人間の寿命は85歳。会社の寿命は…? “転職が当たり前”時代の面接術/『新しい転職面接の教科書』①

ビジネス

公開日:2020/4/28

面接において、一番理解しておくべきことは「面接には作法がある」ということです。「いやいや実力があれば関係ないでしょ」と思われる方もいるかも知れませんが、そんなことはありません。目からウロコの「採用の本質」を知って最強の内定を手に入れませんか。

『新しい転職面接の教科書~「最強の内定」を手に入れる!』(福山敦士/大和書房)

転職が当たり前の時代になった

×これ誤解です 転職=ネガティブなもの?

 現在でこそ、働き方や生き方を見つめ直す手段として転職への注目が高まっていますが、世代によっては転職のイメージは大きく異なります。ですが、転職はネガティブなものでも難しいものでもなく、現代においては必然的なものになっています。ですが、なぜ未だに転職することをためらったり、難しいと感じる人がいるのか、状況を最初に整理しておきたいと思います。

昭和、平成、令和の異なる仕事観

 昭和は一生一社の時代なので会社選びが重要でした。どの会社を選んでも処世術が求められた時代なので、「課長 島耕作」のように一つの会社の中でどう生き残るかという考え方が中心にあります。平均寿命が60才台の頃、文字通り「終身雇用」だったからです。

 平成に入ると、昭和に比べて転職というものが表立ってきますが、平成前半の転職の主なイメージは、「転職すると年収ダウン」。外資系に転職して年収が上がる人は勝ち組だと思われましたが、多くは「出世競争からあぶれたから」「会社が倒産したから」といった理由でやむなく転職するというケースでした。転職自体に負のイメージが強く、あまり褒められたものではないという見方がまだまだ強かったのです。

 平成後期から令和にかけては、「働き方改革」というキーワードを政府が打ち出して転職・副業がカジュアルになりました。また、会社の寿命も技術の寿命も短くなっている一方で、人間の寿命は延びているという歴然たる事実に皆が気づき始めました。平成以降、企業の倒産とM&A件数は加速しています。会社の起業件数も増えていますが、倒産件数も増えています。こういった背景からも、転職は必然で、「一生一社」が非常に成り立ちづらい時代になってきています。

 退職年齢の引き上げや年金受給年齢の引き上げなどの背景も加わり、現在、40代・管理職で安泰に見えるような人であっても、転職を考える人は増えています。ですから、あなたが今臨もうとしている転職活動に限らず、転職というテーマ自体がこれからを生きる私たちに長く関わるテーマであるということを認識してもらえればと思います。

アドバイス:会社の寿命は18歳、人間の寿命は85歳

<第2回に続く>