川端康成『伊豆の踊子』あらすじ紹介。少女の純粋な美しさに触れることでほぐれていく憂鬱な少年の心

文芸・カルチャー

更新日:2024/2/8

『伊豆の踊子(角川文庫)』(川端康成/KADOKAWA)

 孤児として育ったせいで自分の性格が歪んでいるということに気付いた主人公の学生「私」は、その思いに耐えかねて伊豆の旅に出た。その道中で旅芸人の一行に出会う。その中にいたある踊子に惹かれ、下田までの旅路を彼らと共にする。この時代、芸人という職業柄のため世間から蔑視されていた旅芸人たちは、分け隔てなく好意的な態度で旅を共にする「私」の優しさに心を開き、また「私」自身も彼らの優しさに触れていくうちに心が安らいでいくことに気付く。

 ある晩「私」は旅先の宿で踊子が男の客に汚されているのではないかと心配になり夜も眠れなかったが、翌日浴場でうれしそうに手を振っている踊子を見て安心する。踊子の持つ純粋な美しさにすっかり魅了された「私」だが、船で東京へと帰る日が来る。「私」は別れの前夜に踊子らを映画へ誘うが、母から反対された踊子は現れなかった。結局ひとりで映画を観た「私」は得も言われぬ心寂しさに襲われ、帰り道に涙をこぼす。

 そして別れの朝「私」が船乗り場へ近付くと、そこには踊子がひとりでうずくまっていた。何を話しかけても、踊子は頷くだけ。「私」が船に乗り込もうと振り返ったとき、踊子は「さよなら」を言いかけたが、結局無言で頷くことしかできない。船が遠ざかると踊子は白いものを振っていた。「私」は船の上でただただ涙を流し、「その後には何も残らないような甘い快さ」を感じていた。

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文=K(稲)

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