どう働いて休むか… 年商70億突破の筋肉CEOが教える最強メソッド/『人生の主導権を取り戻す 最強の「選択」』①

ビジネス

2020/2/25

目覚めて何をするか、何を食べるか、どう働くか、いかに休むか、どのくらい鍛えるか、どんなSEXをするか、どうやって深く寝るか。1日の積み重ねが人生であるからには、日々をどう過ごすかが人生を決める。そして、1日の過ごし方は、自分の「選択」次第だ。その最強の「選択」とは――。年商70億突破の筋肉CEOが、身体も心も自分最高レベルにつくり変えたそのメソッドを余すところなく伝える。

『人生の主導権を取り戻す 最強の「選択」』(オーブリー マーカス:著、恒川 正志:訳/東洋館出版社)

はじめに

今日という日ほど価値のあるものはない。
―ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

栄養、マインドセット、生産性、能力、トレーニング、セックス、睡眠―鍵穴を通して一つひとつに焦点を当てていると、つい見失いがちになるが、これらは相互に関連しあい、依存しあっている。どれもが1日という車輪のスポークで、24時間のサイクルに乗り、価値のある人生にするために欠かせないものだ。なぜなら、1日というのは単に体内に何かを取りこむことでも、自分が鏡の中でどう見えるかということでも、8時間の仕事でどれだけのものを生みだせるかということでもないからだ。1日というのは、どう感じるか、誰の人生とつながるか、その中でどれだけ楽しめるかということなのだ。

 私たちには抜けだすべき悪い癖がある。それは、一度に一つのことに全力を傾けてしまうことだ。本来なら、1日という最小単位に目を向けるべきなのに。変化のプログラムは巷にあふれている。デトックスのための12日のプログラム、すっきり痩せるための28日のプログラム、考えかたを変えるための40日のプログラム、宇宙飛行士のための90日のプログラム……。ここではどんなことが提案されるか。統計的に95%が失敗するダイエットであったり、劇的に生産性を高めると謳うメールの処理方法であったりする。運が良ければ、いつもテイクアウトで済ましてしまう食事を1~2週間の間、1回か2回は減らせるかもしれない。でも、それで本当に何かが変わるのだろうか。そうは思えない。8パックの腹筋を目指して根気よくトレーニングに励みながら、ほかのことはすべてバランスが崩れてしまうのがオチだ。

 というわけで、台本を書きなおすことにしよう。それ以上分割できない一つの単位に注意を向けることにする。24時間だ。ただの1日。走る前には歩かなければならない。そして、その第一歩が1日だ。人生を支配するには、1日を支配しなければならない。あなたはこの本を読んで、1日をこれ以上ないほど最適に過ごすための準備をしようとしている。

 カレンダーに印をつけ、しっかり意識し、食事を改善し、実行する。すぐに毎日、このように過ごせるようになるわけではない。二度とこの通りに過ごせないかもしれない。でも、一つでも支配できれば、確かな変化のきっかけになる。それは朝のルーティンかもしれないし、寝るための準備のしかたかもしれないし、職場までの運転中の過ごしかたかもしれない。トレーニングのしかたかもしれないし、食事のしかたかもしれない。すべてかもしれない。一つが最初にうまくいく。そうすると、それからは毎日が変わってくる。この本を読んでも、生きかたや生活に対する見方を大きく変えるようなことは見つからないかもしれない。最初は小さなことに見えるだろう。だが、小さなことでも、時間とともに積み重なっていくと大きな結果を生むものだ。結局のところ、それが進化の本質なのだ。

