つぶやきシローの青空読書『吾輩は猫である』を読んだよ

更新日:2013/12/20

つぶやきマーカー

名前くらいつけてあげればよかったのにと思うよね

誰もが知っているこの日本一有名な書き出し。主人公の猫は、猫同士で挨拶するときも「吾輩は猫である。名前はまだない」って言うんだよね。で、「まだ」って言ってるからいつになったら名前がつくのかな~と思って読んでたのに最後まで特に名付けられず終いなのよ。きっと猫はちゃんと名前をつけてほしかったんだと思うよ。たった一言だけど、「まだない」から猫の孤独が垣間みえるね。

ぼくもこんな気ままな生活が送りたいけど、猫にバカにされそうだよね

猫の飼い主・苦沙弥先生は、割と家にいてゴロゴロと毎日を過ごしているんだよね。何にでも興味をもってすぐ手を出したがって、俳句をやったり、英文を書いたり、弓に凝ったり、趣味が多いのよ。でも「気の毒なことには、どれもこれもものになっておらん」って猫に言われちゃってるの。この猫目線で人間を観察している感じがこの作品の面白いところなのよ。

とにかく飼い主に気を使いまくる猫なんだよね

心のなかでは「人間って…」っていちいち批判しながら、世話になってる身分をわきまえて気を使いまくってるのよ。猫用の餌なんて与えられてないから、人間が残したものを食べるようにしてるし、苦沙弥先生が新聞を読む時は必ず膝のうえに座るようにしたり、猫の絵を描いているときはあくびを我慢して姿勢を保ってあげてたり…。爪をといだり下手なイタズラせず、行儀のいい猫だよね。

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最後に酒を飲むわけなんだけど…。猫でも飲みたくなる日があるのよ

こんな風にただ淡々と、猫のフィルターを通して人間を風刺した作品ってわけ。人間っていろいろいて、みんなが自分勝手でくだらない生き物だって感じたよ。でも、実は誰よりも人間らしくて哲学的なのは猫自身なんだけどね。そりゃ最後、酒でも飲まないとやってられなくなるよね。

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愛情表現が不器用な父と、父を誰よりも尊敬し貧しい生活をも明るく楽しく過ごす息子・健太の物語。不足した日常は彼らにとって不幸ではない。しかし、健太が小学校に入学する頃、突然二人の生活に終わりが訪れる。理想な親子とは?つぶやきシローがその問いを投げかける。

僕が思う理想の親子を書いてみました。
こういう父親、こういう息子が今の時代もいてもいいんじゃないかって思います。