消防士やナースがモテる単純な理由は?/見た目で読む「人の心理」③

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更新日:2020/1/1

 他人の本当の気持ちはなかなかわからない。他人どころか、自分の心の状態さえ、自分自身で整理できず、もやもや漠然として言葉にできないことも多いことも多いはず。

 心や人の心理はいわば「迷宮(ラビリンス)」のようなもの。
 でも、表情や体の動き、服装など人の「見た目」を心理学的に観察すると、心のサインを読み解くことも可能だそう。タイプ別に“傾向と対策”をマスターして、人間関係がスムーズになる知識を『大人の人間関係 心理の迷宮大事典』(おもしろ心理学会:編/青春出版社)から紹介したい。

『大人の人間関係 心理の迷宮大事典』(おもしろ心理学会:編/青春出版社)

■消防士やナースがモテる単純な理由は?(本書166・167ページ)

 消防士や警察官、自衛官といえば女性からの人気が高い職業のひとつ。モテる理由は「どうせ制服でしょ?」と予想する人が多いだろうが、その心理学的背景を覚えておくと、相手選びのときにも役立つかもしれない。

 消防士が制服を着ていると、それだけで誠実で勇敢そうに見える。家庭でも、大切な家族を守ってくれそうというイメージに結びつくだろう。これは心理学でいう「役割」効果。人には社会的な地位や職業によってそれぞれ役割があり、自然とそれに沿った行動をとるようになる。そうすると周囲も相手にその役割を期待する。「制服」はこの役割をビジュアルでわかりやすく規定してくれるアイテムなのだ。

 だから、相手の性格をたいして知らなくても、警察官の制服を着ていれば頼りになりそうに見えるし、ナースの制服を着ていればやさしい人に見える。職業に対するイメージは、私たちの想像以上に人の印象に深くつながっている。

 ちなみに、ふだん仕事で制服や地味な格好をしているほど、私服になるとラフな服装や奇抜な格好を楽しむ傾向にあり、それを見てギョッとすることもあるかもしれない。型破りで個性的なファッションは、自分を変えたい、自分の殻を脱ぎ捨てたいという変身願望のひとつでもあるので、中身はいたって真面目で常識的な人であることが多いそうだ。

『大人の人間関係 心理の迷宮大事典』(おもしろ心理学会:編/青春出版社)では不可思議で謎の多い「人の心理」を、見た目の観察から読み解くヒントを多数紹介している。周りの人が何を考えているのかさっぱりわからない、人の気持ちを先読みして物事をうまく進めたい、そう悩んだり考えたりしている方は、本書を開くことで人間関係がスムーズに動き出しそうだ。

文=田坂文