転機とプロセス

 日々の生活では、どれだけのことを二者択一で決めているだろうか。ピザを取るか、家で作るか。ソーダにするか、スパークリング・ウォーターにするか。ネットフリックスを見るか、外出するか。ジムに行くべきかどうか。どちらに決まる確率も、似たようなものだ。ただ、目覚めてから最初の20分以内にする一つのことを変えたとしたら、あるいは高脂肪、低糖分の朝食から少しだけ多くのエネルギーを得られたとしたら、あなたの選択は変わってくるだろう。たぶん、先ほどのような自問はしなくなるだろう。もちろん、あなたはジムに行くだろう。ジムに行ったおかげで、その夜はストレスが軽くなるだろう。そして、セックスをする。それで、よく眠れる。翌朝は元気に、活力に満ちて目覚める。そして、前向きな選択が次々とおこなえる。転機となったのは、朝食を少し変えたことだった。アップル・ジャックスのシリアルをアボカドに変えただけで1日が変わり、1週間が変わった。1カ月を通して見ても、変わっているだろう。

 大学のアメリカンフットボール史上もっとも偉大なコーチと考えられるニック・セイバンは、“プロセス”と呼ぶものに従うよう、選手たちに言っている。彼によると、フットボールの平均的なダウンは約7秒続く。選手がSECチャンピオンシップや全国選手権で優勝したいなら、最小単位の事柄に集中する必要がある。つまり、7秒だ。大局的なことにばかり気を取られていると、優勝から目をそらすことになると言う。目の前のことに神経を集中し、噛んで飲みこめるものに集中する。つまり、ミクロに集中していれば、マクロは後からついてくる。

 私たちが取るアプローチは、“人生を支配するにはまず1日を支配する必要がある”というものだ。つまり、今日だ。自分で自由にできるのはそれだけだからだ。

 宮本武蔵の『五輪書』には、「一人の敵に自由に勝つ時は、世界の人に皆勝つ所なり。人に勝つと云う心は千、万の敵にも同意なり。将たる者の兵法、ちいさきを大きになす事、尺のかたを以て大仏をたつるに同じ。一を以て万を知る事、兵法の利なり(一人の敵に勝つことができるということは、世界のあらゆる人間に勝つことに等しい。人に勝つというのは、敵の数が千、万であっても同じだ。大将の用いる兵法は、小さな戦いを大きな戦いにそのまま応用することだ。小さな原型をもとに大仏を建立するのと同じことだ。一をもって万を知ることが兵法の利である)」と書かれている。

 1日をよく生きることは、1万日をよく生きることと同じだ。24時間を征服することは、人生を征服することなのだ。

誰にでも改善の余地はある

 人間は誰でも、理想の人生の設計図から外れて、ある意味で回り道をしている。そうせざるをえず、それが私たちの生きる世界だ。だから、私たちに反対する力、あるいは私たちに立ちはだかる力に対抗するには、それ相応の手段を講じなければならない。

 経験からわかっていることがある。私はOnnit(オニット)というヘルスケア会社を設立し、何百万人もの生活に影響を与えるようになったが、そうなる前はストレスと抑鬱で苦しんでいた。お粗末な食事のために血糖値が急上昇し、完全に消耗していた。あらゆる有害物質で身体を傷つけていた。病んでいた。それもひどく。そして、30歳の誕生日が近づいたある日、改善に取り組みはじめた。その決意は本気だった。オーブリーという自分のミドルネームをファーストネームに変え、その瞬間からより良い人間として再起を図ろうと考えた。まだ本書で述べるような完全なプランがあったわけではない。でも、選択の候補はあり、それを実行に移しはじめていた。私は自分の人生に責任をもつことにした。人生を支配すること。自分の身に何が起こっても、それを受け入れることにした。もう責任放棄という心地よい毛布の陰には隠れない。自分が最高の状態になるための手段と方法が見つかるまで、徹底的に調査し、できるだけ多くの人と話をし、たゆまず実験を続けた。ようやくひとつの解にたどりつき、会社という形で結実させた。ベストな自分でいられるための手段や技術を世界に広めるというミッションを負った会社だ。

