「おならは我慢すると口から出る」は本当? /【下半身にまつわるちょっと残念な雑学】①

健康・美容

2019/7/12

『医者も驚いた! ざんねんな人体のしくみ』(工藤孝文/青春出版社)

“小宇宙”にたとえられる人間の身体は、神秘的だ。自分の身体のことなのに分からないことだらけだと感じる人も多いだろう。ただでさえ分からないのに、特に悩みや疑問について人に聞きづらいというのが、「下半身」にまつわる問題。本連載では、内科医でもある著者が綴った『医者も驚いた! ざんねんな人体のしくみ』(工藤孝文/青春出版社)から、知ると誰かに教えてあげたくなるような隠れた人体の秘密を紹介していきたい。

■おならは我慢すると口から出てくる…は本当? (本書14ページ)

「健康のために、おならは人前でも公然としています」という人は少ないだろう。むしろそんな御仁には近くにいてほしくないと誰もが思う。だが、「我慢しすぎると口から出ちゃうよ!」と脅しのようなフレーズを聞いたことはないだろうか?

 そもそも人のおならとは、腸内で発生した二酸化炭素、メタン、硫化水素などのガスがお尻の穴から出たもの。衝撃的な事実だが、このガスは“いつも”私たちの口からも呼気として出ているそうだ。

 でも自分の口臭をこっそり確認する前に、ちょっと落ち着いてほしい。通常は人の呼気からおならの臭いはしない。それは、腸内で発生したガスの一部が腸管から吸収され血液に乗って体内を巡っても、肝臓というすばらしい臓器のはたらきで無臭化され、そこから呼気に交換されて放出されているからだ。

 だが、だからといっておならを極限まで我慢するのは考えものだ。肝臓にも限界がある。ガスの量に対処しきれなくなると、肺へ届くガスは通常より臭いがきつくなり、最終的に呼気も臭くなる。つまり、口臭が強くなるのだ。

「じゃあやっぱり、おならは我慢せずに出していこう」というのは人として残念な選択だ。ふだんから腸内環境を良くすることを心がけ、ガスを増やさないようにするのが得策だ。

 本書では、このように私たちが日常生活で見過ごしてきた自分の身体の「ちょっと残念な真実」について、頭や顔から足のつま先にいたるまで、非常に幅広い範囲にわたる知識を分かりやすく教えてくれる。自分のために毎日24時間はたらいてくれている「自分の身体の“がんばり”」を実感するには格好の1冊だ。

文=田坂文