妖怪DVDホチイが出現! その撃退方法とは!?/『義母ダンジョンにハマっています。』⑧

文芸・カルチャー

2019/7/18

 5万人以上がザワついたツイートが書籍化! 2児を育てるワーキングマザー・秋山さんと、不思議な常識の中で生きる義母とのとんでもないエピソードが満載。「義母ダンジョン」の中で奮闘する秋山さんの戦いを10回連載でお届けします!

『義母ダンジョンにハマっています。』(秋山/KADOKAWA)

呪いのビデオ

結婚式のDVDをプランにつけるかどうか聞かれていた時期。

高いし私は要らないと言ったがお義母さんが熱心に勧めてくる。

「一生ものだから、買わないと絶対後悔する」と譲らず、

家に行くたびに自分たちの結婚式のビデオテープを流すようになった。

「ほら、いいでしょ。この思い出がずっとテレビで見られるのよ。

ほら、私綺麗でしょ。いいじゃない、一生ものよ」

最初は良くても毎週末これをされると、

次第に心が死んでいき買いたくもないDVDを

「ホシイ」と言ってしまうのです。

これは一種の洗脳で普通の人間であれば数日で冷静な判断ができなくなりますが、

私は結婚前からこのビデオを見せられていたので

耐性ができており何度見せられても

「画質が呪いのビデオみたい」以外の感想が出ませんでした。

妖怪DVDホチイ

結局結婚式のDVDは夫側にだけ(会計を夫婦別にできたので)付けることになったんだけど、

打ち合わせの終わりに「DVD代はこちらが出すんだから、

集合写真のお金は秋山ちゃんがこちらの分も払ってくれる?

お姉さん、請求書作り直してくださる?」って勝手に話を進めようとしてきて、

私とプランナーはしばらく無言で見つめ合っていたんだけど、

隣で聞いていた夫が「僕も見ないので、DVD代は母に請求してください」と言ってくれた。

妖怪DVDホチイは苦しみの声をあげながら、

その体は光に包まれやがて灰となり消えた。

北極星が夜空に輝いた。

【ダンジョン後日談】
後日プランナーから「お義母さまDVD要らないそうです」と連絡がありました。

義母、感極まって…

結婚式の定番といえば披露宴の終盤に新婦から両親へ感謝の手紙を読むことだと思うんですけど、

うちはなぜか結婚式前日の食事会でお義母さんが終盤懐から手紙を出し、

サプライズでアキちゃんに、

これまで無事に大きく素直に優しく育ってくれてありがとう、

結婚しても家に顔を出してねという手紙を読み始め、

最後の方でお義母さんが感極まって泣いてたのを

当日両親へ手紙を読む最中に思い出しちゃって涙が一粒も出ませんでした。

ビーフジャーキー

義実家からの出産祝いがまさかのビーフジャーキー2個だったんだけど

私が知らない間にビーフジャーキーって付加価値がついて高く売り買いされてたりする?

ちなみに長男の時もお祝いはなかった。

「ご苦労さま」の言葉だけ。

義実家からのお祝いってないのが普通なの?

みんなビーフジャーキーもらってんの?

義母の辞書

【おろか】(形動)〔文〕ナリ

①頭の動きがにぶいさま。考えが足りないさま。

②ばかげているさま。

「妊娠中の嫁に、お腹の子の名前の候補を勝手にメールで送り、

ところどころに自分の漢字の1字を混ぜた名前を提案し

"自分の生きた証が孫に引き継がれるのはステキなことだと思う"などと言ってしまうのは

なんと-なことだ

第9回に続く