つぶやきシローの青空読書 芥川龍之介の『地獄変』を読んだよ

更新日:2013/12/20

ツイッターフォロワー数 50 万人のつぶやきシローが
大人になった今だからこそ読みたい、なぜか青空が似合う文豪たちの名作文庫を真面目に読書

今回の読本はコレ!

電『地獄変』芥川龍之介

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平安時代、高名な絵師として評判だった良秀。あまりの醜悪な見た目と奇怪な性格で、周囲から疎まれ気味悪がられていた。しかし彼の一人娘は、女御として殿の屋敷に仕えるほどの美貌の持ち主だった。ある日、殿から「地獄変」の屏風絵図を描くように命じられた良秀。見たのもしか書けない良秀は、やがて正気失っていって…。説話集「宇治拾遺物語」の「絵仏師良秀」を基に、芥川が独自にアレンジした短編小説である。

つぶやき感想文

タイトルからしておぞましい雰囲気を醸し出している、芥川龍之介の「地獄変」。僕、怖い話とかホラーが大の苦手だから、ビクビクしながら読んでみたのよね。痛々しくてゾッとする描写もあったけど、人間の闇を抉る奥深い作品だなぁと思ったね。

 

 

伝説の絵師・良秀が主人公。彼は奇怪な風貌と性格で、周りの人から疎まれているのね。でも彼の一人娘がものすごく別嬪さんなのよ。彼女は大殿の屋敷で働いていて、殿は彼女がお気に入り。良秀が、殿に「地獄の絵を書け」と命じられたところから、彼らの悲劇が始まるのよ。

良秀は高名な絵師なんだけど、見たものしか書けないの。普段は気持ちの悪いものばかり描いていてみんなに気味悪がられているんだけど、愛する娘にはきれいな絵を描いた扇子をプレゼントしたりするのね。娘の前でだけデレデレになる良秀と、何があってもそんな父親を受け止める娘の、歪な親子愛の話だね。

 

 

この物語で芥川龍之介は”すべてを犠牲にして芸を究める、芸術至上主義”を描いていると言われているのね。芥川自身も最終的には自殺しちゃったし、良秀も孤高のアーティストだったんだろうね。僕なんかは違うけど、芸能の世界もそういう節あるのよ。信じられるのは自分だけ、芸が人生のすべて、みたいなね。

僕ね、人間って何事もバランスいい振り幅で成り立っていると思うのよ。例えば苦しい地獄を見てきた人って、そこで苦しんだ分、人よりも恵まれている天国も見てきてると思うのね。幸と不幸、正常と異常もそうだけど、色々と相反するものを備えて人間は生きているのよ。良秀は、天性の才能や感性を持っていた代わりに、人間的な情緒が著しく欠如していたんだろうね。振り幅の激しい人生はいらないから、普通に生きていきたいと思ったね。

 

 

この物語で芥川龍之介は”すべてを犠牲にして芸を究める、芸術至上主義”を描いていると言われているのね。芥川自身も最終的には自殺しちゃったし、良秀も孤高のアーティストだったんだろうね。僕なんかは違うけど、芸能の世界もそういう節あるのよ。信じられるのは自分だけ、芸が人生のすべて、みたいなね。