転職は売り手市場だから大丈夫…ではない! いつ、どんな会社を狙うべき?/『新しい転職面接の教科書』②

ビジネス

公開日:2020/4/29

面接において、一番理解しておくべきことは「面接には作法がある」ということです。「いやいや実力があれば関係ないでしょ」と思われる方もいるかも知れませんが、そんなことはありません。目からウロコの「採用の本質」を知って最強の内定を手に入れませんか。

『新しい転職面接の教科書~「最強の内定」を手に入れる!』(福山敦士/大和書房)

転職は売り手市場ではあるが…

×これ誤解です 次の会社にはいつでも行ける?

 現在は人手不足が叫ばれ、転職活動をする人にとって売り手市場であることは確かです。ただ、この認識が気の緩みを生んでいる側面もあるといえるでしょう。

 例えば、取引先の会社や仕事関係の数人の方に「うちに来てよ」「好きなときに来てよ」と言われていたとしても、それにもタイミングというものがあります。「いつ行こうかな」とのんびり構えていると、いざ1年後行きたいと思ってもそのポストがもう埋まっている可能性は十分あります。

 僕がサイバーエージェントに入社して数年のうちは、社内の人が電通・博報堂へ移るというケースがわりと多く見られました。この時期は、インターネット広告の市場規模がどんどん大きくなっている中、マス広告は市場成長が止まり始めた、まさにそういう時期でした。つまり、市場が大きくなっているインターネット広告のノウハウを持っている人の市場価値が一番高まっていた時期と言えます。仮にその5年後同じような流れでインターネット広告の人が大手広告代理店に行けたかと考えると、これは微妙です。なぜかというと、もう人が足りているかもしれませんし、マス広告の方にもノウハウが溜まってきているかもしれないからです。ですから、前例と同じように行けるという確実性も実はあまりないのです。それだけ、背景やタイミングも大事だということです。

入りやすいときに入り、価値を上げる

 つまり、投資と同じように考えると分かりやすいかもしれません。

 投資は安く買って、高く売るのがセオリー。まだあまり知られていない気鋭の会社、人気が集中していない会社に入って、自分の実力以上の経験を積み、自分自身の市場価値を上げることをおすすめします。そして、次の会社で自分の市場価値を高く採用してもらうということは、投資家的な考え方と同じです。

アドバイス:現在の大企業より、これから大企業になる会社

<第3回に続く>