「明日の15時」「疑問点が2つ」…稼ぐ人は数字を使って話す!『稼ぐ話術「すぐできる」コツ』⑥

ビジネス

公開日:2019/12/9

人を動かし、仕事を動かし、組織を動かし、そしてお金を動かす──“稼ぐ人に共通のコツ”を真似れば、誰でも稼ぐ人になれる可能性があるという。 「話すとは稼ぐことである」という信念のもと、不動産、保険代理店、広告代理店、教育事業など、様々なビジネスのプロデュースに携わり、300社を起業、300人の「稼ぐ経営者」を育て上げ、自身も毎年1億円以上の年収を稼ぐ金川顕教氏による、「すぐできる+すぐ効果が出る」話術を紹介!

『稼ぐ話術「すぐできる」コツ 明日、あなたが話すと、「誰もが真剣に聞く」ようになる』(金川顕教/三笠書房)

稼ぐ人は、「数字を使って話す」「明日の15時」「疑問点が2つ」……数字なら「正しく・強く」伝わる

「数字はウソをつかない」──。僕は公認会計士ですから、「数字」の意味、重要性が骨身にしみています。

「数字」とはまさに「仕事の結果」そのもの。

 会計の世界では、「数字」こそすべて──とさえ言えるのです。「数字」と言うと「営業の仕事」と思う人もいるかもしれません。ただ、営業の仕事は、数字だけでなく、結果に行き着くまでの過程も大切にする傾向があります。結果が出なくても、「金川君!結果は出なかったが、よく頑張った。キミの努力は認めているぞ!」といった上司の励ましフレーズがあり得る世界なのです。言ってみれば「努力賞」。「努力賞」のおかげで、結果が出なくても、やる気が出る営業マンもいるでしょう。しかし、会計の世界では、「数字」こそすべて。会計の世界に「努力賞」はないのです。何日間も徹夜して頑張っても、正しい「数字」を出さなければ、仕事として評価してくれません。会計では、過程を評価されることは皆無なのです。しかも、「数字」は正しくて当たり前。結果の「数字」が間違っていようものなら、「金川君! 結果は出なかったが、よく頑張った」といった励ましフレーズは、まったくあり得ない世界。上司から厳しく叱責されるだけでなく、ときには全社的な大問題になることさえあります。ですから、僕は「数字で考える」「数字で話す」を習慣にしています。

「数字はウソをつかない」──だから、「数字で考える」と間違えないし、「数字で話す」と相手に誤解されることもない、のです。つまり、「数字で考える」「数字で話す」と、それだけ相手から信頼されるということ。具体的に見てみましょう。たとえば、上司から、突然、次のように聞かれた場合。

「ところで金川君、A社の件はどこまで進んでいる?」

 口調は穏やかですが、上司は明らかに正確な情報を要求しています。このような場合、「ほぼできています」「もう少しでご覧いただけそうです」などと答えてはいけません。あまりに曖昧すぎるからです。相手が正確さを要求しているときこそ、「数字を使って話す」のです。

 会話の中に、簡単な「数字」を入れるだけで、相手の納得度が格段に上がります。

×「ほぼできています」ではなく、
○「8割方できています」
○「明後日の15時にはご覧いただけます」

×「もう少しでご覧いただけそうです」ではなく、
○「3日後には仕上げます」
○「2つほど疑問点があり、先方に問い合わせ中です。明日の午前10時までには回答をもらえることになっています」

 といった具合。数字は客観的データなので、誰もがイメージを共有できます。たったこれだけで、上司との信頼関係を確実に強化することができるのです。もちろん、思い違いによるトラブルもなくなります。

<第7回に続く>