殺人で戸籍を奪った母が自殺。残された娘は偽りの戸籍のまま老人と結婚し――/『忌まわ昔』“人妻、死にて後に、本(もと)の形となりて旧夫に会ひし語”③

文芸・カルチャー

2019/7/8

 平安の世から令和の今に、遠く忌まわしき話の数々が甦る。「今は昔」で始まり、「となむ語り伝へたるとや」で終わる「今昔物語集」。これを下敷きに、人間に巣くう欲望の闇を実際の事件・出来事を題材に岩井志麻子が語り直す。時代が変わっても人間の愚かさは変わらない――。収録された10篇の中から、壮絶な人生を送った女の話を5回連載... 続きを読む