芥川龍之介「羅生門」あらすじ紹介。死体の髪をむしる老婆。生き延びるための罪は許されるのか
更新日:2024/2/8
物語の舞台は平安京。日暮れどき、ひとりの身分の低い男が、都の正門である羅生門の下で雨宿りをしていた。その頃京では災害が頻発し、人々は飢饉に苦しんでいた。羅生門は荒れ果て、引き取り手のない死人が放棄される始末。生活のあてのない彼は、いっそのこと盗賊になってしまおうかと悩んでいた。
男が夜を越すために門の上へ登る途中、人の気配がした。恐る恐る覗いてみると、猿のようなひとりの老婆が、女の死体の髪の毛を引き抜いていた。これを見て憎悪に駆られた男は老婆の前へ歩み寄り、どうしてそんなことをするのかと問い詰めた。
老婆は「奪った髪でかつらを作って売るための行為だ」と説明し、さらに続けて、「死人の髪をむしるのは悪い行為だろう。だが生きるためには仕方のないことだ。この女は生前、干した蛇を魚の干物だと偽って売り歩いていた。それも生きるための行為だ。だから、この女は私の行為を大目に見てくれるだろう」と語る。
老婆の話を聞いた男は、老婆の着物の襟を掴みながら、噛みつくように言った。「ならば、俺がこの着物を脱がせて盗んでも恨まないな。俺もそうしなければ、死んでしまうのだから」と。
老婆の着物を剝ぎとった男は、しがみつこうとする老婆を蹴飛ばし、駆け下りていった。男の行方は、誰も知らない。
文=K(稲)
無料で視聴可能!『羅生門』の物語を映画でも
『羅生門』のあらすじはいかがでしたか。
『羅生門』は映画化もされており、映画を視聴することでも『羅生門』の物語を楽しめます。
※一部小説版と内容が異なります
U-NEXTで『羅生門』を無料で楽しむ方法
現在U-NEXTでは初回登録限定で31日間の無料トライアルを実施中です。
無料期間内であれば料金はかからないため、無料で映画『羅生門』を観ることができます。
さらに、無料トライアルの登録者には600円分のポイントも付与。
※キャンペーンについては早期終了の可能性あり
詳細は、以下のリンクからU-NEXTのサイトをご確認ください。
1分間名作あらすじカテゴリーの最新記事
今月のダ・ヴィンチ
ダ・ヴィンチ 2024年4月号 日本酒のそばにある物語/鈴木おさむ
特集1 一合の“宇宙”から生まれる 日本酒のそばにある物語/特集2 辞めたその先に見えてくるもの 鈴木おさむと拓く、新しい道 他...
2024年3月6日発売 価格 770円
人気記事
人気記事をもっとみる
新着記事
今日のオススメ
-
連載
朝日新聞社社長 政治の裏金問題が起きた今こそ読み返す“ジャーナリズムの原点”。創刊150年に向けて「新聞社としての自負」を語る【中村史郎・私の愛読書】
-
インタビュー・対談
芸人・漫画家 矢部太郎に大家さんが渡したプレゼントは「ウォシュレット」。これまでもらったもの、あげたものについて考えさせられる新刊インタビュー
-
レビュー
「世界一」になった栗山英樹が強運を掴んだ理由。大谷翔平の二刀流も実現させた、開運のメソッドとは?
PR -
レビュー
誰でも簡単に太ももパンパンを解消できる!? 驚きのやせ骨格ストレッチとは?
PR -
インタビュー・対談
旅するカップルYouTuber・サニージャーニー、活字で届けた“すい臓がん”闘病の「リアル」
電子書店コミック売上ランキング
-
Amazonコミック売上トップ3
Amazonランキングの続きはこちら -
楽天Koboコミック売上トップ3
楽天ランキングの続きはこちら