大切なのは「知識の量」ではなく「知識をどう使うか」/『「発想力」と「想像力」を磨く 東大アイデア』②

ビジネス

公開日:2020/2/1

「天才的なひらめき」や「センス」は必要なし!

「目的」「調査」「発想」――3つの仕組みで「使えるアイデア」を生み出そう!

偏差値35から東大に合格した、現役東大生の著者が試行錯誤のうえ完成させた“東大アイデア”を初公開!

この連載ではその一部、日常からアイデアを【発想】する技を紹介します。

『「発想力」と「想像力」を磨く 東大アイデア』(西岡壱誠/マガジンハウス)

AI時代を生き抜くための「アイデア術」

 そしてこれからの時代、この「自分の頭で考える力」というのは明確に必要になってきます。数十年後には、今の仕事のうち約半数がAIやロボットによって消えてなくなると言われています。思考せずに単純な労働をするだけであれば、AIやロボットに人間は敵(かな)わないからです。

 AIのIQは人間の100倍以上……。知識の量では、人間はAIに敵いません。

 だからこそ必要不可欠になってくるのは、東大が求めているような「自分の頭で考える力」です。

「アイデアを自分の手で生み出す能力」や「0から1を作る能力」―。そういう思考力がこれからの時代では必須になるでしょう。

 しかし、時代がそうやって変化しつつあるにもかかわらず、

「そんなの無理だよ!」

「アイデアを生み出すのなんてできないよ!」

 と考えている人が非常に多いように感じられます。

 違うんです、みなさん!

「自分の頭で考える」「アイデアを作る」というのは、そんなに難しいことではないんです。技術として習得すれば、一人ひとりが簡単に身につけられるものなのです。

 この本でお伝えするのは、「自分にはアイデアを作る才能がない」「アイデアを作るセンスがなくて困っている」という人にこそ聞いていただきたいお話です。そういう人にとってこそ、この本は役に立つと思います。

 難しいことなんてひとつもありません。

 本書で、「自分の頭で考える力」を磨いていただければ、誰でも簡単にアイデアを作ることができるようになります!

東大アイデアPOINT①
東大生が優れている点は、「知識の量」ではなく「知識をどう使うか」を習得していること!

 

【目的】【調査】【発想】の3ステップで誰でもアイデアを作れる!

 さて、早速“東大アイデア”について解説していきたいのですが、その前にみなさんの中にはもしかしたらこんなふうに考えている人がいるかもしれません。

「いやいや、アイデアなんて多様だし、アイデアを考えなきゃならない分野や状況も全然違うんだから、ひとつの方法でそんなことができるわけないじゃん!」

「アイデアって自由な発想が大事でしょ? 型にハマったもので思いつくの?」

 みなさんの懸念はもっともです。

 アイデアが必要なシチュエーションというのはたくさんありますし、アイデアは自由に発想するのが一番だというのもよくわかります。

 でも、だからこそこの本では「ひとつの型」を紹介するわけではありません。アイデア作りに欠かせない「3つのステップ」をみなさんに紹介したいのです。

STEP1【目的】アイデアの目的を考える。
STEP2【調査】アイデアの先行事例を調査する。
STEP3【発想】日常からアイデアを発想する。

 この3ステップを経た上で、アイデアというのは生み出されます。

 しかし、これは順番が決まっているわけではありません。この3ステップをどういう順番でクリアしていくのかによって、作られる「アイデアの質」というものが大きく変わってくるのです。

 ですからこの本では、まず第1部(PART1)で、【目的】【調査】【発想】の3ステップについて解説します。

 そして第2部(PART2)で、3ステップの順番を入れ替えた「3つのパターン」=【目的発のアイデア】【調査発のアイデア】【発想発のアイデア】の具体的な作り方を解説していきたいと思います。

 僕はこの第2部(PART2)で3つのやり方を提案しますから、どの作り方がいいかは「シチュエーション」と「みなさんの立場」によって使い分けてみてください。

 この3ステップをペースにした3つのパターンこそが、センスや才能に頼らずに、誰でも実践に役立つアイデアが作れる“東大アイデア”の仕組みです!

東大アイデアPOINT②
3ステップの組み合わせで、あらゆる「アイデアの質」に対応できる!

<第3回に続く>