カエルは太ももと足の裏が同じサイズ! 高いジャンプができる理由/『カメの甲羅はあばら骨』②

スポーツ・科学

公開日:2020/1/26

もし人間の骨格の一部が動物のものだったら…

「えっ! カメの甲羅って人間のあばらなの? 」
「フラミンゴの逆に曲がった膝の部分は人間でいう足首!? 」

図鑑や動物園の解説でなんとなく知ってはいるけど、いまいちピンとこない動物の体のしくみ。そんな動物の体の構造を、私たちヒトのからだを無理やり変形させることで、わかりやすくしてみました。

『カメの甲羅はあばら骨 ~人体で表す動物図鑑~』(川崎悟司/SBクリエイティブ)

カエル 爬虫類・両生類

 カエルは大きく飛び跳ねて移動することに適応しています。適応の1つとしてカエルの後足があげられますが、太もも、脛(すね)、足の裏の長さが、おおよそ同じ長さになっています。その後足をバネが縮まるようにZ字の形に曲げ、各関節を順番にピンと伸ばすことで、大きな力を発揮しています。

軽量化し頑丈になった骨格

 高いジャンプ力でよく知られているカエル。カエルと同じ両生類のイモリやヘビ、トカゲといった爬虫類はジャンプができず、這(は)い歩きで移動します。また、泳ぐときも、他の両生類や爬虫類は長い胴体と尻尾をくねらせて泳ぐものが大半であるのに対しカエルは平泳ぎです。このように動きのスタイルに違いがあるため、その体の動きに密接に関わる骨格構造も、他の両生類や爬虫類にくらべ個性的なものになっています。

 まず、カエルの骨格は全身の骨の数が少なくなっています。骨の数が減った分、他の両生類や爬虫類のようなくねくねとした動きができなくなり、柔軟性を犠牲にしていますが、硬く重い骨の数を減らすことで軽量化しています。さらに骨と骨を融合させることで数を減らしながら頑丈さも実現しています。人間の膝下の脛(すね)には腓骨(ひこつ)と脛骨(けいこつ)の2本の骨がありますが、カエルはこの腓骨と脛骨が融合して1本の骨になることで後足は強靭(きょうじん)になり、力強いジャンプができるようになっています。

 また、他の例として、肋骨の消失があります。肋骨がない腹部は柔らかく、ジャンプ後の着地時の強い衝撃を受け流すことができます。その反面、肺を伸縮させて呼吸するときの胸部の筋肉は機能しませんが、代わりに喉袋の伸縮によって空気を肺に送り込んでいます。

徐々に進んだ骨格の軽量化

 カエルがどのような進化をたどったか進化図を見てみましょう。【図①】

 1995年、カエルとイモリの共通祖先・ゲロバトラクスとよばれる化石が古生代ペルム紀中期の地層から発見されました。ゲロバトラクスは、顔は現在のカエルのようでしたが、口には歯が並び、胴体は長く、尻尾も肋骨も残っていました。ジャンプはせず、イモリのように這い歩いていたと見られています。

 その後マダガスカル島で2億5000万年前に生息したトリアドバトラクスの化石が発見され、これが最古のカエルとされています。現在のカエルに近づいた点として歯がなくなり、肋骨が退化したことがあげられますが、胴体や足には現在のカエルほどの特殊化があまり見られていません。現在のカエルは脊椎の数がわずか9個ほどしかなく、骨の数を減らすことで背骨は短く太く、頑丈になっていますが、トリアドバトラクスの脊椎の骨は24個もあり、尻尾も残っていました。なにより、極端に長くなった後足の特徴は見られず、ジャンプすることはなかったようです。【図②】

 そしてカエルらしいカエルが現れたのは中生代ジュラ紀前期で、ヴィエラエッラとよばれる種です。脊椎の数は10個、極端に長い後足も持っており、現在のカエルとほとんど変わらない姿をしていたようです。

<第3回に続く>

この記事で紹介した書籍ほか

カメの甲羅はあばら骨 ~人体で表す動物図鑑~ (SBビジュアル新書)

著:
出版社:
SBクリエイティブ
発売日:
ISBN:
9784815604127