Mr.マリックが明かす、人を笑わせる一番簡単な方法は? /Mr.マリックの『超魔術の裏技術』⑥

ビジネス

公開日:2019/9/14

ハンドパワーの正体は「プレゼン力」だった!?
Mr.マリックが実演販売員時代から長年培ってきたコミュニケーションの裏技術をみっちり伝授。これを身につければ誰の心でも誘導できるようになる。
あなたの人間関係やビジネス、キャリアが激変すること間違いなし!

『超魔術の裏技術』(Mr.マリック/ワニブックス)

対話 告白 接客 に使える超魔術【1対1のコミュニケーション】

■持ち物を必ず女性から借りる理由

 日本人と外国人の違い、大人と子供の違い、についてお話ししてきました。次は男女の違いについてです。
 私はやはり、男性と女性とでは接し方を明確に変えます。男と女は全く別の生き物だからです。根本的な考え方、感じ方が全く違うのです。どちらが優れているではなく、全く別の生き物だと考えるべきです。

 私はマジックをする際、常套手段があります。それは女性のお客様の持ち物をお借りするということです。
 男性ではなく、必ず女性です。

「すみませんが、その素敵な腕時計をちょっとお借りしていいですか?」

 財布でも、スマホでも、何でも構いません。とにかく、目が合った女性の私物をお借りしてショーをするのです。

 これには理由があります。お客様の私物を借りることで、タネがないことを周知させるのが理由のひとつ。でもそれならば、男性から借りてもいいのでは? ダメなのです。女性から借りなければいけない理由があるのです。

 男性の場合は、あらかじめこちらで用意した腕時計であろうが、お客様の誰かの腕時計であろうが、自分がしている腕時計であろうが、何でも構わないのです。とにかく腕時計という物体が消えてなくなる様子を見たいのです。現象そのものを目撃したがる。

 女性は違います。現象そのものに対しても興味は当然持ってくれます。しかし、それだけでは足りない。誰のものでもない、自分の腕時計が消えることが重要なのです。

 女性は自分のことが大好き、もしくは自分のことを好きになりたいと願っています。自分を中心に世界が回ってほしいと思っているのです。

 占いにハマるのは圧倒的に女性ですね。それは自分のことを主人公として扱ってくれるからです。

 だから女性は、自分を主人公(お姫様)として扱ってくれる男性(騎士)に惹かれます。自分に関心がない男性のことは嫌いです。眼中にも入れない。女性はみんな「私を見て」と思っています。

 ここから先は男性読者向けに書きますね。
 女性は「私のためにお話しして」と思っているのですから「あなたのためにお話しします」という態度を見せれば良いのです。そうすると「嬉しい」と目を輝かせます。

 その際、意中の女性に語りかけるように話しましょう。恋愛感情に近い気持ちで接するんです。あなたは好きな女性に対して、丁寧に優しく話しかけるはずです。それと同じ口調、ノリで話すのです。

 仕事において女性に好印象を持たれる方法と、恋愛の場で女性に振り向いてもらうのは同じことなのです。

 清潔感が大切なのは言うまでもありません。威圧感はもってのほか。紳士的に接することが必須です。知ったかぶりもダメ。笑顔で、穏やかに、謙虚にです。
 では具体的にどんな話をすればいいのでしょう?

■人を笑わせる一番簡単な方法

 相手を良い気分にさせる最短かつ最良の方法は、笑顔にさせることです。ではどうすれば人は笑顔になるか? 一番簡単な方法は、褒めることです。これは相手の年齢性別を問いません。自転車が乗れるようになった子供も、ゴルフで良いスコアを出した社長も、褒められたら絶対に笑顔を見せます。もちろん、女性も褒められることが大好きです。

 かといって、褒めるというのは難しいことです。ただでさえ日本人はシャイですから、褒めるのがすごく下手な民族です。

 注意しなければならないのは褒め方です。女性は褒められ慣れています。だから、おべっかやお世辞の定型文はダメです。見え透いています。思ってもいないことをヌケヌケと言うから、嘘臭いし、信用を失うのです。

 だったらどうするか。本当に相手の魅力的な部分を探して見つけてください。
 そしてこれだな、と思ったら素直に口に出してください。褒めるというより、素直に口に出すのです。目が綺麗だと思えば、そう言えばいい。素直に思ったことは間違ってはいませんし、相手を不快にさせることもありません。

 洋服の色が素敵だと思ったら、「僕、その色好きなんです。いい色ですよね」と。ここで「いい洋服ですね」と褒めるのは微妙です。すごくセンスのいい人に褒められれば嬉しいですが、そうでもない人に褒められると複雑な気持ちになりますよね。だから無難に色を褒める。これは間違いがありません。

 しかし、本当に「いい洋服だな」と思えば、言ってしまってもいい。嘘ではないと伝わりますから。褒め方の精度を気にするあまり、臆病になってしまっては元も子もありません。100点を狙わなくていいのです。

 経験を重ねるにつれ、徐々に褒めスキルは上がっていきます。若い人で褒めるのがうまい人はめったにいません。若い人たちは自分のことに夢中で、人のことを見ていないからです。

 年を重ねて、人生経験が豊かで、余裕がある人はモテますよね? それは人のことをちゃんと見ていて、的確に褒めることができるからです。そういう人は同性からも異性からも支持されるのです。


【次回に続く!】