佐渡島庸平 今月の「この本にひとめ惚れ」『MMT 現代貨幣理論入門』『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』『狂うひと』

文芸・カルチャー

公開日:2019/12/29

『ダ・ヴィンチ』本誌の人気連載コーナー「この本にひとめ惚れ」から、コルク代表・佐渡島さんのひとめ惚れ本を紹介。『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』といった大ヒット作品を世に出した天才編集者・経営者が“ひとめぼれ”した本をチェック!


『MMT 現代貨幣理論入門』

L・ランダル・レイ:著
島倉原:監訳
鈴木正徳:訳
中野剛志、松尾匡:解説
東洋経済新報社 3400円(税別)

装丁(日本語版):秦浩司(hatagram)
編集(日本語版):渡辺智顕
編集協力(日本語版):パプリカ商店

最近話題になっている、財政赤字や国債をポジティブに捉え直す、衝撃の新理論。批判する人も少なくないが、同意する人も少なくないらしい。なかなか手強そうな内容だが……。

『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』
レンタルなんもしない人
晶文社 1300円(税別)

装丁:佐藤亜沙美
装画:仲村直
写真:minami.m
編集:江坂祐輔

以前「レンタルなんもしない人」さんとは対談させてもらった。もっといろいろな話を聞いてみたい人である。

『狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ』
梯久美子
新潮文庫 1100円(税別)

装丁:司修

数々の賞を獲っているノンフィクション。「狂っていたのは妻か夫か」という帯コピーの強さ! 少し冒頭を読んだだけでも惹かれる魅力があった。

【青山ブックセンターにて彷書】

<プロフィール>
佐渡島庸平(さどしま・ようへい)
1979年生まれ。東京大学文学部を卒業後、2002年に講談社に入社。
週刊モーニング編集部にて、『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』など数多くのヒット作を編集。
インターネット時代に合わせた作家・作品・読者のカタチをつくるため、2012年に講談社を退社し、コルクを創業。
従来のビジネスモデルが崩壊している中で、コミュニティに可能性を感じ、コルクラボというオンラインサロンを主宰。
編集者という仕事をアップデートし続けている。
●Twiter ID:@sadycork

写真=首藤幹夫
取材・文=田中裕