いつまでたっても家事が終わらない!! 完璧主義なのが理由だった…/『どんなずぼらさんでも「これなら絶対! 」片づく技術 』②

暮らし

公開日:2020/3/1

今までの「片づけ本」では片づかなかった人、 家事が苦手で「どこから手をつけていいのか」途方に暮れている人…必見! 世界中の「ずぼらさん」を感動させたベストセラーが、ついに邦訳。「お皿を洗う」――たったそれだけの小さな習慣が人生を変え、 家事・片づけが絶望的に苦手なわたしを救った――。ずぼらあるあるが、ちょっとしたコツでスッキリ解消!

『どんなずぼらさんでも「これなら絶対! 」片づく技術 「たった1つの習慣」で人生が変わる』(ダナ・K・ホワイト:著、大浦千鶴子:訳/マガジンハウス)

家事が自然とうまくいく人の「考え方」

幻想

物事は完璧にやるからこそ価値がある。

現実

なににつけ完璧な方法を探していると、なにひとつ終わらせられない。そのあいだに問題はどんどん悪化していく。

「ずぼら=理想主義者」という驚きの事実

 理想主義者がみんなずぼらというわけではないけれど、予想に反して、じつはずぼらな人のほとんどは理想主義者です。

 わたしもその理想主義者の1人で、もちろん、ずぼらです。

 斬新なアイデアを考え出すのが大好きですし、トラブルがあったら、はりきって解決策をいくつも提案したくなります。効率性とか実用性とかいう言葉が大好きなのです。

 そういえば16歳のころ、キャンプ場でアルバイトをしたことがあります。

 床のモップがけやトイレそうじを任されましたが、担当の期間中、何週間も毎日欠かさずキッチリすみずみまで清掃しました――指示された手順の項目をなにひとつ飛ばさずに。

 割り当てられたマニュアルに従って、すべてその段取りどおりに作業しました。

 理想主義のわたしは、ごきげんでした。なにしろ、ここで完璧なそうじのスキルを身につければ、ゆくゆくは無敵の主婦になれると思ったからです。

 キャンプ場では、皿洗いや食事の用意もしなければなりません。研修では、洗った皿をふきんで拭くより自然乾燥させるほうが、ずっと衛生的だと教えられました。

 今なら、これが「汚れたふきんでお皿を拭くくらいなら、自然乾燥で清潔にカラッと乾かしたほうがいい」という意味だったのだとわかります。

 ところがわたしは、「めちゃくちゃいいやり方じゃない? さっそく実践してみよう!」。

 それから何年もたって、現実の真っただなかで、わたしのキッチンはこんな感じ。

 大量の皿やコップ、鍋、スロークッキング鍋の部品、それと映画館からもらってきた使い捨てカップ(洗えば何度も使える!)など(ほかにもいろいろ)を自然乾燥しているのです。

 こうして、数日間、いえ数週間、いえ数カ月、放置して自然乾燥させることになるわけです……。

 自然乾燥がいちばんいい方法だと習った(と思っている)から。

 それに、自然乾燥だとふきんを探す手間が省けます。食器を1つずつ拭く手間も省けます。そのうえ、すぐに食器棚に片づける必要もありません。

 そうやって放置しているうちに、食器はキッチンと一体化して、意識から消え去るのです……。

 たとえば、コップが必要になったら、山の中から1つ取り出し、使ったあとは洗って、またその山に戻します。当然ですよね、自然乾燥がいちばん効率のいい方法だと思っているのですから。

 この感覚がふつうで、ことさら怠けている意識もなかったのですが、ある日突然、愕然(がくぜん)としました。キッチンに立つと、どうしてこんなに嫌な気分になるのだろう。

 勇気を出して、あたりに目を向けました。すると、シンクの向こう側に巨大な食器の山ができあがっているのが見えました。

 目では見えなかったけれど、心では感じていた「目障(めざわ)りなもの」が――。

完璧主義にとらわれて、動けなくなる

 きれい好きの人にはありえないと思われるかもしれませんが、わたしたちずぼらさんは、トイレそうじの「いちばん効率のよい方法」がどこかにないかと探し求め、自分の健康や環境、わが子の命を脅かさない方法にこだわっているうちに、そうじを放置してしまいます。

 するとトイレはどんどん汚れていき、ますますそうじしにくくなるというわけ。

 リサイクルについても同じこと。「いちばんいい方法があるに違いない!」と意気込み、いろいろと調べているうちに、わが家のリサイクル箱はあふれ返り、もはや箱ではなく「リサイクル地帯」になってしまいます。ペットボトルも古新聞も、しまいには、リサイクルできないガラクタと混ざり合ってしまうのです。

 こうして、片づけは一生をかけた一大プロジェクトに早変わりしてしまいます。もうどこから手をつけたらいいのか。ついつい先延ばしにしてしまったことで、結果、汚れはますます増殖し、ますます手がつけられなくなったのです。

「物事はある決まった方法でやらなきゃ。探したらもっといい方法があるはずなのに、みんなどうしてすぐ手をつけてしまうの? とは言っても、もっといい方法を突き止めたら、手元に必要な用具がないかもしれないし、その方法を試してみる時間をとらなくちゃ……」

 こういう思考回路が出てきたら気をつけてください。

 これらの3つの言葉「……しなきゃ」「……したら」「……かもしれない」は、じつは、今のわたしには「決して起きない事柄」を示しているのです。

 この3つが頭の中に浮かんできたら、要注意。そんな独り言に対しては、「だけど、実際にどうするの?」と切り返します。

 こういう思考でいくら考えても、わが家のトイレはきれいになりません。

 解決策はただ1つ。つべこべ言わず今、そうじすることです(ミもフタもなくて申し訳ない……)。

 自分が「ずぼら」と判明した以上、現実と向き合うほかありません。よし、こうなったらとことん現実路線に切り替えよう。

 アイデアだけでは、現実は変わらない。実際にとにかく何かするしかないのだ。使う道具はなんでもイイ。とにかく今あるものを使おう。

 恐るおそるですが、しばらくたつとだんだんわたしにも「本当にすごい名案」と「わが家で実際にできること」の区別がつくようになりました。

 そうすると、いろんなことがうまくいったり、手際がよくなったりもします。

 少しずつ、「絶対にやれるはずがない」アイデアに振り回されなくなっていきました。

<第3回に続く>

この記事で紹介した書籍ほか

どんなずぼらさんでも「これなら絶対! 」片づく技術 「たった1つの習慣」で人生が変わる

著:
翻訳:
出版社:
マガジンハウス
発売日:
ISBN:
9784838730780