通勤のイライラが激減! 心を落ち着け自分を成長させる時間に/『人生の主導権を取り戻す 最強の「選択」』⑦

ビジネス

公開日:2020/3/4

目覚めて何をするか、何を食べるか、どう働くか、いかに休むか、どのくらい鍛えるか、どんなSEXをするか、どうやって深く寝るか。1日の積み重ねが人生であるからには、日々をどう過ごすかが人生を決める。そして、1日の過ごし方は、自分の「選択」次第だ。その最強の「選択」とは――。年商70億突破の筋肉CEOが、身体も心も自分最高レベルにつくり変えたそのメソッドを余すところなく伝える。

『人生の主導権を取り戻す 最強の「選択」』(オーブリー マーカス:著、恒川 正志:訳/東洋館出版社)

処方箋

 在宅ワークをしている人もいるだろう。あなたは通勤をしていないかもしれない。すばらしい。それ以上かもしれない。ただ、通勤には仕事とそれ以外の時間を橋渡しする役割がある。いずれにしても、この橋渡しを積極的に利用しよう。マンションで生活しながら仕事をしている場合、ヘッドフォンをつけて散歩に行く。一戸建ての場合、庭やポーチに出るか、何本か先の通りまで歩いてみる。実際に運転に気を取られることなく、マインドフルネスとマインドフィルネスの両方が実践できるのは理想的だ。それ以外の人は、電車、飛行機、自動車を利用せざるを得ないが、それをうまく利用する方法を次に示そう。

ステップ1:心を落ち着ける

 車に乗ったらすぐに、6回深呼吸する。できるだけ肺を大きく広げ、意識してお腹まで息を吸いこむようにする。あなたの中のドラゴンを孵化させないように。日本高血圧学会が発表した研究によると、30秒間に深呼吸を6回すると、血圧が下がってくることがわかっている。これは自分のことに集中するのに役立ち、フラストレーションの予防ワクチンとして働く。そして、運転や人生の中でドラゴンが顔を出すのを感じたら、あと6回深呼吸して鎮める。忘れないでほしい。深呼吸は2回でも5回でもなく、6回だ。6回!

ステップ2:広域周辺注視

 運転の大敵は注意散漫だ。これはマインドフルネスとは対極にあるものだ。広域周辺注視は、まず車を止めた状態で練習する。中には、運転しながら練習したいという人もいるだろう。結局のところ、すべての運転手には、前方を見ながら、周辺にも注意を向けることを求められているのだから。目標は、前方よりもむしろ、周辺に注意を向けることだ。小さなリスが道路に飛び出してくるかもしれないし、見もしないで下がってくる人がいるかもしれない。熟達してくれば、完全に集中できるはずだ。名人の域だ。その状態で格闘家は闘い、サーファーはサーフィンをする。だが、安全が損なわれると感じたり、少しでも落ち着かないと感じたりするなら、広域注視の練習は車を止めた状態でおこなうこと。

