女性ファンを虜にする怪談ユニット「怪談社」インタビュー|夏のホラー部第2回

更新日:2015/8/17

満席になってもライブは赤字!?

――お二人は怪談社結成前、個人で活動されていたんですよね。

紗那:怪談を聞くのが昔から好きで、地元の祭りでしゃべるようになったのが最初。それから色んなイベントに呼ばれるようになって。一時期、怪談作家のイベントを手伝ったりもしとったよ。

紙舞・僕はもともと妖怪が好きで、妖怪の町おこしイベントに携わっていたんです。ある時、怪談をステージで語ったら、お客さんがすごく喜んでくれて、それから怪談語りが活動のメインになっていきました。

――お二人は見た目も性格も好対照ですけど、出会いのきっかけは?

紙舞:ぼくが呼ばれたある怪談イベントに、紗那さんがお客として来ていたんです。

紗那:おもんないイベントでね(笑)。あやしい霊能者とか色んな人が出とったけど。そこで紙舞がしゃべった怪談がめっちゃ面白くて、こんな子がおるんや、と名刺を渡した。

紙舞:正直、怖い人に声かけられたとびびりまして。半年くらい放置してたんですよ。

――気持ちはよく分かります。

紗那:おい、お前!

紙舞:(笑)。

――2007年に怪談社結成となるわけですが、ユニット名の由来は?

紙舞:何をやってる団体か、ストレートに分かる方がいいだろうと。紗那さんが命名しました。

紗那:自分らだけじゃなく、若い怪談好きの子らが活動できる場を作りたいな、というのがあって「社」がいいんちゃうかなと。今はもうニコ生とかがあるから、必要なくなったんやけどね。

――怪談社のライブは映像や音響、照明をフルに活用した演出も有名ですね。

紙舞:ライブ形式にこだわりがあるので、手を抜かずにやっていきたいところですね。会場もできるだけ雰囲気のある場所を借りるようにして。いい会場は値段も高いんですが、そこはある意味、採算度外視で。

――じゃあチケットが完売でも赤字が出ることも?

紙舞:正直、そういうこともあります。

紗那:ナンセンスな話やな。

紙舞:もちろんお金も大事ですけど、それが第一義ではないので。

――ポスターやチラシも毎回凝っていますし、何でも自前で作りあげる精神がすごく強いですよね。

紗那:誰もしてくれへんからね。

紙舞:ライブを開催するには、怪談だけしゃべれればいいというわけではないんです。もちろん、スタッフの協力あっての話ですけど。怪談語りプラスアルファどれだけ動けるか。紗那さんは演出的なことをしていますし、ぼくも予算の管理とかをしています。怪談社やり出してから、怪談と関係ない知識がいっぱい身につきました。

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