お正月に牛肉、豚肉を食べてはいけない? 「ニッポン」のNG/『言ってはいけない! やってはいけない! 大人のNG』②

暮らし

公開日:2019/9/18

 NG(no good)は、「失敗」「ダメ」「役に立たない」などのこと。とかくこの世の中は、暮らしでも、人間関係でも、各業界でもNGがあふれている。思わぬところで恥をかいたり、損しないよう、この一冊で今どきのNGを頭に入れておこう!

『言ってはいけない! やってはいけない! 大人のNG』(話題の達人倶楽部:編/青春出版社)

お正月にこれをやってはいけない!

■お正月に掃除をしてはいけない
正月から掃除をすると、せっかく訪れてくれた歳神(福の神)を掃き出してしまうことになりかねない。洗濯もNGで、「福を水に流してしまう」といわれる。

■火を使うのはNG
正月から、火を使うと、台所の火の神である荒神様を怒らせかねない。それもあって、あらかじめ、おせち料理をつくっておくというしきたりが生まれた。せめて、元旦(元日の朝)くらいは、煮炊きをしないほうがいい。

■牛肉、豚肉を食べるのはNG
正月から殺生をするものではないという意味から、牛や豚など、四足歩行の動物の肉を食べるのは忌まれてきた。一方、鶏はオーケーとされ、そこから、雑煮には鶏が使われるようになった。また、殺生を避けるため、「休みで暇だから」といって、釣りに出かけたりはしないほうがいい。

■刃物を使うのはNG
刃物を使うと「縁を切る」ことにつながるとされ、忌まれてきた。また、一年ケガなく過ごせることを願ううえでも、包丁は使った料理はしないものとされてきた。

■おせち料理の品数や切り方を偶数にしてはいけない
日本では古来、3・5・7・9の奇数が吉数とされてきた。一方、偶数は割り切れることから、別れる、死に別れる、縁が切れることにつながると考えられ、不吉とされてきた。

■お鉢の底を見せてはいけない
三が日中に食べ物を切らすと、一年中食べ物に困ることになるとされた。

■鍋物をしてはいけない
鍋物をすると、どうしても「灰汁」が出る。それが「悪」に通じるので、「鍋物はするな」とされた。このしきたりには「主婦を休ませろ」という意味合いもあった。

■お賽銭以外に、お金を使うのはNG
正月から買い物をしていると、1年中、出費が止まらなくなるとされた。そこで、昔の人は、正月には大きな買い物を避け、お賽銭以外の出費をなるべく避けるようにした。

一年の終わりにこれをやってはいけない!

■12月29日に正月飾りをしてはいけない
「29」は〝二重の苦〟に通じるため、正月の準備をしてはいけないとされた。また、12月29日には「苦をつく」ことになるので、「餅つきをしてはいけない」とされ、昔の人は賃餅の購入も避けた。

■12月31日に、大急ぎで正月飾りをしてはいけない
ぎりぎりまで押し詰まってから、正月飾りをするのは歳神様に失礼。また、「夜飾りは縁起が悪い」ともされるので、結局、正月飾りは12月30日の朝から昼にかけてするのがよいということになる。

■年越しそばは、年が明ける前に食べきる
年越しそばはその年のうちに食べ切ってしまい、悪い縁を断ち切るという意味がある。

■年越しそばを残すのはNG
年越しそばを残すと、「お金が逃げていく」といわれる。

年賀状に使ってはいけない言葉とは?

■「新年あけましておめでとうございます」はNG
厳密には「新年」と「明けまして」を同時に使うのは重複表現。「新年おめでとうございます」か「明けましておめでとうございます」のいずれかで充分。

■「去年」はNG
「去」という漢字は縁起が悪い。そこで、年賀状では「旧年」を使って「旧年中は、ひとかたならぬお世話になりました」などと書くのがお約束。

■「賀正」「迎春」を目上に使ってはダメ
「寿」を含め、1〜2字の言葉は、同輩か目下の人向けの言葉。目上には「謹賀新年」や「恭賀新年」など、新年用の〝四字熟語〟を使うのが常識。

■「昨年は体調をこわして」など、ネガティブな言葉はNG
年賀状は、新年を言祝ぐものであり、一筆添えるにしても、「リストラされて」「妻と別れて」など、ネガティブな言葉は避けること。

■「赤ちゃんを期待しています」など、プレッシャーをかける言葉はNG
相手の幸せを願う言葉を一筆添えるにしても、そのフレーズが相手にプレッシャーをかけていないか、表現に留意したい。たとえば、「結婚報告を楽しみにしています」「合格のお知らせを期待しています」などはNG。

■(場合によって)「おめでとうございます」もNGになる
火事や災害などの被害にあった人に年賀状を送るとき、「おめでとうございます」を使うのは無神経。「年始のご挨拶を申し上げます」というようなニュートラルな言葉を選びたい。

■年賀状に使ってはいけない動詞
年賀状に一筆添えるときは、以下のようなネガティブな意味の動詞を使わないようにしたい。別れる、去る、失う、離れる、倒れる、戻る、朽ちる、敗れる、負ける、崩れる、流れる、消える、消す、往く、切る、終わる、割れる、壊れる、飽く、滅びる、散る、褪せる、詰める、失う、寂しい、枯れる、閉まる、など。

■年賀状に使ってはいけない形容詞
形容詞も同様で、年賀状では次のような形容詞の使用は避けること。弱い、嫌い、浅い、疎い、苦しい、痛い、冷たい、悲しい、重い、薄い、など。

<第3回に続く>