました。

そこに人気と実力を兼ね備えた男の中の男、黒田博樹さん(メジャーリーグで活躍した名投手です)が!男気を見せ大リーグからカープへの電撃復帰を発表!!

にわかには信じ難いことでした。12月27日の朝、その一報を聞いた私は、「やだ寝ぼけて。」と二度寝したくらいです。

起きて夢じゃないことを飲み込めたそのとき、「これはカープ優勝しちゃう!!!!」と期待は確信に変わりました。

そしてひとつ、自分の決断が間違っていなかったことも確信したのです。

その決断とは、カープを応援する為に会社を辞める決意をしたことです。

私は10年間、ジュエリーを販売するお仕事を続けていました。

お店では店長を務めていたので販売はもちろんスタッフ教育に店舗視察、東京大阪間を会議の為に往復し、空いた時間でクレーム対応のセミナーに参加したり…

年末年始も初売とその準備でお休みはなく、元旦から仕事にでかけたところ父親に「正月くらい家族と過ごせないのか」と言われたことも。

21時にお店を閉めてからではナイターも間に合わないし、土日は休めないため月6日あるお休みも試合のない月曜日が中心。

そもそも、1日10時間の立ち仕事(職場では7cm以上のヒールが絶対)を6連勤した翌日はちょっと体も休めたい。スクワット応援(カープファンは座ったり立ったりを繰り返しながら応援します)をする元気も消耗されていました。

自然と観戦から遠のいてしまって、年間の観戦数は5試合行ければ良い方でした。

そこから5年前、一度会社を変える決意をし、派遣会社経由で憧れだったブランドに少しだけ高いお給料で勤務できることになりました。

残業代は5分単位でもらえ、休日も増え(10日も!)、土日も冠婚葬祭であれば休めます。

地味に嬉しかったのは近くに神宮球場があること!!

一昨年のオールスターは早番で19時に上がるやいなやいそいでタクシーに乗り込み、10分後にはスタンドにいられちゃった!!♫

20代も後半になるとそれなりに器用になるものなんですかね…。

仕事と趣味を両立できるようになりました。

それからの5年は観戦数も平均15試合以上に増え、宮城や名古屋にも足を伸ばして遠征を楽しむ余裕もできました。

そこにきてこのカープの上昇っぷり。

カープが勢いをつけて優勝が狙える位置にいた昨年。

どうしても行きたい試合、声を出したい試合が増えました。

思い出すのは一昨年のCS初出場。

日帰りで大阪に行き、夢中で応援して2ndステージまで進むことができたときのあの喜び。

あの甲子園を真っ赤に染めて”応援が力になる”と実感できた喜び。

その喜びが忘れられなくなっていた私は休みの日にも1日カープのことばかりになっていき、
抑えられなくなっている欲求が仕事に影響する前にと、会社を辞める決意をしました。

仕事優先で観戦できずに来年カープが優勝しなかったら一生後悔するし、優勝しても一生後悔すると思いました。

“仕事だから我慢”と考えようものなら、「十分我慢してきたぞ~う」と私の中の赤い悪魔が囁きます。

我慢はほどほどにするべきだと思います。そうでないと30歳も目前になって「野球が観たいから仕事辞める!」という決断をしてしまいます。(笑)

結局昨年の夏、会社の上司にそのことを打ち明けました。

さすがに「野球がいっぱい観たい!」なんて説明では恩知らずにも程があるので、考えられる理由をすべてお話しながら、

でもできるだけ素直に、“野球を第一優先にしたい”という気持ちを伝えました。

…選手でもなんでもない身で。(笑)

上司はこんな私の社会人としての無責任さを責めることはせず、ただ「収入のあてはあるの?」というツッコミをいただきました。

カープ女子として月に1本書いているコラムと、上司も入社時から“仕事の時間以外を使うなら”と了承してくれ続けていたモデルの仕事、時間ができて少し増やせたとしても決して普通に暮らせるほどは見込めません。

「よく行っている試合中継が観られるバーでバイトができるかもしれなくて…、観戦費は貯金から捻出すればなんとか」

と正直に答えると

「うちで出勤数を調整したらどう? 自由過ぎると困るけど、試合がある日は前もってわかるんだよね?」

いてほしいから、なんとかする、という予想外の言葉。

その瞬間、お客様達の顔が浮かび泣きそうになりました。

どんなに探しても、ここ以上の職場はないと思っていました。

でもそんな働き方をしているスタッフはどこにもいないので、考えつくこともなかったんです。

結局派遣会社は辞めることになり、社会保険や厚生年金はもちろん“ベテランの販売員”というプライドを捨ててアルバイトになりました。

人事や店長、私のかわりに入ってくれる新しいスタッフ、みんなの協力を得て私は今も大好きなジュエリーのお店で月に約10日働いています。

働き方に前例がない以上は結果を出さなければいけませんから、もちろん仕事中はカープのこと考えずそれがまた良い結果になっていると思います。

ただただ仕事のせいにして我慢していた頃よりもとても前向きに、より意識高く仕事にも応援にも励めている現状です。

お陰で今季は既に前半戦で20試合、広島には4度も行けています!

ジュエリー業界が忙しくなるクリスマスシーズンには復帰するのでその時まで、後半戦、CS、日本シリーズ!

悔いを残さないようカープを追いかけようと思います☆

いよいよシーズンは後半戦!

今年は交流戦でセリーグがパリーグに惨敗したおかげでまだまだ首位と3.5ゲーム差で優勝のチャンスはあります♪

この折り返し地点を期に、新たなカープへの援護としてこの連載をスタートさせたいと思います。

私は今年の12月で30歳、区切りの年です。

自分に自信がなかった10代、仕事も恋も不器用だった20代前半、そしてこんなかたちで迎えるとは想像もしていなかった20代最後の年。

いい歳をして、どうしてそんなに野球に夢中になれるのか?

野球に全く興味が無い方にも、この連載を通じて知ってもらえたらいいなと思っています。

秋に連載が終わる頃には旨酒を酌み交わしていたいなぁー!

古田ちさこ
ふるた・ちさこ●1985年12月20日、千葉県出身。広島東洋カープ好きが高じて、今春会社を退職。都内のジュエリーショップでアルバイトをしながら、応援のため全国を駆けまわる。その情熱が話題を呼び、『広島アスリートマガジン』『マイナビニュース』でコラムを連載。『ヴェートーベンとカープ女子のキミの瞳に鯉してる』(とちぎテレビ)にもレギュラー出演中。一家全員カープファン。サウスポーが好き。Twitter(@chisakofuruta)でつぶやくほか、ブログも随時更新。

企画協力=内野ムネハル
写真=飯岡拓也