他人に振り回されていませんか? 自分らしい人生を取り戻すには…/『NOを言える人になる』①

暮らし

2020/3/30

あなたから自由を奪うすべてにNOを言い、自分の人生を取り戻すときだ――。会社の同僚、上司、家族といった人間関係や社会に、どうNOを言うべきか。どうすれば、あなただけのルールで生きられるようになるか。生きづらさを抱えた多くの人々の生存戦略を、わかりやすくご紹介します!

『NOを言える人になる 他人のルールに縛られず、自分のルールで生きる方法』(鈴木裕介/アスコム)

今こそ、NOを言い、自分の人生を取り戻すときだ

『NOを言える人になる』。

 このタイトルにひかれて本書を手にしたあなたは、おそらく、何か嫌なこと、拒否したいことがあっても、なかなかNOを言うことができなかったり、「自分はいつも他人に振り回されている」「まったく自分らしく生きられていない」「自分ばかりが損をしている」といった思いを抱えて、生きていたりするのではないだろうか。

「はじめに」にも書いたように、僕たちが生きているこの社会は、平和で物質的には豊かだけど、自己肯定感が得づらく、生きる意味を見つけづらくなっている。

 それは、多くの人が、他人や社会が決めたルールを、NOを言わずに受け入れ、自分のルールよりも優先させてしまっているからだ。

 僕たちは社会から、日々、おびただしい数のメッセージを受け取っている。

 たとえば、「いい学校を卒業し、いい会社に入って出世し、何不自由ない暮らしをするのが勝ち組の人生だ」とか「人は結婚し子どもを育てて、初めて一人前だ」とか「社会人は、何よりも仕事を優先するべきだ」とか「こういうふるまいは褒められるべきであり、こういうふるまいはみっともない」とか。

 こうしたメッセージを通して、僕たちは、誰かが考えた価値観やルール、生き方を一方的に押しつけられ、ときには「自分らしくあること」「自分らしく生きること」を否定され、さまざまな我慢を強いられる。

 心や身体が悲鳴を上げていても、「親が言うことだから」「愛する人が言うことだから」「常識だから」「会社の決まりだから」と、NOを言わずに受け入れてしまうことが非常に多いのだ。

 いや、「自分はNOを言えていない」「自分らしく生きられていない」と認識できている人は、まだましな方かもしれない。

 実際には、他人のルールや価値観に適応しすぎていて、自分が無理をしていること、NOを言えていないことにすら気づいていない人もたくさんいる。

 彼らの多くは、若いうちや「勝ち組」でいられるうちは、自分の人生に疑問を抱くことはほとんどない。

 ところが、ある程度年齢を重ね、ふと人生を振り返ったとき、もしくは自分がそれまで信じ込んでいた価値観が崩れるような出来事に遭遇したとき、「今まで自分は何をしてきたのか」「自分の人生は何だったのか」と愕然とし、アイデンティティが崩壊するほどのショックを受け、虚無感に襲われてしまうのだ。

 では、あなたが「他人や社会が決めた価値観やルール」から解き放たれ、「自分の価値観やルール」に基づいた「自分らしい人生」「自分だけの物語」を取り戻すには、どうしたらいいのか。

 そのために必要なのは、まず、人間関係のあり方を見直すことだと、僕は思っている。

 人生において、もっとも重要でもっとも厄介なものは、人間関係だ。

 社会で生きていく以上、人は必ず他人と関わらなければならず、そこにはさまざまな関係性が生まれる。

 喜びも悲しみも、楽しいこともつらいことも、そのほとんどは人と人の関係によってもたらされるし、あなたを成長させ、あなたに安らぎを与える関係性もあれば、あなたから自由を奪い、あなたに苦痛ばかりを強いる関係性もあるだろう。

 また、社会からのメッセージも、親や学校、友人、上司など、人間関係によって伝えられることが多い。

 他人のルールに縛られずに生きるためには、その人間関係が自分にとって「好ましいもの」であるかどうかをしっかり見極める必要がある。

 好ましい人間関係は、とにかく公平(フェア)で穏やかだ。

 価値観や考え方を一方的に押しつけられることもなく、ミスや欠点を過剰に責められることもなく、片方だけが損をするような、不公平な取引を持ちかけられることもない。

 そうした人間関係の比重が高いと、「自分は自分のままでいて良いのだ」「たとえ欠点だらけでも、失敗だらけでも、大きなことを成し遂げられなくても、自分や自分の人生には価値があるのだ」と感じられるようになり、心が安定する。

 また、自分の感覚に敏感になり、自分のルールを優先し、自分にとって「良いもの」を受け入れ、「良くないもの」にNOを言える勇気と自信が持てるようになるため、自分が心から求め、選んだものばかりに囲まれて、喜びの多い、本当の意味で幸せな人生を歩むことができるようになるだろう。

 逆に、好ましくない人間関係は、他人のルールであなたを縛りつけ、あなたの価値を勝手にジャッジし、あなたの時間やエネルギーをひたすら奪い続ける。

 そうした人間関係の比重が高いと、あなたの心や生活、人生は「他人から押しつけられたもの」でいっぱいになってしまうため、常に「自分は、まったく自分らしく生きられていない」という思いにつきまとわれ、日々の生活に喜びを感じられなくなる。

 人生のどこかで「自分なんて何をやってもダメだ」「自分の人生は何だったんだろう」という絶望感や虚無感に襲われることもあるかもしれない。

 人間関係のあり方やルールを見直すことで、あなたの人生は大きく変わる。

 この「人間関係の基本〈編〉」では、どうすれば、あなたにとって好ましい人間関係の比重を増やしていくことができるのかを、具体的に考えていきたいと思う。

<第2回に続く>

この記事で紹介した書籍ほか