一橋大学名物講師が選ぶ!まどマギを超える神マンガベスト5

2012/3/19

萌え心を掴む可愛らしいキャラクターと、今までの魔法少女物とは一線を画すシリアスなストーリーでアニメ界に一大旋風を巻き起こした『魔法少女まどか☆マギカ』
果たして今後『まどマギ』を超える作品は現れるのか?
早稲田大学卒業し、一橋大学で非常勤講師をつとめ、そして萌えアニメ、マンガにも造詣が深いサンキュータツオさんに
『まどマギ』を超える(かもしれない)コミック5冊を選んでもらったラコ〜!

【前置】
『魔法少女まどか☆マギカ』(以下、『まどマギ』)の面白さの要素は、いくつかあると思います。魅力的なキャラクターたち、人間が抱える切なさ、戦いとドラマ、恋愛、そして癒し……etc。そのどれもが見事なバランスで調和して、普段マンガやアニメにあまり触れることのない人たちまで虜にしました。
私がこの作品を観て感じたことは、非常にシンプルなことです。「面白いものは、面白い!」。いい年をした大人が、面白いと思えるものは、アニメだろうとなんだろうとだいたい面白い。私がすすめるマンガも、そういう思いで読んでいただければと思います。

『まどマギ』の絵の奥行きや「行間」に、心奪われた方々に。
 

 

1位紙『よつばと!』(1〜11巻)

あずまきよひこ アスキー・メディアワークス 各630円
胸がつまるようなストーリーなんて望んでなかった! 僕は魔法少女になる前の平穏な学園生活や、悩みを知らぬ少女たちの日常にもっと癒されたかったんだ!!という方にオススメの一冊。「よつば」という女の子の成長記録的な作品なのですが、まるで一コマが一コマが、俳句のように奥行きのある「行間」を持っています。マンガで表現しているのはよつばのかわいさだったり、周りの大人たちの心の動きだったり人間関係で、全体にストーリーのようなものはなく、風景画、映画を見ているよう。何度も読めるし、どの巻から読んでも楽しめる。非常に日本的な味わいに満ちた、世界最高レベルの漫画!

(=◎오◎=)<日本人ならこれを読め!

  

『まどマギ』での少女達のひたむきさに心を奪われ、
戦う姿に涙した人は必見!
 

 

2位紙『GUNSLINGER GIRL』(1〜14巻)

相田裕 アスキー・メディアワークス 578〜840円
いろいろな事情で命を失った少女たちを「義体」と呼ばれる体で蘇生させ、テロリストたちを駆逐する殺人兵器として育て上げるイタリアの組織「社会福祉公社」。物語は義体(少女)とその担当官(大人)の二人のコンビ「フラテッロ」(兄弟)を中心に描かれている。この漫画はとにかく切なくて、カッコいい! 大人たちの都合によって蘇生させられ、悲劇が宿命付けられた少女(義体)たち。その存在の受け止め方も担当官によりそれぞれ。毎巻、涙が止まらない。そして「女の子とライフル」という最高の組み合わせもオタクとして見逃せない。

(=◎오◎=)<「少女」「銃」「イタリア」「テロ」「天体望遠鏡」「涙」…

  

『まどマギ』の打算や駆け引き、人間の醜さまで
描いている部分に惹かれた人はこれ!
 

 

3位紙『失恋ショコラティエ』(1〜4巻)

水城せとな 小学館 各420円
恋愛もの。一見、少女漫画的な浮ついた恋愛物かと思いきや、人間の計算高さや卑怯な部分をも描かれている。しかし、「うわっ、ずりー! 腹立つ!」とは思わないのは、そういった目を背けたくなってしまいそうな人間の内面を汚く描いていないからである。「計算高い」や「卑怯」や「汚い」という言葉には、すでにネガティブな意味が含まれているが、この漫画ではそういった言葉がまとっているネガティブさを、軽快なタッチで表現することで排除している。人間の「良い部分」も「悪い部分」も相対化しているし、ドラマとしても大変面白い! コマ割りとかも直線的で好き! なにより少女漫画なのに男が主人公とか、マジびびるから!

(=◎오◎=)<恋愛とは、人間が一番出る! 男子も読むべき

  

自分の使命と願いに悩み、不安になる…
そんな彼女たちの姿に共感できた人にはこの本を
 

 

4位 紙電『HER』

ヤマシタトモコ 祥伝社 525円
現在『BUTTER』という高校の社交ダンス部を舞台とし、ちょっぴりコンプレックスをもった繊細の少年少女たちを描いているヤマシタトモコ先生。実は『HER』という作品は、BL(ボーイズラブ)作家出身の先生が現代の女性たちを主人公にした意欲作。この作品で『このマンガがすごい!2011』の女性編1位に選ばれることになるのですが、同調圧力に嫌悪感を覚える女子高校生から、アラサー美容師、キャリアウーマンに、老年のレズビアンまで、やはり「コンプレックス」を通して人間を描ききっている。ヤマシタ作品は、BL作品群、『HER』、そして『BUTTER』と連続的に読むともっと深みにはまることウケアイ!

(=◎오◎=)<「もしかして自分だけじゃ……」という孤独感

  

杏子とさやかの女の友情……というか、愛情……!?
絆……というよりも恋愛?な関係に
ドキドキした人、次のステージにこれだ!
 

 

5位 紙電「同級生」シリーズ

中村明日美子 茜新社 各630円
一応、お断りしておきたいのだが、私は同性愛者ではありません。ですがBLを読むのが好きなのです。いわゆる「腐女子」ならぬ「腐男子」ってやつでしょうか。BLの魅力というのは、いわゆる少女漫画的な、【「男」が口説いて「女」がトキめく】という王道の図式、あるいは少年漫画的な、【「男」がかわいい「女」にトキめく】という図式から解放されているぶん、惹かれあう二人が、外見以上に「内面」だったり「ドラマ」をもって接近していくのが魅力です。なのでそんなBLから性描写を減らしていくと、純愛要素しか残らない! 素晴らしい! この作品は、制服の似合う2人の真逆な男子高校生の見ていて恥ずかしくなるくらいの純愛を描いていて私の考えるBLの魅力に満ちあふれています。まだBLを読んだことがない人から読み込みまくっている人まで、すべての人にオススメできる作品です!

(=◎오◎=)<自分の知らない、新たな扉を開こう!

  

【総論】
以上、多少強引なところもありますが、ご紹介したマンガは、いずれも傑作であることは断言出来ます。
傑作とは、何度も読んでも楽しいという「再読性」のあるもの。読むごとに新しい発見があり、読む時期によっても見え方が違うものです。
『まどマギ』はたしかに傑作でしたが、他にも面白いマンガは沢山あります。
ひとつの作品で終わらず、少しずつ興味の幅を広げていってくれたら、1人のマンガ好きとしてこんなに嬉しいことはありません。

サンキュータツオさん、『まどマギ』の魅力を分析し、それを踏まえて様々な観点からオススメのコミックを選んでくれたラコ〜。サンキュータツオさん、サンキューラコ!(これが言いたかったラコ)あと、どれも1位と言いたいくらいだったけど今回はランキングということで泣く泣く順位を付けたとの事ラコ。今回紹介したコミックの他にもオススメの作品があったら@bookrakoまでよろしくラコ!

(ぶっくらこ調べ)