見るものを驚嘆させるハイクオリティな作品に各界から称賛の嵐。石田祐康さんの本棚

更新日:2012/6/25

石田祐康さん

<石田祐康>
アニメーション作家

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京都精華大学アニメーション学科卒
短編アニメーション「フミコの告白」が東京国際アニメフェア2010学生部門優秀賞を受賞し、
「rain town」で第15回文化庁メディア芸術祭
アニメーション部門新人賞を受賞。
代表作「フミコの告白」「rain town」

インタビュー

――とにかくお客さんありきだと考えています。
◆クリエイターになったきっかけ、動画制作するようになったきっかけは?
幼い頃から絵はよく描いていましたが、中学の美術の先生がなんでもいいから絵を持っていけば成績の点数をくれるというのがきっかけでもっともっと描くようになりました。中学一年の時は、戦闘機の絵をよく描いて、二年から漫画の模写をやるようになりました。
アニメを作るきっかけは、高校1年生のころに参加したワークショップで、映像をつくることに興味をもったのが最初です。それから自分で、アニメをつくるのようになったのが高校二年生の頃です。4~5分程度のものでしたが作ったものをyoutubeにアップロードしていました。それから八年間ほどアニメ製作に携わってます。
◆創作活動の中で、心がけていること、大切にしていることは?
人を楽しませること。とにかくお客さんありきだと考えています。
どういうストーリーにすればお客さんが笑ってくれたり感動したりしてくれるのか、それを考えた上で、お客さんに丁寧にエスコートするように製作するようにしています。
◆尊敬しているクリエイター、影響を受けたクリエイターは?
宮崎駿、高畑勲、貞本義行、杉井ギサブロー、河森正治、押井守、細田守、今敏、吉田健一、近藤勝也、新海誠、なかむらたかし、井上俊之、木村真二、フレデリック・バック、アンドリュー・ワイエス、東山魁夷、北野武、黒澤明、小津安二郎、スティーブン・スピルバーグ、ジェームズ・キャメロン、フランク・キャプラ、オーソン・ウェルズ、アルフレッド・ヒッチコック、スタンリー・キューブリック、ビクトル・エリセ、鳥山明、うすた京介、鶴田謙二、小畑健、西村ツチカ、村上春樹、五木寛之、桜庭一樹
◆今、夢中になっているもの、気になっているものは?
まだ懲りずにアニメーション制作に。
それとは別にアニメーションとは離れたところでの映画全般について興味があるので、いもっといろんな映画を俯瞰するような視点で見たいと思っています。
また、最近引っ越したばかりで、新しい町に来たので、見て回るのがすごい楽しくて、一日中ずっと歩きまわっていたりします。
◆これからの夢や目標は?
もっと多くのことを勉強し、幅広いエンターテイナーを目指すこと。
またその中で何かひとつ信念なるものを見つけること。
そしてそれに基づいて、作家になることが目標・・・なのかもしれません。
◆石田さんの作品は『フミコの告白』や『raintown』など短編アニメーションという時間的に短い枠の中で、物語性あふれるものを魅力的に作り出しているように感じておりますが、作品の構想やアイディアはどのようにして生み出しているのでしょうか?
アニメーションは制作に時間がかかってしまうために自主制作においては何かと制限がつきまとうので、まずは尺を短く設定したうえでその中でどうしたら面白く、どうしたら伝わるかということを主に考えていきます。極端に行ってしまえば、自分の力量やスケジュール、マンパワーといった“身の丈”と、やりたいことのバランスを徹底的に考慮して、限界ギリギリでボロが出ない完成度の高い作品を作りたいと考えています。
フミコの告白
代表作:『フミコの告白』
タカシ君に告白してふられてしまった女子高生のフミコがふとしたきっかけで街中を「滑り落ちていく」というアニメーション。その疾走感あふれる映像と、細かいところまで綿密に書き込まれた街並みが見るものを惹きこませていく。ラストの「うちがあんたに毎朝みそしる作っちゃる!」という台詞が印象的。第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞。