緊張撃退の方法はアタマじゃなくてカラダで覚えよう! /『人前で変に緊張しなくなるすごい方法』⑤

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公開日:2019/9/3

あがりやすい、ビビリ、テンパりがち…あなたの「緊張」はどのタイプですか?
変に緊張してしまったせいで恥ずかしい失敗をしたことがある人は多いのでは? 初対面や大勢の前でも緊張しなくなる「簡単トレーニング」を連載紹介します!

『人前で変に緊張しなくなるすごい方法』(伊藤丈恭/アスコム)

■心は直接操作できない。けれど肉体的アプローチで変えられる!

 この章では「伊藤式・緊張撃退メソッド」がどのようにして緊張をとっていくのか、そしてそれがいかに有効な方法であるかについてお話ししていきます。

 胸がドキドキする、手足の震えがとまらない、不安で心が委縮しまくっている……。しかも大事な場面にかぎって、そうした症状があらわれる……。
 緊張ほどやっかいなものはありません。

 知り合いのD君(30代)は、ある企業の面接試験を受けることになりました。
 順番待ちをしている間に、緊張はどんどん高まっていきます。

 出発前、自宅でシーン1をこなし、楽しい気分になることができたのですが、面接会場に向かっているうちに再び緊張に襲われてしまったようです。

「ここでつべこべ考えてもしかたない。まず行動してみよう」
 そう考えたD君は、近くのトイレに向かいました。幸いだれもいません。
 そこでD君はシーン2の「その場ダッシュ」を敢行したのでした。

 日頃は真面目で、引っ込み思案のD君ですが、素の自分ならできないことを思い切ってしたことで、緊張から意識をそらすことができたのです。

 D君は、面接会場近くでたった20秒ほど「伊藤式メソッド」を行うことで、別人のように落ち着いた気分になれたといいます。おかげで面接では、やや意地悪な質問も出たものの、緊張から解放されたD君は、そつなく対応することができたそうです。

 面接会場で「大丈夫。僕は緊張していない」と言い聞かせて心を操作しようとしていたら、このような結果は得られなかったことでしょう。

■「伊藤式メソッド」で脳を楽しませ、自分を壊し、緊張しない別人になろう!

 さて、ここで「伊藤式・緊張撃退メソッド」の効果・効能について改めて確認しておきましょう。

 すでに「はじめに」で紹介したように「伊藤式・緊張撃退メソッド」はシーン1とシーン2に分かれています。

 シーン1は、大事なイベントがある当日、出発前に自宅で行います。①笑い方7変化(2分)〜②ジブリッシュダンス(2分)〜③悪役レスラー登場(1分)の順に行います。

 シーン2は、会場入りしてから仕上げ的に行うもので、④その場ダッシュを20秒ほど実行します。また、現場で急に緊張を感じたときには、緊急時の対応として⑤本番直前の4つのお守りを行います。

 では、それぞれの効果・効能や狙いについて見ていきましょう。

[SCENE1]

①笑い方7変化
 不安や物怖じする感情がとれ、脳が楽しくなってきます。
 とにかく、いままでの人生でやったことがないような大げさで大胆な笑い方を目指してください。大口を開けたり、腹を抱えるのも、もちろんOKです。
 鏡の前で行うと自分の変化を感じとれて、より効果的です。

②ジブリッシュダンス
 緊張してしまう自分を壊すために行います。
 無理やりにでも楽しい状態を作り出すにはもってこいの方法です。楽しい状態になれば、常識にとらわれて緊張してしまう自分を壊すことができます。
 とくに理性的な人にはジブリッシュが有効です。

 理性的な人ほど慎重になりますが、過度の慎重さは緊張につながります。ですから緊張をとるには理性をゆるめ、自分を壊す必要があります。そうするにはジブリッシュがぴったりなのです。

 ここでジブリッシュの変形パターンを紹介しましょう。題して「ジブリッシュで掃除」。
 ジブリッシュを行うと、楽しい気分になり、緊張しやすい自分を壊すことができるのは前述のとおりです。

 ただ、めちゃくちゃ言葉を好き勝手に話す方法だけに、とくに覚えたてのタイミングではともするとワンパターンになりがちです。

 そうなると効果が弱まる可能性もあるので、変形パターンも用意しました。

 このようにジブリッシュは他の行為と組み合わせて行うことができます。通勤中や散歩中に、なんちゃって外国人になったつもりで行うのもいいでしょう。

 もちろん、あんまり大きな声を出すと変な人と思われてしまいますから(それでも構わない人はぜひ!)、小声やエアー(口パク)で行うだけでも楽しい気分になるはずです。

③悪役レスラー登場
 激しく毒を吐くことで緊張で委縮している気持ちを上向きにします。別人になるための橋渡し役的な存在です。
「ババ、このヤロー、テメー」などのマイクパフォーマンスで一世を風靡(ふうび)したのがプロレスラーのラッシャー木村さんでした。
 ラッシャー木村さんを真似てダミ声で「おい、〇〇、テメー、このヤロー、昨日の朝礼での態度はなんなんだ!」などとイヤな上司の名前を挙げて罵倒するのもいいでしょう。

 以上、シーン1の「笑い方7変化」「ジブリッシュダンス」「悪役レスラー登場」を紹介しましたが、この3つのパフォーマンスはセットで行ってください。

 繰り返しになりますが、緊張しているときに、人は「楽しくない」「自分の殻に閉じこもっている」「心が萎縮してテンションが低い」状態になっています。

 伊藤式メソッドはこれらの状態を、「笑い方7変化」によって「楽しい」状態に変え、「ジブリッシュダンス」によって殻にこもった自分を壊し、「悪役レスラー登場」によってテンションを上げ、緊張しない別人になろうという試みです。

 理屈はここまでで、あとは実践するのみ。これまで会ったことのない「自分」に出会えます。それは快感ですらあります。ぜひ、実践してみてください。


【次回につづく】