江戸川乱歩の初恋は男の子、BL作品顔負けの小説を書く/『文豪どうかしてる逸話集』⑥

文芸・カルチャー

2019/11/14

誰もが知っているあの文豪に、こんな意外な一面があった!? 太宰治、芥川龍之介、夏目漱石、川端康成など、名作の生みの親の「どうかしてる」逸話を一挙紹介!

『文豪どうかしてる逸話集』(進士素丸/KADOKAWA)

江戸川乱歩】(1894~1965)

執筆に行き詰まっては放浪しちゃう、困った推理作家

 学校嫌いで仮病を使っては学校を休み、本を読んだり空想したり、不まじめな小学生時代を過ごす。

 早稲田大学卒業後は貿易会社に就職するも、持ち前の飽き性と人間嫌いを発動して1年もしないうちに無断で辞め、お金が尽きるまで伊豆の温泉宿に引きこもる。その後は20以上の仕事を転々とし、探偵事務所で働いていたこともあった。

 短編推理小説『二銭銅貨』で作家デビューし、エドガー・アラン・ポーにちなんでペンネームを江戸川藍峯(ランポウ)、のちに江戸川乱歩とする。日本推理作家協会設立の中心人物であり初代会長でもある。

代表作

『パノラマ島奇談』(1926)

谷崎潤一郎の『金色の死』に影響を受けて書いた作品。
推理小説でもあり、幻想小説としても高い評価を受ける。
圧倒的にグロテスクで、幻想的かつ禍々(まがまが)しい魅力は乱歩の真骨頂。

『芋虫』(1929)

四肢を失って戦争から帰ってきた夫と妻のお話。
発表当時は伏せ字だらけで、太平洋戦争が近くなると検閲も厳しくなり発禁処分となった。
乱歩の奥さんが「いやらしい……」と評し、馴染みの芸妓たちが「ご飯が食べられなくなります……」とこぼした問題作。