佐渡島庸平 今月の「この本にひとめ惚れ」『観察の練習』『アイデア大全』『ノクターナル・アニマルズ』

文芸・カルチャー

公開日:2018/2/8

 『ダ・ヴィンチ』本誌の人気連載コーナー「この本にひとめ惚れ」から、コルク代表・佐渡島さんのひとめ惚れ本を紹介。『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』といった大ヒット作品を世に出した天才編集者・経営者が“ひとめぼれ”した本をチェック!

『観察の練習』
菅 俊一
NUMABOOKS 1600円(税別)

装丁:佐藤亜沙美(サトウサンカイ)
編集:内沼晋太郎、後藤知佳 (NUMABOOKS)

観察にはコツが必要だと、僕は思っている。本書はそのことに気がつくきっかけになるのでは。ちょっと開くだけでおもしろいこと考えているなぁ、とわかります。さすが。

『アイデア大全』

読書猿
フォレスト出版 1700円(税別)

装丁:河村 誠
装画:富永三紗子

なかなか体系的に語られない事についてまとめられていて、会議で行き詰まったときなど役立ちそう。実用書としてとても使い勝手がよさそうだ。

『ノクターナル・アニマルズ』


オースティン・ライト:著 吉野美恵子:訳
ハヤカワ文庫 1200円(税別)

装丁(日本語版):早川書房デザイン室
写真(日本語版):Stone/Getty Images 
 E+/Getty Images
編集(日本語版):根本佳祐

映画を観たが、非常に後味の悪く、非常によくできたフィクション作品だった。トム・フォード監督はなぜこの作品を映画化したのだろう。今一度、原作を読んでみたい。

【青山ブックセンターにて彷書】

<プロフィール>
佐渡島 庸平(さどしま・ようへい)●1979年生まれ。南アフリカで中学時代を過ごし、灘高校、東京大学を卒業。2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、クリエイターのエージェント会社、コルクを設立。現在、漫画作品では『オチビサン』『鼻下長紳士回顧録』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『テンプリズム』(曽田正人)、『インベスターZ』(三田紀房)、『昼間のパパは光ってる』(羽賀翔一)、小説作品では『マチネの終わりに』(平野啓一郎)の編集に携わっている。
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写真=首藤幹夫
取材・文=田中裕