つぶやきシローの青空読書『風の又三郎』を読んだよ

更新日:2013/12/20

ツイッターフォロワー数 50 万人のつぶやきシローが
大人になった今だからこそ読みたい、なぜか青空が似合う文豪たちの名作文庫を真面目に読書

今回の読本はコレ!

電子『風の又三郎』宮沢賢治

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ある村の小さな小学校に、赤い髪の不思議な少年・三郎が転校してくる。彼が動く度に風がおこる…、そんな不思議な現象から、彼は村の子どもたちに「風の又三郎」ではないかと受け入れられるのだ。彼の登場で、村の子たちはさまざまな刺激的な体験をする。物語の最後まで転校生・三郎が又三郎だったと結論づけることはできず、賢治の解釈が長年議論され続けている。
印象的な擬音語や、賢治のふるさとである岩手の方言で綴られた小気味の良いリズムも、この作品の不思議な世界観をより強めている。現実世界と幻想の世界の狭間で揺れる、子ども特有の精神世界を鮮やかに描いた作品だ。

つぶやき感想文

みんな子どもの頃にさ、理屈では説明できない不思議な体験をしたことがあるでしょ。僕も大人になって忘れているだけで、小さい頃、又三郎みたいな子に出合ったことがある気がするのよ。人それぞれの心のなかに「又三郎」みたいな存在がいるはずだよね。

 

 

僕にとっての又三郎ってわけじゃないけどさ、子どもの頃の唯一「俺たち親友だよな」って言い寄ってきてくれた男の子がいたのよ。親友だよなって言われたのが、初めてだったから特に仲良かった訳じゃないんだけど、親友っぽい動きをしてきたんだよね。そしたら、本当に仲良くなったんだけど、でもその子、引っ越しちゃって。それから一度も会ってないけど、彼を今でも鮮烈に思い出すし、なんだか不思議な感覚になるんだよね。

子どもの頃にしていた遊びを思い出したんだけどさ、色オニってあったじゃない? 色オニって、色を指定して、見つけて触らない限り追いかけられるやつね。あれをね、金持ちの友だちの家でやったときは、赤、青、黄色って色んな色があってすごい楽しかったのよね。でも、僕の家にたまたま友達が来たときにしてみたらさ、タンス、畳、ちゃぶ台、ふすま…、とか見渡す限り部屋に茶色系しかなくって。あの色オニは惨めだったってことを思い出したね。

 

 

季節の移ろう狭間のふっとした切なさが、作品全体からにじみ出ているよね。この作品、夏休みが終わってまだ目が覚めなくって、ぼーっと夏の出来事を懐古している感じがするでしょ。宮沢賢治の作品って、夢か現実かわからなくて、えも言われぬスーッとした読後感が感じられるものが多いよね。

この作品さ、きっと子どもの頃に読んだはずなんだけど、その時どう感じたか忘れちゃったのよ。でもきっと子どもの頃はその場の感受性で楽しく読めていたんだろうね。大人になった今改めて読んでみて、無理矢理深く理解して物語を解釈しようとする自分がイヤになるね。読む年齢やモチベーションによって、感じ方が異なる作品だね。。