「相手が喜んで『YES!』と答える」話し方は?『稼ぐ話術「すぐできる」コツ』③

ビジネス

更新日:2019/12/4

人を動かし、仕事を動かし、組織を動かし、そしてお金を動かす──“稼ぐ人に共通のコツ”を真似れば、誰でも稼ぐ人になれる可能性があるという。 「話すとは稼ぐことである」という信念のもと、不動産、保険代理店、広告代理店、教育事業など、様々なビジネスのプロデュースに携わり、300社を起業、300人の「稼ぐ経営者」を育て上げ、自身も毎年1億円以上の年収を稼ぐ金川顕教氏による、「すぐできる+すぐ効果が出る」話術を紹介!

『稼ぐ話術「すぐできる」コツ 明日、あなたが話すと、「誰もが真剣に聞く」ようになる』(金川顕教/三笠書房)

「相手が喜んで『YES!』と答える」話し方

 ここで「相手が絶対『NO』とは言わない法」というテクニックを紹介しましょう。これは「二択で考える」を発展させたもの。この場合「稼ぐか・死ぬか」──という「究極の二択」ではなく、

「稼ぐか・儲かるか」──

 のように、どちらを選んでも成功するという「至福の二択」。これは、現場で作業する部下が、上司より情報量があるような場合に有効です。たとえば、A案とB案があったときに、作業的にはどう考えても、A案のほうが効率的、かつ生産的に活用できるといったケースがあります。このような場合、稼げない人ほど、深く考えずに、A案とB案を上司に見せるもの。これはまさに愚の骨頂。上司が、A案の効率性と生産性を理解しない場合があるからです。このような場合、部下の意に反して、B案が選ばれることになります。

 稼ぐ人は、この場合、「A案とB案」でなく「A案とAダッシュ案」を見せる──のです。これが「相手が絶対『NO』とは言わない法」。「Aダッシュ案」とは、「A案」の修正バージョンのこと。つまり、上司が「二択」のどちらを選んでも成功する、というわけです。具体的に説明しましょう。

 たとえば「資料は電子データで作成するか、紙でも作成するか」といったケース。じつは、これは僕が有限責任監査法人トーマツ(以下トーマツ)にいたとき、実際にあった例です。当時はまだ紙調書から電子調書に移行している時代で、「資料は電子データで作成するか? 紙でも作成するか?」は、社内では一大テーマでした。ただ、現場で作業する人間からすれば、「紙」はもはや、「電子データ」との比較の対象ではなかったのです。作成、保管、検索といった、あらゆる面で圧倒的に「電子データ」のほうが効率的だし、生産的なのは自明の理でした。このようなときこそ「A案とB案」でなく「A案とAダッシュ案」で話すのです。

×「資料は電子データで作成しますか? 紙でも作成しますか?」ではなく、
○「資料はエクセルで作成しますか? ワードで作成しますか?」

 といった具合。当時、上司の中には、まだ「書類は紙のほうが見やすい」と思っている人がいました。そのような上司に「B案(紙でも作成)」を見せるのは、まさに眠れる獅子を起こすのに等しい行為なのです。

 そこであえて「B案」はスルー。「A案とAダッシュ案」だけで話す。これが、稼ぐ人の「相手が絶対『NO』とは言わない法」なのです。

<第4回に続く>