サケは赤身魚? 白身魚? 【クイズで確かめる、できる大人のたしなみ】第1問

暮らし

公開日:2019/3/11

■答えは、(B)サケは白身魚

 サケの切り身の色から判断すると赤身魚ではと考えた人は多いかもしれないが、実際は(B)白身魚に分類される。赤身/白身の分類は、魚に含まれる「ミオグロビン」という成分の量で決められている。ミオグロビンは赤い色素成分をもっていて、人間の血液中のヘモグロビンと同じように酸素を運んでいるという(マグロのように長距離を泳ぐ運動量の多い魚が赤身なのは、このためだ)。

 一方、サケのピンク色はミオグロビンの影響ではなく、「アスタキサンチン」というまったく別の成分によるものだ。アスタキサンチンのもとは「ベータカロチン」で、これは人にとって老化防止の効果もある非常にありがたい栄養成分。ニンジンがベータカロチン豊富な食材であることを知っている人も多いだろう。同じように植物プランクトンに含まれているベータカロチンを、オキアミやエビが食べて体内でアスタキサンチンに変換し、さらにそれらを食べるサケが筋肉中にアスタキサンチンを蓄積して赤味を増していく、というメカニズムだ。サーモンピンクの色のもとは、ニンジンの遠戚、と呼べるかもしれない。

 このように本書では、思い違いしがちな「大人の常識」をアップデートし、トピックごとに楽しみながら学び直しすることができる。実際にページを開いて、「雑談のネタに困らない」、あるいは「教養豊かだと尊敬される」大人をこっそり目指してみよう。

文=田坂文