「リア充じゃないから作家になれた」“粘膜作家”飴村行インタビュー|夏のホラー部第4回

オカルト

2015/8/29

――最新作の『ジムグリ』(集英社)は、地底で生活する人々「モグラ」の存在感が妖しくてたまらないですね。『粘膜』シリーズとはひと味違ったダウナーな魅力が満載でした。

飴村:イエロー・マジック・オーケストラに「CASTALIA」っていう暗い曲があって、昔からそれを聞くたびに浮んでくる映像があるんです。男が隧道の中を延々とさまうっていう映像なんですけど、『ジムグリ』はそれに決着をつけたくて書きました。地底で色々なことが起こる、僕なりの『不思議の国のアリス』でもありますね。

――YMOあっての小説なんですね。

飴村:当初はタイトルも『CASTALA』だったんですけど、分かりにくいということで変更に。予定ではこの本がヒットすることで、噂が教授(坂本龍一)の耳にも届いて、対談やコラボレーションが実現するはずだった んですが。

――教授サイドからの反応は?

飴村:これからだと思いますよ! この機会に強くアピールしておきたいので、ここは活字を大きくしておいてください。

――「モグラ」と日本人の関係を描いた、架空の歴史のパートも刺激的でした。

飴村:押井守監督の映画って、よく架空の近代史が挿入されますよね。『立喰師列伝』とか。あの感じが大好きなので、やってみたかったんです。僕はこの小説がプロダクションI.G.でアニメ化されると信じているんですよ。

――オファーはまだなんですね。

飴村:まだです。カバーイラストを描いてくださった影山徹さんが、日本各地の隧道を検索するくらいこの作品を気に入ってくれたそうで、飴村作品は初めてという方も、楽しんでもらえる作品だと思います。

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