第20回 大竹まことさん/瀧上伸一郎(流れ星)連載

2016/9/15

尊敬する芸人さんがいます。
ていうか基本的に全芸人さんを尊敬しているんですが、中でも僕の芸人としての考え方を大きく変えてくれた尊敬する芸人さんは、

元ブラジル代表の大渡さん。
フォークダンスDE成子坂さん。
大竹まことさん。

です。
今回は大竹まことさんについて語ろうかなと思います。

10年以上前、文化放送の企画ライブで優勝した僕らはご褒美として文化放送のラジオレギュラーをやらせてもらう事になりました。
そこのメインパーソナリティーが大竹まことさんで、そこで初めて大竹さんに出会いました。
最初のイメージは、

“TVタックルに出てる怖いおじさん”

皆さんも大竹さんに対してのイメージはこんな感じだと思います(いやお前はお笑い芸人なんだからそれだけの情報量はおかしいだろ! 俺!)。

大竹さんのラジオでの僕らのコーナーは、しかめっ面の大竹さんとドSの女性アナウンサーの前で毎週テーマにそった新ネタを披露する。という今考えてもなかなか過酷なコーナーでした。
ラジオをやっているうちに大竹さん、実はきたろうさんと斉木しげるさんとでシティボーイズという三人組のコントグループをやってる事を知りました。それぞれの名前は何となく知ってたけどまさかトリオだったなんて知りませんでした(いやだからお笑いやってて知るのが遅過ぎるわ! 俺!)。

そんな中、シティボーイズさんがライブをやっているというので、ちゅうえいと見学に行きました。
正直言いまして、
「おっさん達のコントなんてどーせ古臭いから観るの面倒くさいわー」
なんて観る前は思っていました。
しかしそんな考えはライブ始まって吹き飛んで行きました。距離的に岐阜からオーストラリア辺りまで吹き飛んだと思います。

衝撃的に面白い!!
何であんなおっさん達がここまで身体張ってふざけられるんだろう?
何でここまで守りに入らずに前衛的な事やれるんだろう?
何でひと笑いとる為の小道具にあそこまでお金掛けられるんだろう?

そんなコントライブをシティボーイズさんはデカイ会場でほぼ毎年やってて、しかも全国ツアーで何千、何万人と動員しているんです。
何で僕はこんな凄い人達を知らなかったんだ!? テレビでシティボーイズさんのネタやってないから知りたくても知らなかったんだ。シティボーイズとしてテレビ出てないのにこの人気は凄い!
そこで一つ気づいた事があります。

“お笑いで喰っていく”という事はテレビに出る事だけでは無い。

という事。
僕ら流れ星も将来こうなりたい!
それぞれテレビ出たりして世間はそんなにコンビとしては知らなくてもライブの全国ツアーでお客さんを何万人も動員出来る位になりたい!
ライブを観た後日、ちゅうえいと会って話をした所、ほぼ同じ衝撃を受けていて僕と同じ意見でした。
それは流れ星として初めて抱いた共通の具体的な夢になりました。

そして流れ星で頑張ってシティボーイズさんみたいになろうぜ! なんて言っていたある日、僕がラジオを大遅刻してしまった事がありました。
ラジオは生放送、本番が朝7時。
起きたのが朝7時。
テンパり過ぎて起きてから先ず最初にしたのは

“ゆっくりとタバコを吸う”

もう縁側のおじいちゃん位ゆっくり吸った記憶があります。
いや何でだよ!! 飛び起きてパンくわえながら門で転校生とぶつかる勢いで走れよ!!
と思った方々、聞いて下さい。人間とは不思議なもので遅刻し過ぎると逆にどうでもよくなって行動がゆっくりになるんです! 僕が実際そうだったからそうだと思います! 僕だけだったらそれはすいません!

そしてそれからは流石に急いでタクシーに飛び乗り文化放送に向かいましたが、もう心の中では
「東京、あばよ!」
と柳沢慎吾さんばりに思っていました。

ラジオ局にはエンディングぎりぎりで間に合い、(間に合ってねーよ!)ラジオ終わりに大竹さんに
「お前! こっちに来い!」
と言われました。
怒られる!(当たり前だよ!)
もうこの時点で完全にあ、俺、芸能界、終わった。と思いました。
ディレクターさんの前に連れて行かれ、土下座をさせられました。
その後も色々なスタッフさんの前に連れて行かれて土下座をし続けました。
色んな人に土下座しました。
最終的には掃除のおばちゃんにも土下座しました。
それを見てスタッフさんが笑っています。

大竹さんは僕の遅刻を“笑い”に変えてくれたんです。
「朝早い番組だから誰か遅刻すると思ってたんだよ。遅刻第一号が俺じゃなくてお前で良かった。これで俺が遅刻しやすくなったよ」

大竹さんにこう言われ、心に決めた事があります。
僕はこの人を一生尊敬し続ける。

皆さんも一回シティボーイズのコント、観てみて下さい。
僕みたいに人生変わるかもしれないです。
後、流れ星のネタも面白いよ!
こっちはちゃんとDVD買って観てね!