拝み屋にして怪談作家、郷内心瞳って何者だ!? | 夏のホラー部第5回

オカルト

2015/9/6

 活字媒体のホラーにおいて、本当にあった(とされる)怪異体験を作品化した〝怪談実話〟は相変わらずの大人気。書き手も増加の一途をたどっている。そんな群雄割拠の時代においてひときわ注目を集めているのが、宮城で拝み屋を営む怪談作家・郷内心瞳(ごうないしんどう)さんだ。リアル・ゴーストバスターな作家は、果たしてどんな日常生活を送っているのか。その素顔に迫った。

怪談作家・郷内心瞳さん

――まず「拝み屋」というお仕事について教えてください。

郷内:宗教っぽいイメージで捉えられることが多いんですが、特定の何かを信仰しているわけではありません。仕事場に祭壇はありますけど、あくまで舞台装置のようなもの。お客さんの相談を聞いて、悩みや不安を取り除くのが主なお仕事です。昔ながらの民間療法のようなものかな、と自分では考えているんですよ。

――地域に根ざしたカウンセラーのようなものですか。

郷内:そういうイメージですね。金縛りに遭った、怖いものを見たという相談って、多くは心の持ちようだったりする。「そういうことは滅多にないですよ」「大丈夫ですよ」とお話しして、日常生活に戻してあげるのが役割だと思っています。だから儲からないですよ(笑)。毎週通ってください、というわけにはいきませんから。

――郷内さんは宮城在住ですよね。近くに拝み屋さんって多いですか?

郷内:わたしが住んでいるのは宮城の山の中ですが、結構多いですね。拝み屋さん、ガミさん、カミさん、と色んな呼び名があります。体調が悪くて病院に行っても原因がはっきりしない、じゃあ拝み屋に行ってみようか、となる。東北にはそういう人を、違和感なく受けいれる土壌があるような気がします。

――どんな相談を受けることが多いですか?

郷内:人生の悩み全般、何でもありますよ。多いのは健康祈願や家内安全。家庭や職場のトラブルに悩んでいる方もいますし、車を買ったのでお祓いして欲しいという方も。中には変な方もいらっしゃいますけどね。

――お!変な方とは?

郷内:「お酒を飲むと幽霊が見えるんです」っていう方がいました。「飲めば飲むほど、変なものが見えるんです」って(笑)。どう考えても飲み過ぎなので、酒量を控えてみたらどうですか、ってお話ししました。自分には霊感があるという方もよく来ます。「わたしの能力は放出系。郷内さんは強化系だと思います」って、『ハンター×ハンター』の設定をそのまま信じてる人とか。普通に生きていたらなかなか会えない方々なので、面白いといえば面白いです。

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