 この会社オニットは私が夢に見た通りに大きく成長している。テキサス州オースティンを本拠地として、光栄にも、世界的に活躍している人々を支援してきた。当初からのパートナーの中には、人気コメディアンのジョー・ローガン、ドラマーのトラヴィス・バーカー、プラチナ・ディスクを受賞したラッパーで俳優のリュダクリス、オリンピックで金メダルを獲得したダウンヒル・スキーヤーのボディー・ミラー、NHLスタンリーカップを3回制したダンカン・キースとジョナサン・トウーズ、アメリカの女子サッカー・チームのメンバーであるローリ・“稲妻(ライトニング)”・リンジー、ダンス番組『Dancing with the Stars』のアリソン・ホーカー、総合格闘技の王者コーディ・ガーブラント、タイロン・ウッドリー、ミシェル・ウォーターソンもいる。何人かは本書にも登場する。

 彼らと膝を交えて話してみると、何がわかってくるだろうか。それは誰もがパーフェクトではないことだ。あなたや私と同じ課題を抱えている。よく眠れないかもしれない。栄養摂取に問題があるかもしれない。悪い習慣があったり、毎朝頭がぼんやりしていたりするかもしれない。しつこいけがに悩まされているかもしれない。つねにストレスと戦っていて、自分を信じられないこともある。

 彼らとの作業で最初に取りかかることは、あなたと最初にしようとしていることと同じだ。つまり、1日の過ごしかたをくわしく調べることだ。目覚めたら何をしているか。何を食べているか。各種ビタミンを十分に摂取しているか。良いストレスを取り入れ、悪いストレスを避けているか。移動中のすきま時間をうまく利用しているか。長い1日の終わりに、どうやってくつろいでいるか。十分にセックスしているか。こうした小さなことが大事だ。小さなことこそが大きなことなのだ。彼らのように成功した人も例外ではない。生活のためにリングの上で戦っているとしても、テレビの向こうの何百万という人の前でダンスをしているとしても、こうした小さなことが成功と失敗を分けるのだ。あなたがスーパーヒーローのように毎日戦っているなら、つまり家族を支えたりキャリアを築いたりするために懸命にがんばっているなら、こうした小さなことが、情熱的で熱中できる生活とグレーで単調な生活との分け目になる。

本書の構成

 1日を支配するプロセスを理解しやすくするため、どの章でも決まった表現を使う。最初のセクションは「支配されている状態」というものだ。私たちはみなそこにいて、人生の荒波に揉まれ、息もつけないように見える。その次に、「支配する」というセクションに移る。支配するには、前向きで反復的な習慣を作りだすための知識と特別な処方箋が必要だ。このプロセスはできるだけ手軽なものになるように努めた。優れたバイオハッキングや能力向上のための技術がある場合は、少し難易度の高いものであっても、「プロ技」というセクションに組み入れた。ただし、これは1日を支配する上での必須事項ではない。科学的にくわしく知りたい場合は、「もっとくわしく」が参考になる。これらは巻末の多数の引用と並んで、読者の探究心に応えるための参考資料となる。「警告」というセクションでは、何かを実践するときに生じるであろうリスクについて警告する。これはすべて「処方箋」というセクションにつながる。ここでは、推奨している事柄を達成するための具体的な方法を述べている。その次に、もっとも重要なセクション「さあ、始めよう」が来る。しなければならないとわかっていることをほんの少しでも始めれば、ずっと調子が良くなる。ちょっとした手がかりを与えられたり、発破をかけられたりするだけで、やり遂げられることがある。最後は、私がバスケットボールを愛してきたことにかけて、「スリーポイント・シュート」というセクションで締めくくりたい。ここには、各章で覚えておくべき三つの重要な事柄を挙げる。

 最終的に、読者のみなさんが自分で1日を完全に支配すべく計画できるように、話を進めていく。来週でも、来月でも、3カ月先でもいいが、本書を読んでいて、試したいテクニックが見つかったら、自由に使ってみてほしい。それは問題を解決し、初めて1日をしっかり支配するのに役立つはずだ。でも、間違えないでほしい。最終的な目標は絶対君主のように、完全に1日を支配することだ。

 用意はいいだろうか。では、始めよう(ゴー、ヒーロー、ゴー)!

<第2回に続く>