第28回『嵐の五反田風俗物語』/森田哲矢(さらば青春の光)連載

2017/7/15

事故による怪我も徐々に回復の兆しを見せ、お見舞いで頂いたTENGAも残り僅かとなった今日この頃。
仕事で一緒になった関係者の方々に、「クソコラム読んでますよ」と、声をかけていただく機会も増えてきました。
そんな中、AKB48の峯岸みなみさんに、

 

「なぜかAKB内でも森田さんのコラムを読んでる子が何人かいますよ」

 

という衝撃的事実を告げられました。

 

マジか?

 

国民的アイドルグループの中にこの下衆コラムを読んでる子が実在すんの?
もしかしてこの前の総選挙で結婚発表したあの子も、おれのコラムに影響されてああいう決断したんかな?
その後に『FU◯K』て帽子かぶってた子なんて絶対読んでるよな? 読んでないとそんな帽子かぶらんよな?
やばっ! なんか知らんけど勃起してきた!
“めでてえ野郎”とは、僕みたいな人間のことを言うのでしょう。
そんな30オーバーのめでてえ野郎が勃起してる間に発表された『キングオブコント2017』開催のニュース。
キングオブコントと言えば、昨年は2回戦で落ちてしまい、このコラムの読者の方なら、1年ほど前のブス専門風俗店での死闘を生々しく描いた『戒めパンティ』の回を思い出していただけるのではないでしょうか。
しかし今思えば、あの日こそが“戒め”だったのではないかという出来事が、今から3年前の『キングオブコント2014』の当日に起こっていたのです。

 

東京に超大型の台風が直撃した決勝の夜、台風が日本列島に残した傷跡よりも深い傷跡を負うことになるとは、その時はまだ知る由もありませんでした。
その年、我々は無事に3年連続の決勝進出を果たし、3度目の正直と言わんばかりに、今年こそ優勝と、いつにも増して意気込んでいました。

 

しかし結果は大敗。

 

優勝は今や単独ライブがえげつない動員を誇るシソンヌ。
力の差を見せつけられながらも、悔しさで溢れかえる僕。
優勝賞金の1000万円で、まことしやかに囁かれる芸能界デリヘルの実態を調査する、という夢は儚くも崩れ落ち、毎年の如くウーロン茶でクダを巻く、見慣れた打ち上げ風景。

 

ふと隣を見ると、何十回もため息をつく男が一人。
巨匠というコンビのボケ担当、岡野陽一。
岡野はギャンブル狂で、知人や友人から総額約800万円ほど借金をしている、若手芸人随一のクズです。
パチンコ、競馬、競艇など、まるで全盛期の小室哲哉のシンセサイザーの演奏を彷彿とさせるかのように、あらゆるギャンブルに手を出すクズ。
7のつく日は一切連絡が取れなくなるクズ中のクズ。
この大会で優勝して、借金の全額返済を目論んでいたどうしようもない男。

巨匠は、いかにも岡野と言うべき「パチンコ玉を新聞紙で包み、そこに水をかけてクズを作る」というクレイジーなネタで決勝に進出し、初進出ながらも優勝候補の一角として名前を挙げられていました。
しかし、そんな巨匠も優勝したシソンヌと一回戦で当たり敗退。
ちなみにもしそこで勝ったら、2本目は「なぜか毎週金曜日の午前中に口から7千円を吐くおじさん」というネタをするつもりだったらしいです。
そんなクレイジーなネタをゴールデンタイムで2本もやらせてもらえる筈はありません。

 

「また明日から底辺の生活ですよ……」

 

ここぞとばかりにタダ酒をあおりながら、ため息混じりにつぶやく岡野。
そんな岡野を横目に、僕は僕で大会前から決めていたことがありました。

 

「優勝しようがしまいが、絶対に決勝終わりで風俗にいく」

 

賞レースの前のプレッシャーやストレスは、出産の時のそれとほぼ一緒だと言われています。
優勝する為のネタを仕上げるべく、連日連夜稽古に励み、決勝当日まで睡眠不足と闘う日々を過ごしてきた人間の体は、風俗に行くという発想になるように作られているのです。
数年前に行った『人体の不思議展』でも、そんな事を書いていたような気がします。

 

