佐渡島庸平 今月の「この本にひとめ惚れ」『波』『良い加減に生きる 歌いながら考える深層心理』『樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声』

文芸・カルチャー

2019/8/12

『ダ・ヴィンチ』本誌の人気連載コーナー「この本にひとめ惚れ」から、コルク代表・佐渡島さんのひとめ惚れ本を紹介。『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』といった大ヒット作品を世に出した天才編集者・経営者が“ひとめぼれ”した本をチェック!

『波』
ソナーリ・デラニヤガラ:著 佐藤澄子:訳
新潮社 2000円(税別)

写真(日本語版):DavidMSchrader/Getty Images
装丁(日本語版):新潮社装幀室

僕が好きな作家マイケル・オンダーチェが絶賛していたので。津波で家族を失った経済学者の手記。冒頭で惹き込まれ、この人の文章を読んでみたくなった。

『良い加減に生きる 歌いながら考える深層心理』
きたやまおさむ、前田重治
講談社現代新書 900円(税別)

装丁:中島英樹
編集:所澤 淳

いい加減に生きにくい方向に向かっている今の時代にフィットした良い企画。誰もが知る名曲から「いい加減な生き方」を考えるという試みがおもしろそう。

『樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声』
ペーター・ヴォールレーベン:著 長谷川圭:訳
ハヤカワ・ノンフィクション文庫 700円(税別)

カバー写真(日本語版):mauritius images Andreas Vitting
装丁(日本語版):仁木順平
編集(日本語版):窪木竜也

いつもレベルが高い早川書房の翻訳文庫ということで期待大。渋いテーマながら帯に100万部売れたとあり、俄然興味を惹かれた。

【青山ブックセンターにて彷書】

<プロフィール>
佐渡島庸平(さどしま・ようへい)
1979年生まれ。東京大学文学部を卒業後、2002年に講談社に入社。
週刊モーニング編集部にて、『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』など数多くのヒット作を編集。
インターネット時代に合わせた作家・作品・読者のカタチをつくるため、2012年に講談社を退社し、コルクを創業。
従来のビジネスモデルが崩壊している中で、コミュニティに可能性を感じ、コルクラボというオンラインサロンを主宰。
編集者という仕事をアップデートし続けている。
●Twiter ID:@sadycork

写真=首藤幹夫
取材・文=田中裕