ステップ3:ポッドキャストで学ぶ

 これで頭は開かれたはずだ。次は満たす(フィル)ときだ。スマートフォンで好きなポッドキャストのアプリを立ち上げ、ちょっとしたメンタル・マジックに取りかかろう。せっかくここまで来たのだから、Aubrey Marcus Podcastを推薦したい。ここでは人間の最適な状態を目指すためのあらゆる要素に踏みこんでいる。この本よりも少し深く突っこんだ内容になっていて、奇抜なところもあるかもしれない。インスピレーションや刺激的な会話という点では、Joe Rogan Experienceが気に入っている。Tim Ferriss(ティム・フェリス)のポッドキャストは必ず聴くし、Lewis Howes(ルイス・ハウズ)のSchool of Greatnessポッドキャストは期待を裏切らない。渇を入れてほしいなら、Jocko Willink(ジョコー・ウィリンク)をチェックしてみよう。ダイエットやライフスタイルについて考えたいなら、Ben Greenfield(ベン・グリーンフィールド)とShawn Stevenson(ショーン・スティーヴンソン)のポッドキャストがおすすめだ(私たちは、元格闘家でバイオハッカーでもある非凡なKyle Kingsbury(カイル・キングズベリー)がホストを務めるポッドキャストも作った)。偉大な話を聴きたいなら、Daniele Bolelli(ダニエル・ボレリ)のHistory on FireやDan Carlin(ダン・カーリン)のHardcore Historyの実話が一番だ。愛と関係については、Chris Ryan(クリス・ライアン)とDan Savage(ダン・サヴェージ)をチェックしよう。笑いを求めているなら(誰でもそうだろう)、Brendan Schaub(ブレンダン・ショーブ)とBryan Callen(ブライアン・カレン)がホストを務めるThe Fighter and the Kidや、The Jason Ellis Showは要チェックだ。最後に、実践的なスピリチュアルの世界をくわしく知りたければ、Duncan Trussell(ダンカン・トラッセル)のFamily Hourをチェックしよう。

さあ、始めよう

 私の母はプロのテニス選手だった。ウィンブルドンのセミファイナルまで進んだ人だが、一番リラックスできるのは空を飛んでいるときだといつも言っていた。パソコンもスマートフォンもWi-Fiもない時代、機内では文字どおり、することが何もなかった。1960年代には、乗客用のヘッドフォンもそれを使うための機器もなかった。図書館の時代で、彼女はよくテニス・バッグ一つで世界を飛び回っていたので、本ももちこんでいなかった。トレーニングもできず、何かに取り組むこともできず、ただ、その場にいた。それが彼女にとっては天国だった。あなたが車に乗っているときもそうすることができる。

 このような平和のポケットを見つけることは重要な人生のスキルだ。これを理想の1日に組みこむ必要があるが、ただ待っていても見つかるものではない。カローラの運転席や通勤電車の座席に座っているだけでは、平和と平穏を見出すことはできない。なんでも一緒だが、それに取り組む必要があるのだ。その時間を作り、その瞬間を自分の望む瞬間にする必要がある。

 ただし、良い面もある。毎日の車での通勤でこれが正しくできれば、その日の瞑想はこれだけで十分なのだ。あなたの職場が、Googleのように、さまざまな瞑想用の場所を用意してくれているかどうかは問題でない。やがて、激怒のもとだった通勤は、マインドフルネスをもたらすものに変わる。破壊的なものから、生産的なものに変わる。

 1日を支配するつもりなら、1時間を支配し、1分を支配しなければならない。この1分は貴重なものだ。毎日使う唯一の通貨で、その価値は激しく変動する。自分の時間を使って、将来の自分に投資し、感情の金庫を満たし、価値と楽しみを見出そう。それとも、この時間を使って感情の銀行口座を使い果たすほうがいいだろうか。ピーター・ギボンズが100万ドルを手に入れたら何をしようとしていたか覚えているだろうか。座っているだけで、何もしないことだ。彼には、車に乗るたびにその機会があった。彼の富はすぐ目の前にあった。私たちは誰でも、時間という唯一の大事な通貨を同じ量だけもっている。自分の時間をうまく使うこと―それが良い人生の唯一の目標だ。

スリーポイント・シュート

・通勤時間については、根本的な選択ができる。アライブ・タイム、つまり成長、学習、向上のための時間にすることもできるし、デッド・タイム、つまり単に無駄な時間にすることもできる。つねにアライブ・タイムを選択すれば、実り多い人生を送ることができる。

・見識を広め、実用的な情報を得るために、通勤時間にポッドキャストやオーディオブックを利用する。これらは、多額の費用のかかる教育にも負けないほど貴重な学びの機会となる。

・通勤の悪影響を受けず、落ち着きと心の安定を保つため、意識的な呼吸法を用いながら、広域周辺注視のようなマインドフルネスの技法を実践する。

続きは本書でお楽しみください。