そして、同じテーブルで飲んでいた、ほぼ初対面の構成作家さん二人に、なぜかこの後の自分の決意を打ち明けました。

 

「僕この打ち上げが終わったら風俗行くんです。これは決勝前から決めてたんです。賞レースと出産ってね……」

 

何を聞かされてるんだという顔をする作家二人。
しかし、酒が進みムラムラしてきたのか、最後は二人とも、

 

「しょうがないから僕らも森田さんに付き合いますわ」

 

という謎の絆が生まれ、なぜか一緒に行くことになりました。

 

そして打ち上げが終わった深夜2時頃。
店の外ではスタッフさんが、タクチケを持って出演者の送り出しをしてくれていました。
スタッフさんの、
「森田さん、方面どちらですか?」
の問いに、

 

「五反田です!」

 

都内屈指の歓楽街の地名を、食い気味に大声で答える僕。
後ろに作家二人を従えるものの、『ろくでなしBLUES』の小兵二軍団感は否めません。
3人のその真っ直ぐな瞳に、何かただならぬ決意を感じとるスタッフ。

 

遠くに見えるシソンヌに向かって、バレないように中指を立てる3人。
溢れ出る小兵二軍団感。

 

タクチケという名の風俗パスポートを受け取り、タクシーに乗り込む小兵二軍団。
すると、借金800万円男岡野が、僕に声をかけて来ました。

 

「森田さん、どこまで行くんですか?」

 

愚問とばかりに大声で答える小兵二。

 

「五反田や! こんな日は五反田行くしかあれへん! 今日五反田行かん奴はアホや!」

 

絶対にそんなわけはない。こんな台風の深夜2時に五反田へ行く奴の方がアホです。

 

「マジすか!?」

 

少しうろたえる岡野。

 

「お前どうすんねん?」

 

の、問いに対して、少し間をとり、

 

「僕も乗せてください!」

 

と、答える岡野。
こいつの借金が膨らむ理由が分かったような気がしました。
兎にも角にも、小兵二軍団に写真部の中島を加えた地獄のタクシーが、凄まじい台風の中、アホがいる街、五反田へ走り出しました。

 

「岡野、お前の家って高円寺の方ちゃうかったっけ? 帰り大丈夫なん?」

 

少しだけ心配する僕。

 

「タクシー乗り込む前に、もう一枚タクチケくすねて来たんでそれで帰れます!」

 

100点のクズ、岡野。

 

つい数分前まで、死んだも同然のような顔で飲んでいた奴らが、今はハワイ旅行に行くかのようなテンションで盛り上がる車内。

 

「皆さん何系の店がいいですか?」

 

現地のコーディネーターのようなスタンスで、みんなの要望を聞く僕。

 

「僕は何でもいいっすよ! 向こう着いてから無料案内所で決めるのもありですしね!」

 

もはやアロハシャツにサングラス、首からはレイをぶら下げてるかのようなテンションの作家A。

 

「僕今日2本目でお金吐くネタやるつもりやったんで、金ならたんまりあります! けどほんまは絶対に使ったらダメな金なんですけどね! ガハハハハハ!」

 

組の金を持ち逃げして、ハワイへ高飛びする奴にしか見えない岡野。

 

「実は僕、人生初風俗なんです。めっちゃドキドキしてます」

 

なぜこのタイミングで風俗童貞を捨てようと思ったのか全く分からない作家B。

 

「なんならタクチケやし、横浜のソープ街まで行ってもいいですけどね?」

 

120点のクズ、岡野。

 

そうこうしてるうちにタクシーは五反田に到着。
そこで僕らは、台風の影響がこんなにも凄まじいものなのかという事実を、まざまざと見せつけられました。
人っ子一人いない五反田の街。
風俗の無料案内所も全て閉まっています。

 

急に焦り出す4人。

 

ネットで調べた店にしらみつぶしに電話するものの、どの店もこの台風の影響で、全くと言っていいほど女の子が出勤していませんでした。

 

五反田まで来ておいて、急に風俗迷子になる4人。
コーディネーターに向けられる「おい、どうなってんだ?」の視線。

 

「もしもし、今から4人なんですけど? そーですか、わかりました」

 

同じ会話が何回も続く。時間はすでに午前3時を回ったところ。
全員の頭の中に浮かぶ、

 

