話すのが苦手で行動力がない… “内向的な性格”をコンプレックスではなく強みに!/『内向型人間だからうまくいく』①

ビジネス

2020/3/24

大人数の場が苦手、同時に複数の仕事がこなせない…。内向型人間は、話すのが苦手でも聞き上手。行動力がないように見えるのは、慎重に行動できる証拠。じっくりと仕事に取り組むことで、高い成果を出せるのです。本書では、内向型人間の長所を活かした働き方と生き方を提案します!

『内向型人間だからうまくいく』(カミノユウキ/祥伝社)

はじめに

 内向型プロデューサーのカミノユウキと申します。医療機器メーカーに勤めたあと、現在は内向型プロデューサーとして、内向的な性格を活かすためのコーチングやオンライン講座、イベント、メディアでの情報発信などを行なっています。

 私は以前、自分の性格をあまり好きではありませんでした。

 私は子どもの頃からあまり社交的ではなく、友人や知人の数は多くありません。初対面の人と話したり、電話でやりとりすることも苦手です。

 疲れやすいこともコンプレックスでした。騒々しかったり、人が多い場所に行くと疲れてしまうのです。ちょっとした雑談や電話で集中力が途切れるのも嫌でした。

 大学院を卒業して就職すると、私の劣等感に拍車がかかります。会社の先輩や同僚には、私と対照的に、エネルギッシュで社交的な人、つまり外向型人間が少なからずいたからです。彼らは毎日、朝から晩まで予定を詰め込み、たくさんの仕事をマルチタスク(複数の作業を同時に進めること)で進めていました。初対面の人ともすぐに打ち解け、飲み会でも場を盛り上げてくれます。

 私は、彼らと自分を比べ、つくづく嫌になりました。疲れやすく、たくさんのタスクを同時にこなすことが苦手で、ノリが悪い。

 私は外向的な先輩や同僚のように社交的になろう、コミュニケーション力を高めようと努力をはじめました。が、まったくうまくいきません。私は自己嫌悪に陥りました。

 

 なぜ内向型人間は外向型人間になろうとしてしまうのか。それは、世の中に出回っている自己啓発本やビジネス書は外向型人間向けのものが多いからです。例えば、実業家の堀江貴文さんの『多動力』(幻冬舎)には、「準備にかける時間は無駄である。見切り発車でいい。すぐに始めてしまって、走りながら考えよう」「一晩一〇軒以上をハシゴしろ」などと書かれています。内向型人間はじっくり考えて慎重に行動する人が多いので、見切り発車は苦手です。また、一〇軒もハシゴすれば疲れてしまうでしょう。

 自分の性格とは違うタイプの人の真似をしてもうまくいきません。私が自分の性格を嫌い、苦しんできたのは、「外向型であれ」という世間の価値観に流されたからです。しかし、内向型の人間は、内向型らしく生きればよいのです。現に、内向型の強みを活かして成功した内向型人間は、日本でもたくさんいます。

 とはいえ、日本社会では外向型の性格が理想になってしまっているのは間違いありません。そのせいで生きづらさを抱えている内向型人間は、私以外にもたくさんいるはずです。

 そこで私は会社を辞め、内向的な性格であることに悩んでいる人を助ける「内向型プロデューサー」として独立しました。

 日本ではまだまだ「内向型/外向型」という性格の区分があまり知られていません。そのせいもあって、「外向的に振る舞えない自分」にコンプレックスを抱いている人がたくさんいます。そう、かつての私のように。

 しかし私は、自分が内向型であることを知って、自分に自信が持て、楽に生きられるようになりました。私以外の内向型の人々にも、同じように内向型の実態を知ってもらい、自分らしく生きてほしい。そう願って活動しています。

 

 内向型人間についての本は、優れたものがたくさんあります。しかし、欧米人の著者が多く、また、心理学者や脳科学者など研究者が書いていることが多いです。もちろん、それらの本は素晴らしいのですが、ここ日本で内向型の性格に悩んでいる人たちにとっては、少し実感が湧きにくいのも事実です。

 そこで私は、自分を含めた多くの具体例を見てきた経験を活かし、現代の日本社会で内向型人間が自信を持ち、強みを活かして楽しく生きるための本を書き下ろしました。それが本書です。

 第一章では、外向型がよしとされる社会の中で、どのように内向型人間だと気づいたか、第二章では内向型人間の特徴について、第三章と第四章では、内向型人間が実際にぶつかる壁に対処するための具体的なノウハウをご紹介します。

 第五章では内向型の強みを活かす方法を、第六章ではこれまでコーチングやイベントに参加してくださった方の事例を交えた、実践的な内容を記しています。

<第2回に続く>

この記事で紹介した書籍ほか