タスクの渋滞を整理! 小さいノートを使ったスケジュール管理法/『時間をもっと大切にするための小さいノート活用術 』⑤

暮らし

公開日:2020/4/30

ウェブマガジン『毎日、文房具。』編集長・髙橋拓也がおすすめする世界で1番“気楽な”ノート術。スマホのように開く。そうすれば、煩雑な毎日が整理され、新たな可能性が見えてくる。小さいノートを味方につけて、“あなたの時間”を取り戻そう!

『時間をもっと大切にするための小さいノート活用術』(髙橋拓也/玄光社)

05 とにかく書き始める

 とにかく気軽に、小さいノートを始めてみてください。

 外に出かける時は常に持ち歩き、家にいる時もそばに置いてみてください。これだけで、日常に変化が表れます。書きたくなるタイミングは、いつ降ってくるかわかりません。書きたい時に、小さいノートがそばにあることが大切なのです。そして書く時に、身構えない。頭をひねって考える必要なんてありません。私の小さいノートには、受けた電話のメモもあれば、「昨日はあまり寝れなかった。今日は早く寝る」「家に帰ったら爪を切る」ということまで書いてあります。

 つまりそれは、必要のないことを頭の中に留めておかなくていいということでもあるのです。私にはやりたいことがたくさんあります。けれども時としてそのやりたいことを押し流すように、仕事はもちろん、さまざまなタスク、日常の瑣末な出来事が発生します。

 目の前のことに集中したいけれども、気になることが頭の中に残っていて、100%力を出せない。けれどもそうしたことを忘れてしまうのも、またストレスになってしまう。ストレスで済むならまだしも、後々、ミスを起こして大きなトラブルを招いてしまったら――なんて、考えるだけで嫌なものです。

 小さなあれこれが頭に残っていると、混乱を招きかねないので頭の中から追い出したい。しかし完全に忘れるのはまずいというジレンマ。

 なので私は、どんな些細なことでも、どんどんノートに書いていきます。言い換えてみればやりたいことに向き合えるように、小さなことをいったんノートに預かってもらうのです。ノートに書き留めた瞬間にアウトプットができて、頭がすっきりする。小さいノートのおかげで、今この瞬間必要ないことを、ちょっと傍らに置いておくことができるのです。


 小さいノートに助けられる場面は、他にもあります。私は生来の性格のせいか、あるいはやりたいことが多いせいか、どうも忘れっぽいところがあります。人と会う機会も多く、話が弾んだ流れで、「あのお店の場所、帰宅したらメールで送っておきますね」など、約束事を交わすこともしょっちゅうです。けれどもいったん人と別れたり、場所を移動すると、つい忘れてしまうのです。

 他愛のない口約束だとしても、忘れてしまう自分が嫌になります。そもそも、相手に対して失礼ですよね。こんな時に、小さいノートが支えてくれるのです。すぐに書き留めることで、人との付き合いを大切にできて、次回も気持ちよく会うことができます

 小さいノートは、家庭内のタスクを切り盛りする上でも役立ちます。

「捨てるものを仕分けしておいてね」など、期限が決められていないことに対しては、緊急度が高くないと思い込んでしまいがちですが、相手にとっては必ずしもそうではありません。この温度差が積もり積もると悲劇を招きかねません。さっとメモをするだけで、そうしたリスクを回避できます

 職場では完璧にスケジュール管理ができている人が、プライベートになると、場当たり的に時間を潰しているケースもあります。仕事でも、プライベートでも同じようにすればいいのに……と思わないでもないですが、きっと「やらなければならないタスク」から解放されたいのでしょう。けれどもそれは、決して自由な時間を謳歌しているのではなく、時間を浪費しているようにも見えかねません。

 職場と同じテンションで、時間を管理する必要はありません。会社での決められらたTODOツールから離れたいと思っている方こそ、アナログでゆるい、小さいノートを活用してみてほしいのです。日常のさまざまな場面で実行率を上げる。やれることが増えると、気持ちがよくなります。いつも、頭も気持ちもすっきりさせておきたいのは、誰しもが思うところでしょう。

 やりたいことが、より多くできるようになるのは嬉しいことです。ただその反面、やりたいことのために、こなさなければならないことも、おのずと発生してきます。その時に、タスク整理においても気持ちの面でも混乱しないように、小さいノートをフルに活用してください。頭の中にあることを、どんどん出していくことで活路が見えてくるはずです。

<第6回に続く>