「え? 何この夜?」

 

という絶望的感情。
そんな中、人生初風俗と言っていた作家Bが口を開きます。

 

「あのー、もしあれだったら僕行かなくても大丈夫ですよ? 3人だったらいける店もあるんですよね? だったら3人で行って来てもらっても……」

 

「ちょっと黙っといてください!!」

 

苛立ちを隠せず、ほぼ初対面の作家に声を荒げる僕。

 

「そういうネガティブな発言やめましょ? せっかくここまで来たんだし、みんなで行きましょうよ? 腐っても五反田ですよ? 絶対4人いける店見つかりますって」

 

何の根拠もないくせに、大人な対応で作家Bを諭す作家A。

 

「キャバクラ開いてないっすかね? キャバ嬢にまとまった金渡したら抜いてくれたりしないっすかね?」

 

どこまでもクズな岡野。

 

全員のベクトルがバラバラになりかけたその時、1時間後ならなんとか女の子を4人用意できるという店が見つかりました。

 

鉛色のハワイの空に、雲の隙間からようやく太陽が顔を出しました。

 

歓喜に沸く4人。
やっと見つけたヌーディストビーチ。
さっきまでのギスギスした空気は消え失せ、近くのファミレスで談笑しながら時間を潰す4人。
全員でLINEを交換し、いつか一緒に仕事したいっすね的な、当たり障りのない会話を繰り広げる4人。
しかし、談笑しながらも全員の頭の中に、一抹の不安がよぎります。

 

4分の4が当たりなんてことはまずあり得ない。
しかもこんな台風の夜に来れる4人。
一体4分のなんぼや?

 

不安を抱える僕たちのもとにお店から連絡が入ります。
「5分おきぐらいに女の子が一人ずつホテルに到着する予定です」

 

つまり、僕たち4人も5分おきにホテルにチェックインし、お店に電話で部屋番号を伝えたら、女の子が一人ずつ部屋にやって来るというシステム。

 

そう、ここからが重要なのです。
ホテルに入る順番によって、どの女の子になるかが決まってくるのです。
しかもホテル前でスタンバッていれば、1番目に入った男に対して、どんな女の子が来るかを、2番目以降の男達は先に見ることができるのです。
犯人を先に知るパターンの、いわゆる古畑任三郎システム。

 

僕たちは一人目の女の子が到着するであろう時刻の5分前にホテルの前に移動し、順番を決めるじゃんけんをしました。
正直何番目に入ろうが、運以外の何物でもない。
しかし、せっかくなら古畑任三郎システムを堪能したい。
せめて1番目だけは絶対に避けたい。
全員がそういう思いで、人生で一番気合いの入ったじゃんけんを繰り広げました。

 

「じゃんけんホイ!!!!!」
「うわぁぁーーーーーー!!!!」

 

早々と一抜けで負ける岡野。
「そんな~」

 

まるで今泉くんのような情けなさを醸し出す岡野。

 

そんなこんなで、

 

1番目 岡野
2番目 作家A
3番目 作家B
4番目 森田

 

血で血を洗う死闘じゃんけんは、とりあえず僕にとって最高の結果になりました。

そして、すぐに1人目の岡野が入る時間が来ました。

 

「終わったらそこのデニーズ集合で!」

 

という約束を交わすクズ集団。

いよいよ、クズ集団vs風俗店の団体戦の幕が上がりました。

 

勇ましい表情でホテルへ入って行く、先鋒 岡野。
ホテルの前でくるっとこちらを振り返り、無言で謎の敬礼をこちらにしてくる岡野。
無言で謎の敬礼を返す僕たち。

そう、本当の戦場はここからなのです。

 

そして、岡野がホテルに入り数分が経過したのち、一台の車がホテルの前に停まりました。

 

「来た!!」

 

後部座席のドアが開くのを、固唾を呑んで見守る僕たち3人。
そんな僕たちの目に、とんでもない光景が飛び込んできました。

 

「ターちゃんの嫁やん! ジャングルの王者ターちゃんの嫁そっくりやん!」

 

そう、昔ジャンプで連載してた大人気漫画『ジャングルの王者ターちゃん』に出てくる、ターちゃんの嫁の金髪肥満体女、ヂェーンそっくりの女性が、僕たちの目の前を通り過ぎ、ホテルに入っていったのです。

 

嘘やろ? なあ? 嘘やんな? ホテル代も含めたら2万5千円ぐらい払ってんねんで? 2万5千円払ってターちゃんの嫁? そんなことあり得んの?

