つぶやきシローの青空読書『風の又三郎』を読んだよ

更新日:2013/12/20

つぶやきマーカー

「転校生って絶対のけ者にされちゃうんだよね」

僕ね、又三郎と同時期の小4の夏終わりに転校したから、又三郎側の気持ちもよくわかるのよ。子どもって変な村意識があって、転校生を仲間はずれにしたがるでしょ。又三郎は赤髪でハイカラだし、父親もなんか変わった仕事をしているしで、村の子たちから見たらかなり異質な存在だったんだろうね。

「○○の又三郎っていっぱい居そうだよね」

三郎が何かをすると必ず風が吹くから、彼は風の又三郎なんだよね。なんか自然の精って、雨男とか晴れ男とかに近い感じあるじゃない。だから「あいつが外に出ると必ず雨がふる、雨の又三郎」とか「あいつが歩いたあとは必ずヌメヌメ湿っぽくなる、沼の又三郎」とか「誰も踏んでいない、雪を踏みたがる雪の又三郎」とかが居てもいいよね。「あいつが現れるといつも大荒れ、暴れん坊の嵐の又三郎」はかっこいいね。

「ここまでやたらと食いついて問い詰めまくるのは異常だよね」

耕助って子が「風なんて世界になくてもいいよ」って三郎をからかった時に、「じゃあ、その理由を箇条書きで述べよ」って返すのよ。で、耕助が「風は傘を壊すし」、「樹も折るし」とか風の悪いところを言っていったら、三郎は「それからそれから」ってしつこく問い詰めるのね。20回以上、「でっ?でっ!?でっ!!?」って言われたら泣いちゃうよね。あそこまで風のことを気にするなんて、三郎は絶対に風の精、又三郎だね。。

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「実は僕、この作品の隠されたメッセージに気が付いちゃったのよ」

よーく読んでほしいんだけど、又三郎が去ったあとの教室で、先生が”赤いうちわ”を持っているのよ。僕ね、これが又三郎なんじゃないかって思っちゃった。又三郎は髪の毛赤かったし、うちわ=風だし、わざわざ「ふしぎなことは」って強調するように書いてるし。こうやって又三郎は、色んなところに憑依していっている…っていうのがオチなのかもよ。

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「イカと醤油」

愛情表現が不器用な父と、父を誰よりも尊敬し貧しい生活をも明るく楽しく過ごす息子・健太の物語。不足した日常は彼らにとって不幸ではない。しかし、健太が小学校に入学する頃、突然二人の生活に終わりが訪れる。理想な親子とは?つぶやきシローがその問いを投げかける。

僕が思う理想の親子を書いてみました。
こういう父親、こういう息子が今の時代もいてもいいんじゃないかって思います。