富士山(さん)に、浅間山(やま)…「山」の呼び方が違う理由は? /日本人の9割が知らずに使っている日本語②

文芸・カルチャー

2020/2/4

ウソをつくなというとき、なぜ「ウソいえ!」と反対にいうの?
…外国人にそう聞かれたら、日本人としてきちんと答えられますか。いわれてみると確かに疑問だらけの「いつもの日本語」を再発見してみましょう!
雑学・豆知識としても役立つトピックを『日本人の9割が知らずに使っている日本語』(岩田亮子/青春出版社)から紹介します。



富士山(ふじさん)に、浅間山(あさまやま) 「山」の呼び方が違うのはなぜ?

 富士山は「ふじさん」と呼ぶのに、アルペンルートの美しさで有名な立山は「たてやま」、福島・会津の磐梯山は「ばんだいさん」で、活火山で知られる浅間山は「あさまやま」です。この「~さん」と「~やま」、どういうルールで呼び分けられているのでしょうか。


 日本には昔から、山を神聖なものとして信仰の対象とする山岳信仰があります。山は修験道(しゅげんどう)の修行の場として崇拝(すうはい)されてきましたが、すべての山が信仰の対象となったわけではありません。このことから、信仰の対象となった山は「~さん」、信仰の対象とならなかった山は「~やま」と呼ぶという説があります。

 確かに日本仏教のおもな宗派の総本山は、「比叡山(ひえいざん)延暦寺」や、「高野山(こうやさん)金剛峯寺」など「~さん」と呼びます。このことも、この説を裏付けていると言えます。

 ただし、例外もあります。浅間山は「あさまやま」と呼びますが、古くから山岳信仰の対象でした。立山も「たてやま」と呼びますが、じつは「日本三霊山」の一つとして信仰を集めてきました。古くから「~やま」と呼び習わされてきた山は、山岳信仰の対象であっても「~さん」とは呼ばないようです。

 ところで、日本で富士山に次いで高い山の名前をご存じですか。標高3193メートル、山梨県南アルプス市の「北岳」で、「きただけ」と読みます。

 どのような山を「~だけ」と呼ぶのかは、明確な決まりはありません。山々が連なる連峰の中の一つの山を呼ぶときや、標高が高く険しい山を「~だけ」「~たけ」と呼ぶことが多いようです。他にも日本語には、「~山」と書いて「~せん」「~ざん」、「~嶽」と書いて「~だけ」「~たけ」など、さまざまな呼び方があります。


【次回に続く】