 

自分達の容姿は棚に上げ、もはやパニック状態の3人。

「けどまだ分からんよな? あれが岡野の相手って決まったわけじゃないもんな?」

 

僅かな望みに賭ける3人。
すると、僕の携帯に岡野からLINEが。

 

「ターちゃんの嫁みたいなのが来ました! 最悪です!」

 

奇跡のシンクロニシティ。
ターちゃんを読んでた奴なら、“ターちゃんの嫁”と形容するしかないほどの“ターちゃんの嫁”感を出しているその女性。

 

僕は震える手で、

 

「グッドラック!」

 

と、返信するしかありませんでした。

 

「ほぼ無言で淡々と準備してます! 愛想もくそもないです!」

 

恐らく震える手で続報を伝えてくる岡野。

 

先鋒 岡野 敗北。

 

同胞の敗戦の訃報に半泣き状態になる3人。

 

「1番目じゃなくて本当に良かった。」

 

一応は危機を回避したものの、“明日は我が身”という言葉が3人の頭の中を駆け巡ります。

 

「それにしても、先鋒からどえらい選手をぶつけてくる店やな」

 

相手の強さに、ふんどしを締め直す弱小クズ集団。

 

そして、“5分後は我が身”と言わんばかりに、みるみる表情を硬ばらす2番手の作家A。

覚悟を決めたのか、両手で自らの頬を叩きホテルの中へ消えていく、次鋒 作家A。
孤独な格闘家のリングイン。

 

そして停まる一台の車。

 

中から出てきた女性に、またも目を疑う僕と作家B。

 

「でかっ! とりあえずめっちゃでかい! それはまあ別に良いとして、そもそもノーメイクやん! プロとして絶対おかしいやん! ほんでなんやこの無機質な感じ! 色白ではあるものの、ノーメイク故に色気とか妖艶さとか皆無やん!」

 

何に例えればいいか全く分からないが、とにかく当たりではないことだけは確実な女性。
テンパっている為なのか、

 

“こんな時間に来てくれるだけでも有り難い”

 

なんて考えは微塵もないクズ。

 

「けどまだ分からんよな? あれが作家Aの相手って決まったわけじゃないもんな?」

 

ほぼ決まりではあるが、一応僅かな望みに賭けるクズ2人。
すると、僕の携帯に作家AからLINEが。

 

「ガンダムみたいなのが来ました!」

 

「それーーー!! 間違いなくそれーー!!」

 

作家Aの秀逸な例えに感嘆する僕と作家B。

 

次鋒 作家A 敗北。

 

「2番目じゃなくて本当に良かった」

と、またも危機を回避しながらも、隣から放たれる独特の気配を瞬時に察知する僕。

恐る恐る隣を見ると、人生初風俗である作家Bが、絶望に打ちひしがれていました。

 

「え?風俗ってこんな感じなんですか?なんで一生懸命働いて稼いだお金を、こんなことに使うんですか?」

 

子供のような瞳で僕に問いかけてくる作家B。

 

「いや、今日はほんまに違うんすよ! 台風の影響さえなかったら、本来もっと良い子が来る筈なんですよ!」

 

と、五反田風俗界を代表して、必死に弁解するも、作家Bのテンションは下落の一途を辿ります。

 

「だから行きたくなかったんですよ……」

 

と言い残しホテルに入っていく、中堅 作家B。

 

え? 行きたくなかったは嘘やん? もう事実捻じ曲げだしてるやん?

まるで身投げをするかの如く、足にロープで重りをくくりつけ、夜のヌーディストビーチの海の中へ、ぶつぶつ言いながら入っていく作家B。

程なくして停まる車。

ROUND1で着れるボーリングのピンの着ぐるみを着たようなフォルムのギャルが、後部座席から出てきました。
前の二人と遜色のない、相変わらずのクオリティ。

 

「とにかく店側の大喜利が強すぎる」

 

恐怖におののく僕。

もはやLINEすら送ってこない作家B。

 

中堅 作家B 敗北。

 

そしてとうとう、僕の番が回ってきました。

部屋に入り、店に部屋番号を告げ、ベッドに腰掛けながら、死んでいった同胞達のことを想う僕。

あいつらの仇を取れるのはおれしかいねえ!

