安全ちゃん(11)20代で伸びる人、沈む人。10の沈殿度チェック!

更新日:2013/8/6

この企画は、清貧&妄想&アナーキーな安全ちゃんが書物の内容を実践し、時には大いに紆余曲折しながらリッパな人物へと成長していくさまを綴る、妄想と感動のドキュメンタリーである…

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20代の過ごし方で、その後の30年が決まる。
……「最初からトップ集団にしがみついていなければ、
トップになれる可能性はない」
という意味で人生はマラソンなのだ。


この連載が始まってからはや4か月……。
サクセスする気配はハッキリいって絶無だ。むしろ、成功本を読んで実践し、失敗し、心にダメージを負うという忌まわしすぎるルーティンによって、精神に変調をきたしつつある。

というわけで、今回とりあげるのは千田琢哉『20代で伸びる人、沈む人』。どんな成功本の助けを借りても断固失敗し続ける、「沈む20代」界代表として、この本に書かれている内容がどの程度あてはまるのかを検証したいと思う。

電20代で伸びる人、沈む人

千田琢哉/きこ書房

伸びる20代は、陰口を言われる側。沈む20代は、陰口を言う側…。20代のうちは、もともとの能力差ではなく、ちょっとした心がけや気づきによって大きく飛躍します。20代の過ごし方で、その後の30年が決まる。


【1】伸びる20代は、陰口を言われる側。
   沈む20代は陰口を言う側

他人に何を言われているかはわからないけれど、少なくとも他人の陰口は言っていないし(陰口を言えるような関係の友人がいないため)、陰口もあまり言われていないと信じたい!
それにしても、伸びる20代の逆境ぶり……。

陰口は、伸びる20代にとっては、
サクセスストーリーのテーマソングなのだ


そんな気が狂いそうなテーマソングが四六時中掻き鳴らされているのでは、サクセスストーリーが始まる前に閉鎖病棟行きとなりかねない。金属バットでタコ殴りにされても折れない心の持ち主だけが、出る杭として生き延びられる世の中……。沈みたい!

⇒とにかく悪口を言われたくない! 沈殿度 +1。


【2】伸びる20代は返事が速い。
   沈む20代は返事が遅い。

あらゆる仕事を二つ返事で引き受けることに関しては右に出るものはいないと評判の私……。「返事のスピードを上げるだけで仕事が集中するようになる」とのことなので、今後もぜひ二つ返事に磨きをかけていこうと思う。

⇒伸びる20代側だった! 沈殿度-1。


【3】伸びる20代はアフター5を大切にする。
   沈む20代はアフター5を会社に捧げる。

仕事の質を上げていくには、アフター5に遊んで世の中のトレンドを掴んだり、読書や勉強でスキルアップに励む時間が不可欠! とのことだけれど、現状、仕事以外の時間はひたすら死んだ魚のような目で天井を見つめ、損傷した精神力の回復に励む毎日……。労働力の再生産タイムも一種の労働と考えれば、アフター5も仕事に捧げているといえる。

この状態からアフター5を充実させようとするのは、もはや自殺願望の一種の気もしなくはないが、人生一度は、全身を複雑骨折しながらも走り続ける経験をするべきか……?

⇒文句なしの沈み力を発揮! 沈殿度+1。


【4】伸びる20代はとりあえずやってみる。
   沈む20代は「でも」が口癖。

顧客が一番嫌いな言葉は「でも」。「できないけどやってみる」が許される年齢のうちにチャレンジしておかないと、何もできない30代になってしまうとのこと。

私は断る力がゼロなので、「でも」を言うことすらできない! 「とりあえずやってみる」的なフットワークの軽さはゼロなのに、結果的に「とにかくやらざるをえない」という状況に追い込まれがちな日常……!

⇒ 人間力の低さが逆に幸いして、 沈殿度-1。


【5】伸びる20代は上司を最初の顧客と考える。
   沈む20代は上司を野良犬と考える。 

社畜でありながら野良犬呼ばわりされる上司って一体……。と思いながら読んでいくと「沈む20代は、野良犬から逃げ回るように上司から逃げ回る」という意味あいで、別に「俺の上司は血に飢えた狂犬だ!」とかそういうことではなかったようだ。

⇒上司がいないので判定不可能。 沈殿度0。


【6】伸びる20代は、上司の給料が安くて気の毒と感じる。
   沈む20代は、自分の給料が安くて不満に感じる 

他人の所得に関してはよくわからないけれど、自分の所得の少なさに関しては、不満を通り越して生絞りの恐怖を感じてならない! 

⇒この地獄から誰か助けて! 沈殿度+1。


【7】伸びる20代は、後輩に「それは過激」と止められる。
   沈む20代は、後輩を「それは過激」と止める。 

私の原稿は、割と「内容、過激ですよね……」「書き直しになることはないんですか?」と聞かれることが多いのだけれど、「安全志向だから安全ちゃん」を名乗っているくらいなので、「内容が過激すぎる」という理由で書き直しになったことは一度もない。むしろ、安全志向が先鋭化しすぎて、趣味で読書をしているときでさえ「この表現は炎上度高い!」「この一文だけ引用されたらヤバい」など赤線を引きまくってしまうレベルである。

一方、穏健な原稿を出したところ「もっと狂ってる感じで!」と書き直しになったことならあり、先日来た依頼メールにも「本誌から浮いてしまうくらいで」とわざわざ注意書きがしてあった。アウトにならないギリギリラインを競い合う、異常性チキンレースが求められる時代……。

⇒私は安全ラインから一歩も出ないと誓った女……。 沈殿度+1。


【8】伸びる20代は、顧客と大人のケンカができる。
   沈む20代は、顧客にキレる。 

大人のケンカは当然できないが、顧客にキレることもできず、帰宅後自分の頭を壁に強打するような感じである

⇒どちらにもあてはまらず、 沈殿度0。


【9】伸びる20代は、「ちょっといい人」を目指す。
   沈む20代は、「一番いい人」を目指す。

「一番いい人」、目指したい! 私のいい人願望たるや、オンライン英会話講師(フィリピン人)にさえ 「この世の全員に嫌われないようにすることは不可能だし、無理に相手に合わせる必要なんてない。だって人はそれぞれ違うのだから……それが人生よ!」 と国境を越えて励まされたほど。

現実問題としては、一番どころか「ちょっといい人」を維持することさえできず、どちらかというと邪悪そのものなのが悲しいところだけれど……。

⇒無理だと分かっているのに、執拗にいい人路線を諦めない心、プライスレス……。 沈殿度+1。


【10】伸びる20代は、お札の向きがそろっている。
    沈む20代は、財布の中がごちゃごちゃ。

 

ごちゃごちゃしていてすみません……。ちなみに私の財布は、料理研究家の平野レミ先生がオススメしているのを見て以来、ジップロックを使っている。

⇒ごちゃごちゃしてた! 沈殿度+1。

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というわけで、トータルの沈みポイントは+4。まあまあの結果ではあるものの、「沈む20代」代表の看板を背負うにはもっと沈み切る努力が必要と痛感した。浮き上がることもできず、沈み切ることもできず……煮え切らないまま、次号に続く!

 

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