「世界一受けたい授業」で話題のラ・ピーナ『I LOVE TOKYO』! 数々のスターを虜にしたウォシュレットは日本の極み!?【連載第5回】

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2018/6/12

 東京は、ほしいものがなんでも手に入る街。子供のころ見た夢の国――。そう豪語するのは、Facebookのフォロワー数は50万以上、イタリアで絶大な人気を誇るラジオDJでありミュージシャンのラ・ピーナさん。幼いころから40回以上は訪日しているという筋金入りの日本好き。そんな彼女が、ほかのガイドブックとは違う“日本ファンの”切り口で刊行した東京ガイドブック『I♡TOKYO』(岩田デノーラ砂和子:訳/学研プラス)は、本国で5万部突破のベストセラーに。その内容を少しずつご紹介してきた本連載、ラストは外国の方を驚かせる東京の“美”についてご紹介しよう。

■日本人の清潔文化は世界一

「ここは、マリーアントワネットならぬ、マリーペッツェッテ(雑巾)の国!」「東京は、私が求めていたニルヴァーナ(涅槃)!」とピーナさんが感嘆するほど、日本はいつも誰かが掃除していて、どこもかしこもピカピカ。“小学1年生から、罰ではなく義務として学校掃除をする”こともどうやら驚くべき習慣らしい。たしかに掃除道具の種類の多さと便利さときたら、日本に住んでいても目を見張るものがある。最近では、イベント後の街に散乱するごみが問題視されることもあるが、ニュースになること自体が日本人の清潔倫理の表れなのかもしれない。

■タオルに統治された国・日本

「日出づる国は、タオルに統治されています」「あなたも、必ずやタオルにひれ伏すことになるでしょう」――引き続きピーナさんの語彙力に驚きつつ、タオルがどうした? と首をかしげる人も多いだろう。居酒屋に入ればおしぼりが、季節によって熱々だったりヒヤヒヤだったり、温度を変えて用意されている。鞄のなかには、トイレなど出先で使うための小さなハンカチが。暑い日はてぬぐいや大きめのタオルを首にかけたり頭に巻いたり。TPOにあわせて、温度だけでなく生地や大きさをかえて使い分けるのはしごく当然のことと思っていたが、どうやら物珍しいようだ。

■至れり尽くせりのウォシュレットは清潔文化の極み!?

 レオナルド・ディカプリオをはじめとする数々のスターを虜にしたといわれるウォシュレット。ピーナさんがもちろん注目していないはずがなく、彼女いわく温水洗浄機能付き便座(ピーナさんの注釈を読んで気づいたがウォシュレットはTOTOの商品名だ)は「日本人の清潔を愛する伝統と先進技術の融合から生まれたもの」。冷えたお尻を温め、なすべきことをしたお尻を清潔に洗い流したうえで乾かし、プライベートな爆音を音楽で消してくれる。こう紹介されると確かにハイテクで、至れり尽くせりである。ただし日本には、洗浄機能付き便座か和式便座のどちらかしかなく、中間がないところが「ファンキー」だという感想には思わず笑ってしまう。

 本書にコラムを寄せている、ピーナさんの友人でありラジオ司会者のヴァレンティーナさんいわく、「(東京は)ただもうそこにいるだけで、素敵な気分にしてくれる街」で「お客さまが来る前の私の実家のように、掃除が行き届い」ている。海外の人に日本のポップカルチャーや和の伝統がウケている――そう聞くとついつい、デフォルメされたわかりやすい文化を提供しそうになるが、実際、ピーナさんをはじめとする人々が愛してくれる魅力は、日本人が特別だなんて思いもしない当たり前の日常に潜んでいるのかもしれない。その一つひとつに感嘆するピーナさんの言葉にくすりとしつつ、TOKYOの魅力を再発見できる一冊だ。

文=立花もも