生きるモチベーション(メンタル管理と自殺予防)/『健康の結論』③

健康・美容

2019/7/21

「人生100年時代」といわれる今、「生き続けるためには“防げる死を防ぐ”ことが重要」と堀江貴文氏。堀江氏が専門医師たちに徹底取材してまとめた著書『健康の結論』の中から、もっとも防ぎたい死、「自殺」について解説した章を5回連載で紹介します。

『健康の結論』(著:堀江貴文、監修:予防医療普及協会/KADOKAWA)

死への一線を越えさせる3つの要因に注意しろ

 およそ4人に1人は自殺を考えたことがあるとしても、その大半は生涯自殺することはない。行動に移す人はごく一部だ。では自殺に至る人は何が違うのだろうか。

 それを説明する「自殺の対人関係理論」(Joiner TE et al, 2009:Van Orden et al, 2010)というものがある。次の3つの条件が揃ったとき、人は死のハードルを乗り越えやすくなってしまうというものだ。

①所属感の減弱
 居場所がない。自分は誰にも必要とされておらず、孤独であるという孤立感。つながりの欠如。自分が死んでも誰も困らないという感覚。

②負担感の知覚
 自分は迷惑をかけてばかりだ。自分がいないほうが周りの人は幸せになれる。自分の存在自体が周りの人の迷惑になっているという感覚。

③自殺潜在能力
 体の痛みなんて平気だ。怖くない。死にたいと思っても「苦しそうだ」などと考えることで思いとどまるものだが、暴力や自傷行為、アルコールや薬物への依存などで自分の体を破壊する行動に慣れていると、自殺行動への心理的な抵抗が弱くなりがち。

 自殺願望があったとしても、行動を起こすのには心理的な高いハードルがある。将来への希望がわずかでもあったり、仕事への責任感や周囲への配慮が歯止めになったりすることもある。そういったものがなくなったとしても、何といっても死に対する恐怖感や自分の体を傷つけることに抵抗感があり、それが人に自殺を思いとどまらせる。

 ところが、前述の3つが揃っていると、死への一線を乗り越えさせ、自殺のリスクが高まる。「ちょっとこの状況が辛いな」と感じたときや、「この人大丈夫だろうか?」と思ったときにはこの3つのポイントを思い起こしてほしい。そして、3つが揃っているときは、どれか1つでも取り除くよう意識してみてほしい。

<第4回に続く>

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