葉をかじられたとたんにまずくなる植物って…?/『だれかに話したくなる あやしい植物図鑑』①

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公開日:2019/7/19

動物たちの変わった生態を紹介する書籍が人気ですが、「植物」の世界も、あやしい魅力にあふれています。そんな植物の楽しい図鑑『だれかに話したくなる あやしい植物図鑑』(菅原久夫:監修、白井匠:絵、クリハラタカシ:マンガ/ダイヤモンド社)から、強すぎる植物、見た目があやしい植物、意味不明な植物など、植物のおもしろネタをイラストとマンガで紹介します。

『だれかに話したくなる あやしい植物図鑑』(菅原久夫:監修、白井匠:絵、クリハラタカシ:マンガ/ダイヤモンド社)

■アカシアは葉をかじられたとたんに、まずくなる

『だれかに話したくなる あやしい植物図鑑』(白井匠:イラスト/ダイヤモンド社)

 アカシアは、アフリカ大陸などに生えている木で、長くするどいトゲで身を守っています。

 でも、そんなことぜんぜん気にしないのがキリン、ラクダ、ヤギです。かれらは口の中が硬く、トゲを無視して葉を食べます。

 そこでアカシアは、4階建てのビルくらいの大きさに生長することで対抗しました。この高さなら口が葉に届きません。

 しかしそんなことぜんぜん気にしないのがキリンです。長い首を木に突っこんで葉を食べにきます。悩んだアカシアは、キリンが葉を食べ始めると、毒を送りこんで葉をまずくするという作戦に出ました。さらに葉にあいた小さな穴からガスを出して「今すごい食べられてる!」と近くのなかまにまで伝える徹底ぶり。すると、周りのアカシアも毒をつくって、食べられているアカシアと同じようにまずくなります

 ただそんなことぜんぜん気にしないのがキリンです。遠くまで移動してまずくないやつを食べます。

植物データ

名前 アカシア(マメ科)

分布 オーストラリア~アフリカの熱帯

大きさ 高さ約12m

メモ 枝には長いトゲもあるが、キリンは舌をうまく使って食べる

<次回は、ヤギまみれの木&セクシーな唇のような植物です!>

著者について
菅原久夫(すがわら・ひさお)
横浜国立大学卒業。中学高校、短大で教鞭をとる傍ら、世界各地をめぐり植物の生態調査研究も行う。その後常葉大学の非常勤講師、SBS学苑の講師を歴任。他に、静岡新聞主催のカルチャースクールでも複数の講座を持つ。
著書に「色別 野の花図鑑」(小学館)、しずおかの文化新書「植物の富士登山」(共著、静岡県文化財団)、「富士山にのぼる」、「たべられる きのみ」、「くず つるしょくぶつのひみつ」、「まつぼっくり」(いずれも福音館書店)などがある。

白井匠(しらい・たくみ)
イラストレーター。ビジネス書から児童書まで、幅広いジャンルでヒット作を手がける。『職場の問題地図』シリーズ(技術評論社)や、『日本一楽しいカタカナドリル うんこカタカナドリル』(文響社)など。

クリハラタカシ
マンガ、イラスト、絵本、アニメーションなど多岐にわたり活躍。『ツノ病』(青林工藝舎)や、『たんぽぽふうたろうと7ふしぎ』など。