つぶやきシローの青空読書『たけくらべ』を読んだよ

2012/2/16

ツイッターフォロワー数 50 万人のつぶやきシローが
大人になった今だからこそ読みたい、なぜか青空が似合う文豪たちの名作文庫を真面目に読書

今回の読本はコレ!

紙『たけくらべ』樋口一葉

5000円札の顔、樋口一葉の代表作。吉原の遊郭に棲む14歳の少女の初恋を描いている。主人公の美登利が恋に落ちたのは、やがては大きな寺を継ぐ定めにある跡取り息子・信如。お互いの棲む世界を知りはじめ、徐々に距離を置くふたり。ある日、美登利の家の前で鼻緒を切らした信如。美登利は信如と気づかずに近づくが、彼と分かると声をかけられず、鼻緒となる端切れを彼に投げる。しかし、信如はこれを受け取らずに去って行くのだった。以後、関わることなくお互いの定めへ突き進むふたり。寂しい日々を送る美登利の家の窓に、ある朝、水仙の造花が差さっている。水仙はふたりの思い出の花。この日、信如は仏門へと入ったのだった。ある日を境にして子どもの時間が終わる、忌みじき成長を描いた恋物語である。

つぶやき感想文

「たけくらべ」は、五千円札の顔で知られる樋口一葉の代表作。日本最大の遊郭、吉原に住む少女の初恋物語を描いているんだよね。淡くてもどかしくてどこか懐かしい気分にさせてくれる、純粋な恋愛小説って感じ。暗?い顔した樋口一葉が、こんなにピュアで清々しい物語を書いていたなんて初めて知ったよ。

 

 

主人公の美登利が恋するのは、寺の跡取り息子・信如。やがては遊女となる少女と仏門に入る定めの少年、絶対に相容れることないふたつの世界なんだけど、子どものときはそういう棲み分けとか関係ないからね。大人になるにつれ、しがらみが増えてきて、ふたりは離れざるを得ない環境に置かれてしまう。これは悲しい成長物語なのね。

お互いの棲む世界の違いを理解しはじめて、段々と距離をとる美登利と信如。素直に気持ちを伝えられず、結局は結ばれずに終わるんだよね。遊女になってトップまで上り詰めていく美登利だけど、その信如にもらったただひとつの水仙の造花をずっと大事にしているというのがこの話のオチ。日本女性らしい、可憐でつつましい発想にジーンときたね。

 

 

実は一葉って、24歳で亡くなってるのよ。遊郭っていうナイーブな世界を描きながら、決してドロドロとした闇の部分は見せてないのは、彼女の若さがあったからかもね。女の人の世界ってもっと妬みとかひがみとか、確執があるものでしょ。大人の世界を深くまで知らない、若くて瑞々しい表現が随所に感じられたね。僕は「女の世界はもうちょっとダークな部分があるんじゃないの?」って穿った見方をしちゃったね。

この作品は、すべてを俯瞰した物語なんだけど、吉原にいる艶やかな遊女たちに対する密かな憧れが感じられるのよ。僕が思うに一葉って真面目で、教室の隅でいつも読書しているおとなしいタイプの子だったじゃないかね。派手な女の子たちを見て、憧れて色付きのリップをこっそり塗るような、引っ込み思案のね。

 

 

ちなみにこの小説を読んだついでに反論するけど、昔週刊誌に「つぶやきシローが吉原で遊びまくっている」、「ベッドの上でもつぶやいていました」みたいなことを記事にされたことがあるのよ。でも僕は夜の街が苦手だし、吉原に行ったことは一回もないんだよね。