コルク代表・佐渡島庸平「この本にひとめ惚れ」

コルク

2017/2/6

『ダ・ヴィンチ』本誌の人気連載コーナー「この本にひとめ惚れ」から、コルク代表・佐渡島さんのひとめ惚れ本を紹介。『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』といった大ヒット作品を世に出した天才編集者・経営者が“ひとめぼれ”した本をチェック!

 

『心が雨漏りする日には』
中島らも 青春文庫 571円(税別) 
写真:佐々木芳郎
責任編集:プライム桶池

 中島らもさんは僕の人生に絶大な影響を与えてくれた人。自分には何ができるのだろうと悩んでいた高校生の時、学校の会報誌にインタビューを載せるという理由を作って会いにいったことがある。いち高校生だった僕に、中島さんは2時間向き合ってくれた。あの2時間のおかげで今の僕がある。彼のエッセイはずっと読み継がれてほしい。

 

『描かれた病 疾病および芸術としての医学挿画』
リチャード・バーネット/著
中里京子/訳
河出書房新社 3800円(税別)
日本語版デザイン監修・DTP:木庭貴信、川名亜実(オクターヴ)
編集(日本語版):吉住唯

 カラー写真が登場する前の時代に描かれた、様々な疾病の細密画が収録された1冊。この表紙の迫力たるや! 人間はこのような「壊れ方」をするのかと、思わず戦慄する。これほど「怖い」画集をじっくり読み込みながら編集、校正した方々にも敬意を表したい。

 

『誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち』
スティーヴン・ウィット/著
関 美和/訳
早川書房 2300円(税別)
装丁(日本語版):吉村 亮(Yoshi-des.)
装画(日本語版):眞柄花穂(Yoshi-des.)

「CDが売れない時代」をつくった張本人たちのドラマを描いている本。あらゆるコンテンツが無料化する時代、僕にとってもまったく他人事ではないテーマ。今、世の中で起きている現象を深く知るために読んでおきたい1冊。

 

【青山ブックセンターにて彷書】

 

<プロフィール>
佐渡島 庸平(さどしま・ようへい)●1979年生まれ。南アフリカで中学時代を過ごし、灘高校、東京大学を卒業。2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、クリエイターのエージェント会社、コルクを設立。現在、漫画作品では『オチビサン』『鼻下長紳士回顧録』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『テンプリズム』(曽田正人)、『インベスターZ』(三田紀房)、『昼間のパパは光ってる』(羽賀翔一)、小説作品では『マチネの終わりに』(平野啓一郎)の編集に携わっている。
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photo=首藤幹夫