官能小説よりもエロい? 女流作家たちのセクシー文学ベスト5

2012/3/12

  

いわゆる「官能小説」として売られていない小説にも、実は官能小説以上にセクシーな表現や内容の文学がたくさん存在することはご存知だろうか? それは、第一線で活躍する小説家の代表作と呼ばれる作品の中にも存在しているのである! 今回は、日本の女流作家のドキっとするセクシーな作品を紹介する。

誰にも言えない女の秘密をあますことなく掬い取った傑作

ダブル・ファンタジー、村山由佳  

1位 紙電『ダブル・ファンタジー』村山由佳

文春文庫 上・下 各520円 ※電子書籍をみる ※レビューを読む
「脚の奥、おなかの奥の奥、自分でも手の届かない最奥で、結び目がひとつ、またひとつと、とめどなくほどけていくのがわかる。――」。35歳の脚本家・奈津は夫の抑圧から飛び出し、様々な男と関係を持ちながら自らの官能をつきつめていく。女なら誰もが抱える性の秘密をあますことなく掬い取った描写は凄いの一言。文壇に衝撃を与えただけでなく、多くの女性から喝采を浴びた、三冠受賞作品。

禁断の関係の本質に迫った恐ろしくも美しき愛の物語

私の男、桜庭一樹  

2位 紙電『私の男』桜庭一樹

文春文庫 680円 ※電子書籍をみる
9歳の時、震災で両親を亡くし、当時25歳だった淳悟に引き取られた花。だが養父と養女という二人の関係はまもなく別のものへと変わっていく。それから15年、24歳となった花が他の男に嫁ぐところからまるでフィルムを巻き戻すように、物語は過去へと遡っていく。愛欲という得体の知れない海底に深く潜行していく禁忌の関係を恐ろしいほど透徹に描き出した、第138回直木賞受賞作。

魂から溶け合う恋、恋愛体質になれるオマケも

ツ、イ、ラ、ク、姫野カオルコ  

3位 紙電『ツ、イ、ラ、ク』姫野カオルコ 

角川文庫 740円 ※電子書籍をみる
14歳の隼子と23歳の礼二郎は小さな町の中学校で生徒と教師として出会う。最初は反発し合う二人だったが、ある雨の夜、抗い難い恋の引力は遂に二人を結びつける。その日から言葉を交わすことももどかしく互いの体を貪り合う二人。体が先か、恋が先か。そんなことさえ飛び越えてしまう魂から溶け合う生涯一度のピュア・ラブが心の芯までジンとくる。尚、読むと恋愛体質になれるという評判も!

切なくなるほど官能的な吉原遊女の”純愛絵巻”

花宵道中、宮木あや子  

4位 紙電『花宵道中』宮木あや子

新潮文庫 580円 ※電子書籍をみる
“女を興奮させる官能シーン”を描かせたら、現代日本女性作家の中でも達人の域に入る著者のデビュー作。「R-18文学賞」の表題作含む所収6篇にはそれぞれ江戸末期の吉原遊女たちの性と純愛が悲しくも妖艶に描き出される。なかでも個人的に大好きなのは第4話の「十六夜時雨」の主人公・八津と髪結いの三弥吉が初めて結ばれる場面。この官能、この切なさ。涙なくしては読めない名シーンです。

女の性愛=業の深さをとことん知らしめてくれる名著

夏の終り、瀬戸内寂聴  

5位 紙電『夏の終り』瀬戸内寂聴 

新潮文庫 400円 ※電子書籍をみる
妻子ある作家との8年におよぶ愛の生活。そこへ突然現れたかつての年下の愛人。二人の男との性愛の泥沼に悶えながら、どちらとも別れきれない主人公――。表題作を含む所収の5篇はすべて著者の実体験をベースにしたもの。直接的な官能描写はそれほど多くないのだが、生命力の薄いダメ男にほど惹かれてしまう主人公の”生理”描写は圧巻。まさに女の業とは何かを知らしめてくれる一冊です。