夏目漱石は猫だけでなく犬も飼っていた!/『文豪どうかしてる逸話集』③

文芸・カルチャー

公開日:2019/11/11

誰もが知っているあの文豪に、こんな意外な一面があった!? 太宰治、芥川龍之介、夏目漱石、川端康成など、名作の生みの親の「どうかしてる」逸話を一挙紹介!

『文豪どうかしてる逸話集』(進士素丸/KADOKAWA)

夏目漱石】(1867~1916)

メンタル弱めな日本一の文豪

 裕福だった生家が明治維新の混乱で没落し、里子や養子に出されたり、また実家に戻されたりし、学校も転々としていた。

 大学卒業後は英語教師の職に就き、その後イギリスへ留学するも、現地でカタコトの英語を笑われ、病んで一時引きこもりになる。

 帰国後は大学講師になるも、前任の小泉八雲の講義があまりに好評すぎたため、学生たちからの「なんか新しい先生の講義つまんなくね?」みたいな空気に耐えられず、またまた神経衰弱に。

 その後「気晴らしに小説でも書けば?」と友人に言われて書いた『吾輩は猫である』がヒットして作家デビュー。

代表作

『我輩は猫である』(1905)

「吾輩は猫である。名前はまだ無い」の冒頭があまりに有名な、漱石の処女作。
猫目線で人間世界を描く、元祖・日常系。
主人公の猫は、漱石の家に迷い込んだまま居座った野良猫がモデルで、この猫にも名前はなく、漱石は「ねこ」と呼んでいた。
この猫が死んだ時には、漱石は友人知人に死亡通知を出すほどに悲しんだ。

『こころ』(1914)

鎌倉の海岸で出会った主人公と、不思議な魅力を持つ「先生」と呼ばれる男。
やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いた時、「先生」はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる、「先生」の人生の悲劇。
漱石晩年の傑作で、日本で最も売れている小説。