スポーツジムのあの器具は刑罰道具だった! 知らないほうがよかった、裏世界の雑学【連載】2

文芸・カルチャー

更新日:2018/11/29

『禁断の雑学 誰もが口を閉ざす衝撃の雑学250』(黒い雑学研究会:編/彩図社)

 あなたが普段見ないフリ、気づかないフリをしていても、世の中には表の世界と裏の世界がある。テレビやインターネットで見聞きしたあのニュースが、実は裏では●●とつながっていた…、ということもいくらでもあり得るのだ。

「知りたくなかった」「知ってしまって怖い」という250の恐ろしい雑学をぎゅっと集約した1冊が、『禁断の雑学 誰もが口を閉ざす衝撃の雑学250』(黒い雑学研究会:編/彩図社)だ。そこから、今晩眠る前にふさわしい「闇の知識」の1篇をご紹介しよう。

■ランニングマシンは、イギリスでは刑罰器具だった(本書257頁)

 スポーツジムに定期的に通っている人も多いだろう。そこで必ず目にするフィットネス用品の定番であるランニングマシンは、実はもともと19世紀のイギリスで刑罰器具として使われていたという。

 ランニングマシンは実は和製英語で、英語では“踏み車”を意味する「トレッドミル(treadmill)」と呼ばれている。踏み車とは、囚人を強制労働させるための道具だ。当時監獄で使われていた踏み車は、中空の大きな円柱の外側にステッパーを備えた構造で、それを複数の囚人が足踏みをして回転させる仕組みだった。そうやって生まれた動力は、風車を回したり穀物を挽いたりするエネルギーとして使われていたという。

 この労役は1日6時間も行われるという過酷な刑罰だった。その後監獄法は廃止されてこの刑罰器具も消えるはずであったが、1953年にアメリカの企業がこの器具にヒントを得てフィットネスマシンを開発し、健康器具へと生まれ変わって今私たちの目の前にある。運動を楽しむため、あるいはダイエット目的で必死になって現代人が踏みしめているものが、罪人に重労働を課すための器具だったとは…知りたくなかった。

 本書は、このほかにも日常的な事柄から、歴史、科学、事件など幅広いジャンルに関する「闇の知識」を網羅する。裏の世界を覗く、あるいは世界の恐怖について考えるひとつの入り口として、本書のページを開いてみていただきたい。

文=田坂文