 

頼む! 頼む! 頼む! ええの来てくれ! 頼む!

 

部屋のドアをノックする音。

正月の『芸能人格付けチェック』の扉を開く時のような緊張感。

 

Gacktいろ!Gacktいろ!Gacktいろ!

 

格付けに出た数々の芸能人が、ドアを開ける前にそう祈ってきたように、心の底からGacktクラスがいることを祈る僕。

 

ガチャ

 

うわーーー! 梅宮辰夫かーーーー!

 

そう、一流芸能人ではあるものの、いつもことごとく2択を間違い、大体最後には三流芸能人の烙印を押される梅宮辰夫。

「えー、梅宮さんいるじゃーん」

のテンションの僕。

 

訝しげに僕を見る梅宮さん。
梅宮さんは、青森のねぶた祭りの神輿の上に描かれている絵のような、一個一個のパーツに迫力がある感じの方でした。

 

しかも梅宮さんは、標準にあるサービスをほとんどサボり、とにかく抜きだけに徹したお座なりなプレイをかましてきました。
プロ意識のかけらもないそのスタンスにイラつきながらも、なんだかんだ射精するクズ。

 

大将 森田 敗北。

 

全てが終わり、みんなの待つデニーズに向かうべく、梅宮さんと共にホテルを出る僕。
デニーズに着いたら絶対に3人から、どんな子に当たったかを聞かれるに違いありません。

 

聞かれたらなんて言おかな? 正直にハズレだったと言うべきか、嘘ついておれは当たりだったと言うべきか?

 

悩みながらホテルを出ると、デニーズ集合と言ったにもかかわらず、ホテルの前で報道陣のように立って待っている3人がいました。

 

え?嘘やん? デニーズ集合って言ったやん? なんでおるん?

 

彼らは、僕だけが全員の女性を見れたことの優越感を少しでも薄くするべく、僕の女性も見てやるんだと言うことで、ホテルの前で待っていたのです。
間違いなく一番最初にホテルを出たであろう岡野発案の出待ち。

 

「傷を負ったのは自分だけじゃないんだと思いたい」

 

その一心で、ホテル街のど真ん中で僕を待ち続けていた報道陣3人。

僕は3人の執念に思わず笑ってしまい、見栄を張ることを諦め、

 

「そうやねん、ねぶたやねん」

 

の顔をしながら3人に近づきました。

すると岡野が開口一番、

 

「森田さんの女の子めっちゃ可愛いじゃないっすか!!」

 

え?岡野?

 

よう見て?

 

ねぶたやで?

 

梅宮やで?

 

「森田さんだけ当たりかよー。オレもじゃんけん勝ってればなー」

 

完全に何かが麻痺している岡野。

そして、岡野より冷静ではあるものの、打ち上げで僕と一緒のテーブルになったことを、心の底から呪っている作家Aと作家B。
彼らとは、あれから今日まで、一度も何の仕事でも会ったことはありません。

 

0勝4敗の団体戦。
0泊4日の地獄のハワイ旅行。

 

そして忘れてはいけないのが、絶対に僕らも向こうにそう思われているという悲しき事実。
そう、はじめからこの戦いに勝者などいなかったのです。
戦争という行為がいかに不毛なものかを、あらためて痛感しました。

 

結局、デニーズにも寄らず、そのまま散り散りに帰った僕たち4人。

 

台風の影響で、五反田に出勤してた女性がほとんどいなかったことにより起こった悲劇。
しかし、こんな悪条件の中でも、優勝したシソンヌさんなら、絶対に極上の嬢を引き当てていたんじゃないかという、よく分からない結論で眠りに着きました。

 

『優勝せぬ者、女抱くべからず』

 

今年何としてでも優勝し、このクソみたいなことわざを立証しようと思います。

そして、今年からの大幅なルール改正により、過去の決勝進出者は2回戦が免除され、準々決勝からの参加になったので、

 

『バースからもらったパンティを2回戦ではいてネタをする』

 

という一大イベントができなくなったことを、ここでお詫びさせていただきます。